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贈って贈られ

「これ……お高くなかったんですか?」

「そうよね……宝石代だけでも結構しそうね。輪の部分は白金かしら」

まじまじと贈った指輪を見る二人。

「わ、私だってこのくらい買えるわ!」

実をいうと結構奮発してるけど。このくらいかけたならいざというときお金に換えてもらうこともできるだろうし。

「こう……形であらわされると嬉しいですわね」


ふとエイリーンが一つだけ開けていない紙袋を指さす。

「そう言えばもう一つあるけど自分用?着けてあげる?」

「あ、それはね……ネイに贈ろうかなって。いつもお世話になりっぱなしだから。こんなことでしかお返しができないけど」

彼女も昔から私にずっとついてきてくれてお世話になっている大事な人だ。こんなものでしか気持ちを伝えられないもの少し情けないけど、少しでも伝わればいいな。

「なるほどね。素敵だわ」

「こ、これ……私にはもったいない……うぅ……」

「もう……さっきも言ったでしょ?私にとって大事な人への気持ちを込めた贈りものなんだしもったいないなんてことないのよ」

エトラは私より控えめというか卑屈というか自己肯定感が低いというか……何とか自己肯定感を上げて自信を持ってほしい。

「えへ……そう言われると……」

「ていうかミア~?」

「何?セイラ」

小指をアピールしながら私に話しかけてくるセイラ。

「私たちみんな指輪つけてるのにさ、ミアだけつけてなくない?」

「確かに」

「仲間外れって良くないわよねぇ」

「い、いやいや。みんなからはいろいろ貰ってるしお世話になってるし……」

にじりにじりとソファーの隅に追い詰められていく。

「これは貴女もつけないと不公平ですわよね、ミア」

「そ、そうかなぁ……?ほら、私に指輪似合うかもわからないじゃん?」

「似合うのを見つけますわよ?」

ニッコリと少し怖い笑顔を向けてくるロベリア。セイラも隣に立って怖い笑顔。ソファーの隅に到達してこれ以上逃げ場が無くなった。

「ミア。楽しみにしててね~?」

「私達からも指輪を贈りますわ」

「いいわね。みんなで選びましょ!」

「み、みんな……」

せっかく私がお返しできたと思ったのに……これじゃあまた私がいっぱい貰ってばっかりになっちゃう。


プレゼントをもらうことが確定してしまったところで馬車が止まった。どうやらいい服屋の前らしい。

「あれ?ご飯食べて帰るんじゃなかったの?」

「ふふっ。ちょっといいところに行こうと思ったから皆にドレスをこの機会に贈ろうかと思って」

「ドレス……⁉」

「そうよ、ドレス」

「流石にそれくらい持ってるし悪いわよ」

「そんな立派なモノじゃないわよ。ちょっとご飯食べに行くときに着られるやつ。最悪使い潰せるやつね」

「あぁ……なるほど?」

「一つくらいあった方がいいでしょ?この後行く所は私服で行くのはちょっとはばかられるしちょうどいいと思ってね」

てっきりちょっとおしゃれ、くらいのお店に行くのかと思ったら……。とりあえずみんなで降りて服屋の中に入っていく。

「いらっしゃいませ。お嬢様方」

「使い勝手のいいドレスってあるかしら」

早速ロベリアとエイリーンが店員に話しかけに行く。私たちはされるがままで個室に連れられて行く。

「せっかくならみんなおそろいにする?そんなに値が張らないみたいだし」

「ですわね。既製品なら人数分ありそうですし」

「ちょっと大人な感じにする?」

「……普段使いには露出が多くありません?」

「それならこっち?」

「アリですわね。これ、試着できますの?」

「かしこまりました」

あっという間に試着用のドレスが一着。

「セイラ。せっかくなら着てみない?」

「もちろん!いいよ~!」

そう言って目の前で服を脱ぎ始めるセイラ。

「ちょちょちょちょっと⁉」

「どしたの?ミア」

「こ、更衣室にいって脱がない!?」

「いいよいいよ。男の人いないし~早い方いいでしょ~?」

そう言って試着のドレスをパッと着ていく。お腹がきゅっと締められるようで、彼女のご立派な胸部が結構アピールされるタイプらしい。ていうか結構大人な黒い下着をつけてるのね……知らなかった。

「ど~お~?」

「いいわね」

「似合ってるわ」

くるりと一周まわると裾がひらひらとしていい感じ。やっぱり黒いドレスって外れにくいわね。これは私も着やすそうだしちょうどいいかも。

「うんうん。これにしようかしら。人数分とサイズってあるかしら」

「はい。ご用意いたしますね」

オフショルでロングスカートでシルエットもきれいに見えそう。無駄に飾り布が少ないから着やすくて嬉しい。


「こ、これ……似合ってますか……?」

「素敵よ、エトラ」

店員が持ってきたドレスに着替えて、サイズの確認を行う。みんなぴったりで問題はなさそう。目の前のエトラも着慣れなさそうだがとてもよく似合ってる。お人形みたいで思わず後ろから抱きしめたくなる。

「じゃあ、このままご飯食べに行こうかしら」

「あれ……お会計は……?」

恐る恐る聞いてみた。払う用意はあるんだけど。と言うかいっぱい貰いすぎている……!

「もう終わったわ」

期待を裏切らない答えが返ってきた。結局着てきた服は袋に入れてもらってそのままレストランへ向かうことに。


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