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至れり尽くせり

家の中をミーティちゃんに軽く案内してもらった。どの部屋もきれいに掃除されていた。多分使ってないであろう部屋が多いだろうにマメなことだ。

「お風呂も大きいわね……」

「でしょ~!」

しかし、お湯が張られたような形跡があまり見られない。水垢とか完璧に掃除しているとこうなるんだろうか。

「お姉ちゃんの部屋はね~……こっち!」

そう言ってミーティちゃんが地下に連れて行ってくれる。夏場だとこのひんやり感は素晴らしいかもしれない。

「このお部屋!」

そう言って入った部屋には一般的なベッドと調度品が置かれていた。

「地下って珍しいわね」

窓とかはないけどせっかく貸してもらえるのだし文句を言うのは違う気がする。

「でしょ?この季節でも涼しいんだよ~」

「なるほどねぇ」



「ふたりとも~!ご飯できたわよ~!」

しばらく部屋のベッドでミーティちゃんとお話しているとちょっと遠くからエラさんの声が聞こえた。

「今いく~!お姉ちゃ~ん!」

そう言った彼女に引っ張られながら一階にあるリビングへ向かう。おいしそうな匂い。

リビングに入ると二人で過ごしている割には大きい机に三人分の食事。シチューパイにオムレツだろうか。おいしそう。

「お口に合うといいのだけれど」

「こういう家庭料理、私大好きです」

「それならよかったわ」

「お姉ちゃんは料理も上手なんだよ~!いただきま~す」

「いただきます」

サクッとパイを崩して温かいシチューと一緒に一口。

「おいしい……」

思わず感想がこぼれてしまう。今日はいろいろあったからなのかこの温かさが体にしみる。疲れた体に味の濃さが効いてくる。

「あら……そんなにおいしかった?嬉しいわ」

「お姉ちゃん泣いてるの?」

「……えっ?」

なんと気づかないうちに涙が出ていたみたい。

「あっ……」

「きっと安心したのね。怖い目に会ってたわけだし」

「ごめんなさい急に……」

「いいのよ。むしろ安心してくれてこちらとしても嬉しいわ」

オムレツもふんわりしていてとてもおいしい。人の手料理ってこんなにおいしかったっけ。改めてこの人に助けてもらえてよかったと思う。後でしっかりお礼をしなきゃいけないな……。

「パンもあるけど良ければどうぞ」

「あ、ありがとうございます……!」

かごに入った丸パンを持ってきてくれるエラさん。その微笑みを見ると本当に優しいお姉さんという感じだ。助けてくれた時のかっこよさとは違ってこれはこれで素敵。

「お姉ちゃんジャム欲しい~」

「はいはい。ちょっと待っててね」

結局出してもらった自家製ジャムと一緒に丸パンを三つ、シチューパイとオムレツを完食してしまった。おいしすぎて思ったより食べ過ぎてしまった。

「ごちそうさまでした。本当においしかったです」

「ふふっ。ありがとう」

そう言ってエラさんは私の口元を指で拭ってぺろりと指に着いたジャムを舐める。

「んっ……⁉」

「ついてたわよん。いっぱい食べてくれてありがとね」

うぅ……すごい恥ずかしい。



「お姉ちゃんのご飯おいしかったでしょ~」

「ほんとに……すごいおいしかった」

ご飯を食べ終わったところでまたミーティちゃんに部屋まで連れてもらってきた。どこ行くにも案内をするためについてきてくれてかわいい。

「そう言えばあとでお姉ちゃんがお風呂用意してくれるって言ってたよ」

「お風呂まで……⁉いいの?」

「いいって言ってたよ~?後で呼びに来てくれるみたい!」

「優しいのね。お姉ちゃんもミーティちゃんも」

「えへへ」

人のお家のお風呂。あの綺麗なお風呂ならすごい気持ちいいんだろうなぁ。

「そう言えばお姉ちゃんのお洋服どうするのかな……お姉ちゃんの貸してくれるかなぁ」

「そこまでしてもらうのも申し訳ないわ」

とはいえ自分の姿を見直すといまだに水着だった。そう言えばほかの服持ってきてなかったしこの水着で寝るのも……うぅん。

「お姉ちゃんの水着、綺麗だね……!」

「ありがとう。この水着ね、私の大切な人が仕立ててくれたの」

「すべすべ~」

水着のパレオ部分と私の太ももを触りながら満足気な彼女。



そして時間はあっという間に睡眠の時間に。お風呂を入れてもらったし、何なら背中まで流されてしまった。

「これ、薄着ではあるけど寝るときに」

そう言ってエラさんが普段着ているであろうナイトウェアを貸してくれた。結構セクシーよりだけどとてもありがたい。

「お腹、冷やさないようにね」

さらにそう言って寝るときに薄い毛布まで掛けてくれる。至れり尽くせりすぎる。



「おやすみなさい。ゆっくり休んでね」

「ありがとうございます……おやすみなさい」

彼女に言われたらスッと眠気が襲ってきた。よく寝れそう。


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