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久しぶりの街

「三人とも起きてください。朝ですよ~」

「ぁい……」

「ふぁあ……」

「……」

「ミア……?」

「姉様朝です……」

体が揺らされてやっと意識が表層に戻ってきた。

「……んぅ?」

「ミア~……?起きて~?」

「ぉきて、る……ぅ」

ぼやけた頭で口を動かして何とか返事をする。ちゃんと返事ができたかは知らない。

「姉様、ほら起きてください」

体がぐぐっと引っ張られて体を起こされた。ミアとセイラが二人で私の体がまたベッドにダイブしないように支えてくれている。

「ん……」

寝ぼけまなこをごしごしこすって光を感じると、本当、もう朝だ……。

「まぶし……」

「ミア様、日の光を浴びると目が覚めるらしいですよ?」

ネイのいかした心配りだったみたい。うぅ、眩しい。けど確かに目は覚める。


とりあえず顔を洗って部屋で朝のお茶を飲んでいると思考もクリアになってきた。

「ミア、やっと起きた?」

「ええ。お茶のおかげかしらね」

「嬉しいこと言ってくれるじゃん、ミア~!今日のお茶淹れたの、私なんだよ!」

ふふんっと得意そう。てっきりネイが入れたものかと思っていた。

「上達したのね……すごいわ」

昔淹れてもらったお茶はちょっと味が薄かったのに。

「永久就職したからね!しっかりメイドのお仕事もしなきゃじゃん?」

「た、確かに?」

正直友達としての扱いをメインにしたいけど……今からでも。とはいえ本人も気に入ってるみたいだししばらくはこのままでいっかぁ。

「お姉ちゃん……おはよ……」

セイラと話していたら彼女の妹がひょこっと私の部屋に来た。後ろからお世話係のイナもついてきている。

「おはよ、メーシャ!」

「メーシャちゃんもお茶、飲む?」

「飲む……」

私の隣にとてとてと歩いてきたと思ったらぽふっとソファーに座ってセイラの用意してくれたお茶を一口。一気に幸せそうな顔になってて微笑ましい。

「イナもお疲れ様」

「ありがとうございます。マスター」

「ミア様、お食事の用意が整ったそうです」

「じゃあ行きましょっか。メーシャちゃん、行くよ~?」

「はーいっ」

セイラと私の間で手をつないで一緒に歩いていく。まるで新しい姉妹みたいだ。もちろん私の反対側の腕はレイがぎゅっとホールドしている。



「ごちそうさまでした」

朝からクオリティが高くて胃にやさしい朝ごはんを食べて幸せ。海に行く前からこんなにいい気分になれるなんて。

「気に入ってもらえたみたいでよかったわ」

「毎日でも食べたいわね」

ぺこりと後ろに控えているメイドが一礼してくれる。

「それで、この後はどうする予定なの?」

「着替えたらとりあえず海の方行こうかと思ってるわ」

「ここで水着に着替えていくの……?」

パーカーとかがないとちょっときつそう。濡れたまま帰ってくることになりそうだし……。

「そんなわけないでしょ~?ちゃんと着替える場所は用意してるわよ」

ちょっと呆れたようにエイリーンがそう言ってくれる。だったらいいのだけれど。

「じゃあ、いったんきがえてからまた集合?」

「ええ、そうね。玄関に集まりましょ」


いつものネイ達が用意してくれたさわやかワンピースに着替えて帽子をかぶる。日焼けを気にしてネイ達が用意してくれたものだ。

「うん、いいと思うわ!」

「素敵です、姉様!」

「二人こそ素敵じゃない」

今日もネイ達も私服で付いてくれるようなのでちょっと新鮮。そしてかっこいい……。自分の魅力を理解している大人は何を着ても似合うものだ。

「皆着替え終わったみたいね」

「ですね」

「あんまり待たせても悪いし早めに移動しましょっか」

玄関に向かうとすでにほとんど皆集まっていた。私たちが最後みたい。

「あら……?今日は二台で行くの?」

昨日までの馬車に加えてもう一台、追加されている。

「あぁ、そこで着替えてもらうようにするつもり」

「へぇ……なるほどね」

確かに数人ずつなら着替えられそうだし、駐車場みたいな場所で着替えてそのまま海岸へ向かえるのかも。

「着替え場所を借りようにも予約が取れなくてね……今日はこれで我慢してちょうだい」

「全然かまわないわ」

「十分立派な着替え場所ですよね、姉様!」

しばらくしてノアが合流して全員がそろったところで皆で馬車に乗り込み、ゆっくりと視界が移動し始めた。


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