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記念のプレゼント

一つ目の宝石の輝きが落ち着いたのは5分ほどたったころだった。思ったより時間がかかるかもしれない。みんなのこと待たせちゃうわね。

「……はい。きちんと込められていますね」

店員が確認したものをちらりと見ると、心なしかさっき買った時よりも色が濃くなっている気がする。

「この調子で残りも進めましょう。お客様」

「は、はいっ」

そのままさっきと同じように機器に法力を込め続けた。私は流すだけなので特に大変なことはない。しいて言うなら、少し疲れたような気もするけどそんなに気にはならない。

「お客様の法力……すごい質ですね。宝石に一般人が三日は贅沢に使っても困らないくらいの量を込められています」

「そ、そうですか?」

褒められて少しうれしい。贅沢に使っても、と言われてもいまいちピンとこないけど……魔銃で何百発くらい撃てるんだろう。今度試してみてもいいかもしれない。

「このくらいのお客様は数十年に一人くらいしかいらっしゃらないクラスですね。私がここで店を出してからだと初めてかもしれない……」

「そ、そんなに……」

「きっとこれからお客様はいろいろなところから引っ張りだこですね!」

あんまり目立ちたくはないけど……引っ張りだこになるくらいかぁ。うれしいやらめんどくさそうやら。ってだめだだめだ、集中しないと。


「……これで、最後っと」

最後に青紫色の綺麗な宝石に法力を込めて目を開く。目の前には一つ一つ法力を込めた宝石付きの指輪がリングケースに入れられて置かれている。改めて見ると……うん、とても高そう。そんな宝石は大きくないとはいえ質のいいものだしみんなつけてくれるといいけど。

「お疲れさまでした、お客様」

「えぇっと、支払いは……」

「あ、こちらで承りますよ。こちら伝票になります」

そう言って渡された伝票には今まで見たことのない額が書いてあった。危ない……買い物しに行くって言うからいっぱいお金を持ってきていてよかった。

「それじゃあこれでお願いします」

お財布はだいぶ痛むけど上金貨を数十枚ほど置く。たぶん昔なら新品の自動車は買えるくらいだ。

「承りました。少々お待ちくださいませ」

店員さんが裏へまわったので目の前の指輪たちを見てどのように渡すか考える。せっかくなら一人一人につけてあげたい。ネックレスを貰った時も付けてもらった方がなんというか嬉しかった。

「お待たせいたしました。こちらお釣りになります」

「ありがとうございます」

「入れ物はご入用ですか?」

「あ、頂けますか?」

そう答えると、小さな紙袋に一つ一つリングケースを入れてくれる。

「こちらでよろしいでしょうか」

「ありがとうございます」

「ご友人、きっと喜んでくださいますよ」

だといいなぁ。と思いながら皆のいるところに戻る。

「あら、ミア。遅かったわね」

「いったいどんな量の服を買ったんですの?袋を小分けにしてまで……」

「何買ったの~?」

しばらく時間を空けていたせいかみんな寄ってきた。

「あとで教えてあげるわよ」

「ふーん?」

「とりあえず買うものは買ったかしら、みんな」

「ええ」

「はいっ!」

みんなこの店で欲しいものは買えたようなので馬車に戻ることにする。


ソファーに座ったところでローテーブルにさっき買った紙袋を置く。

「その……皆にプレゼントを買ったから、良ければ受け取ってほしいんだけど」

「プレゼント?」

「何々⁉何かくれるの?」

思ったよりみんな食いついてくれた。

「じゃあ、最初はレイね。右手を出してくれる?」

「は、はひっ!」

ちょっとびっくりしつつてのひらを差し出してくれる。くるっと手の甲が上になるようにしてレイの小指に指輪をそっと通す。

「ね……姉様」

「えへへ似合うわよ、レイ」

レイには透き通った水色の宝石のついた指輪を贈った。確か右手の小指は幸運を引き寄せるとかそう言うお守りになるらしい。ちょうどよかったと思う。彼女も頬を少し赤らめて嬉しそうにしている。

「次はエイリーンね」

彼女には燃えるような深紅の指輪をプレゼント。

「あ、ありがとう。ミア」

「いろいろ貰ったからお礼よ」

彼女ですら珍しく少し頬を赤らめながら指輪を見ている。私の気持ちは伝わっていそう。

残りの指輪もそれぞれ一人ずつの指にはめていった。

ロベリアにはオレンジ色、ノアには黄色、セイラには緑、エトラには紫色の指輪をそれぞれ贈った。

「結構嬉しいですわね……ありがとう。ミア」

「大事にするね!」

「うんうん。私はミアのところに永久就職するしちょうどいいね!」

それぞれ違った反応を返してくれているけど、喜んではくれているみたい。ちゃんとみんなへの感謝の気持ちとか大事に想う気持ちが伝わった気がする。

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