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迷子と出会い

「そう言えばこのあたりに簡単なお店があったわね」

「せっかくなら、買ってきましょうか?先ほど見てきたときはかなり店内が混んでいたので持ち帰りの方が快適にお昼を食べられるかと」

ネイが補足してくれる。海の家的なものがあるのだろうか。

「んー。そうしようかしら」

「では、軽く買ってまいりますね」

「私の従者も一緒に連れて行っていいわよ~」

「ありがとうございます」

そう言って数人でお昼を買いに行ってくれる。と言うか買いに行かせてしまった。せっかくなら私も見に行きたかった。この世界の海の家、焼きそばとか売ってるのかしら。たこ焼きもいいわね。

「……ミア、行きたそうだね」

「えっ⁉」

「ずーっとネイさんたちが行った方見てるし……口元」

私、口開いてよだれ出てた……⁉思わずごしごしとこすって証拠隠滅を図る。

「初めてミアがそんな顔してるの見たかも……」

ノアがそう言って何とも言えない顔をしている。引かれてる?

「少し考え事してただけよ……!」

「ミアって結構食いしん坊さん?」

「そんなこと……」

「いっぱい食べる姉様もかわいいですよね」

「うぅ……もうっ……!ネイたちについていってちょっとご飯見てくる!」

恥ずかしくなって思わず立ち上がる。

「あら。ついていこうかしら?」

「い、いいわよ。すぐ追いつくし」

「これお財布ね。迷子にならない?大丈夫?」

セイラが少し心配そうに私を見てくる。

「だ、大丈夫!」

財布を貰ってそのままさっきネイが歩いて行った方向に歩き出す。みんなして私の事からかって……も~……。

「でも焼きそばとかたこ焼きとかをラムネで頂きたいかも……」

ちょっとジャンキーな味が恋しいという気持ち。もちろんネイ達の料理はとてもおいしいんだけどね。ちょっと口が甘シュワの気持ちになってきた。

「ネイ達どこ行ったのかしら……」

しばらく歩いたけど彼女たちの事を見つけられない。おかしい。同じ方向に進んだし、そこまで時間を空けて行ったわけでもないのに。

「人混み……さっきと変わらないわね」

周りの景色はほとんど変わらないのにいつまでたってもネイ達を見つけられない。

「嘘、よね」

嫌な予感が頭をよぎる。もしかして私、迷った?あんなに自信満々に出て行ったのに?サーッと血の気が引く。

「もしかしてこれ……帰れない?」

来た道なんて覚えてないし、人混みのせいでどの方向から来たのかもいまいちわからない。

「やば……どうしよ」

お財布には少しのお金しか入っていない。最悪水着で別荘まで戻らなきゃいけない……?死ぬことはなさそう……?いろいろな思考が頭を駆け巡る。

「おとなしく誰かと来ればよかった……はぁ……」

ため息を一つついたところで足にふにっとなにか温かいものが触れる。

「ん……?」

下を見るとこちらを見つめる少女が一人。真っ赤なおめめでじーっとこちらを見ている。小学生低学年くらい?だろうか。太ももにぎゅっと抱き着いている。

「えっと……」

「お姉ちゃん……?じゃない……」

「えっと……迷子?」

「お姉ちゃんどこ……?」

どうやら迷子らしい。まさか迷子になりかけた時に迷子を拾ってしまうことになるとは。

「えっと、お姉ちゃん探してるの?」

「……うん」

こくりと小さく頷く目の前の少女。

「そっかぁ……。どんなお姉ちゃん?」

きっと近くにいるはず、せめてこの子だけでも迷子から解放してあげたい。

「えとね……かっこよくて、お姉ちゃんと同じ髪!」

私を指さしてそう言う。銀髪、ということだろうか。それは数が絞りやすそうかも。

「そうなんだ……じゃあ、一緒に探そっか。えっと……」

「私、ミーティ!」

「ミーティちゃん、ね。私はミアリーン。ミアって呼んでね」

「ミアお姉ちゃん!」

ちっちゃい子の相手はあまり慣れないけどこの子を不安にさせちゃいけない。ちゃんとしたお姉さんとしてふるまわないと。手をつないで二人で歩き出す。とりあえず銀髪の人を探してみるか……。

「ミアお姉ちゃんのおててあったかいね」

「そ、そう?ミーティちゃんもあったかいわ」

いまいち慣れない。ちっちゃい子とのかかわり方ってどうすればいいんだ。彼女に歩幅を合わせてゆっくり進みながら彼女の姉らしき人を捜し歩く。

「どこかしらねぇ……」

しばらく歩いても銀髪の人があまりいない。まさか私と似たような感じで適当に歩いて行ったタイプなのかも。こっち向きで歩いてたらむしろ遠ざかっているのかもしれない。

「迷子センターとか……ここにもあるのかしら」

まず私もお世話になるべきなのだけれど。

「ちょっと、疲れたかも……」

「あっ、ごめんねミーティちゃん。早く歩きすぎたかも」

しゃがんで彼女と目線を合わせて話しかける。とりあえず怪我とかはなさそうだし、少し休めばまた歩けるだろうか。むしろ海の家みたいなところで休憩するべき?

「ちょっとお店で休憩、する?喉乾いたりしない?」

「いいの?」

「もちろんよ。ちょっと休んだら行きましょっか」

「うん!」

元気な声でお返事を返してくれる。ちっちゃくなったレイみたいで可愛い。


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