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海水浴のための準備

「お待たせ。待たせたかしら」

「大丈夫よ、海がきれいだったし」

実際4人で眺めている間はあっという間に時間が過ぎていった。エイリーンたちが着替えに行ったのもついさっきのように感じられた。

「みんな水着似合ってるわね」

「ありがと」

セイラもネイもいつの間にか着替え終わっていたみたいで、ばっちり決まっている。

「お……メーシャちゃん似合ってるわね~!」

セイラとイナの間からひょこっと顔を出したメーシャちゃんも可愛らしい水着を着ている。この水着は少し現代風というか、イナが用意した物な気がする。

「ほんと⁉」

「ええ!最高にかわいいわ!」

とてとてとこちらに近づいてきたメーシャちゃんの頭を軽く撫でる。年の離れた妹ができた感じで守ってあげたくなる。

「お姉ちゃんもかわいいよ!」

「ありがとね、メーシャちゃん」

目線を合わせてしゃがんだところで彼女の小さい手がぽんぽんと私の頭に触れる。

「なんか私達の時と反応が違いません……?」

「もしかしてミアってちっちゃい子の方が好きなのかしら」

目の前の彼女がかわいいなぁと思っていたら、なんか外野で好き勝手言われている気がする。

「なんか失礼なこと言われてる気がするわ……」

「わ、私は姉様がどんな好みを持っていても大好きですからね!」

「ちょっとレイ……?」

「あのー……皆様。海岸の準備が整いました」

わちゃわちゃしていたらいつの間にかエイリーンの従者が準備をしていてくれたらしい。

「あら、早かったわね。じゃあさっさと移動しましょうか。この馬車はここら辺に待機でお願いね」

「かしこまりました」


日差しを浴びながら少し歩いて海岸まで到着する。さっき窓から見ていた海岸に実際に降り立ってみるとやっぱり印象が変わる。遠くまで見えにくいからか世界が少し狭くなったみたい。

「こちらです」

彼女がそう言って手で示したところには、シートが広げてあって、日よけのパラソルにいくつかのビーチチェアが置いてある。どうやらエイリーンの従者たちが立っているおかげで私たちの周りだけ少し人だかりに穴が開いているみたい。

「すごい……快適そうね」

とりあえずパラソルの下に座ってみる。レイも私の隣に。さっきまで日に当たっていたからか地面がほんのりあたたかい。

「私はこちらに……」

ロベリアは流れるようにビーチチェアへ。なんというか様になっている。本でも開けば海に休みに来たお嬢様といった感じ。

「日陰落ち着きますね……」

「思ったより涼しいねぇ」

「イナお姉ちゃん!海、行こ~!」

「走ると危ないですよ、メーシャ」

「私も行く~!」

どうやら各々思い思いに海を楽しんでいるみたい。セイラたちは海へ走り出してしまったし、エトラはすでに休憩の体勢。


「ミア様。少しよろしいですか?」

「どうしたの?」

私も海に出て軽く泳いでみようかしらと思ったところでネイが謎の瓶を持ってくる。

「ミア様の白いお肌を日焼けから守るために、この様なものを買ってまいりました」

その瓶には”日焼け防止!最強!肌に優しい”と書いてある。日焼け止め……確かに大事ではある。

「わざわざありがとうね。ありがたく塗らせてもら……」

瓶に手を伸ばしたところでサっとその瓶を取り上げられる。

「ネイ……?」

「塗って差し上げますのでうつ伏せにおなりくださいませ」

「そ、そう?じゃあ……」

せっかく塗ってくれるというなら塗ってもらうか……。エイリーンの水着のおかげで火にあたる部分はそんな多くないけど。そう思いながらシートの上にうつ伏せになる。

「それでは、塗りますね」

「ん」

背中に少しひんやりとした液体がとろりとかかる。すぐにネイの手のぬくもりも。

「ん……っ……」

「冷たかったですか?一応少し手でなじませてから垂らしたのですが……」

「だ、大丈夫。そのまま続けて」

「かしこまりました」

マッサージをするように背中から脇にかけてネイの指が這っていく。ほんのちょっぴりくすぐったい。

「……わぁ」

ネイの指、触り方が優しくて気持ちいい。思わず目を細めてしまうくらいだ。

「水着の中も、少し塗りますね」

「ほぇ……?」

そう言って彼女は水着を少し引っ張って指を差し込んで、塗れる部分になじませていく。いきなりでちょっとびっくりした。

「次、おなか周りを塗りますね。後足も」

そう言われたと思ったら脇腹をネイの手らしきものが、お尻を知らない手が触ってくる。

「ひぁ!?」

「あ、姉様変な声出しちゃだめですよ?」

「れ……レイ?」

「私もお手伝いしますね!」

そう言って四つの手が丹念に日焼け止めを塗りこんでくる。


「ふぅ……」

「じゃあ、ミア様。仰向けになってください」

「あ、うん」

言われるがまま仰向けになる。ってエイリーン?

「ふふっ。私がミアの顔に塗ってあげるわね」

にまぁっとした彼女は私を膝枕したままほっぺに日焼け止めを塗る。

「では私はこちらを……」

「ちょ……⁉胸元はいいわよ⁉」

「いえ、油断は大敵です」

「そうですよ!姉様!」

「ちょっとぉ!」


結局体を好き放題触られまくって日焼け対策を万全にした。外だっていうのに……。


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