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戦士ステラ   作者: 安田けいじ
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進撃—スーパー羽衣②

 核ミサイルに追いついたルナは、冷凍光線で核を無力化して、二つのミサイルを海上に落下させた。


 もう一方は、炎を封印したフレアが、ミサイルに馬乗りになると、拳で起爆装置を破壊して二つ共処分した。彼女達のスピードをもってすれば、それは簡単な仕事だった。


 ユウキが、最後のミサイルを処理しようと近付いたその時、コスモの声が聞こえた。


『ユウキ、このミサイルは五秒後に爆発します。このままでは間に合いません!』


「何!? 狙いは俺だったのか!」


 ユウキの頭脳が、瞬時にその対処法を導き出すと、彼はミサイルの下方へ下りて、両手をミサイル目掛けて突き出し、途轍もないエネルギー波を炸裂させた。


 ズドドドーン!!! 


 白い光が空を覆い、ユウキの身体が、反動で数百メートルも後方に押し返された直後、ミサイルは核爆発を起こしたが、爆風も放射能も、その巨大なエネルギー波が一気に包み込み、宇宙へと吹き飛ばしていた。


「何てパワーなんだ……」


 それは撃ったユウキ自信も驚く、凄まじいパワーだった。彼の両手からは、まだ煙が出ていた。


 計り知れないユウキのパワーだが、通常の戦いでは、数パーセントに力をセーブしていたのを、今回は、五〇パーセントにまで上げたのだ。



 ユウキは、何も無かったような顔で、アトリアの横に姿を現した。それは、五分程の出来事だった。


「ユウキ、何があったの?」


「ネーロ軍が核ミサイルを発射したので、片付けて来ました」


「えっ。……あなたの話には付いていけないわね。それにしても核を使ってくるなんて」


「奴らの最後のあがきでしょう」



 帝都侵攻から二週間が経ち、終に、王宮が見える所まで来ると、アトリアは進撃を止めて、サルガスからの核処理の連絡を待った。ネーロ軍の攻撃は、何故かピタリと止んでいた。


「ユウキ、先ほどの核ミサイルは、予定外だったので阻止できなかったが、残りの全ての核を無効化させた。存分にやってくれ!」


「了解!」


 サルガスの連絡を受けて、アトリアとユウキは、一気にネーロ帝国の王宮へと、進撃を加速させた。


 そして、王宮の大門の前に二人が立つと、そこには、ネーロ帝国の副官ヤミが仁王立ちしていたのだ。


「このヤミの命に替えて、断じてお前達を止める! 我が最終形態を見るが良い!」


 ヤミが身体にパワーを送ると、彼の身体が音を立てて変化を始め、見る見るうちに巨大化して、二十メートルを超す巨人となった。更に、両肩から新しい腕が伸びて四本の腕になり、それぞれ巨大な幅広の剣を握っていた。


 ヤミの魔人の様な姿に、ユウキとアトリアは言葉を失った。


 その時、何千という戦闘スーツ部隊が雲と湧き上がり、再びユウキたちに襲い掛かって来たのだ。

 彼らは、胸に高性能爆弾を抱いて、口々に何かを叫びながらユウキに突進し、自爆していったのである。


 ユウキは、シールドで持ち堪えながら、最大パワーの音波砲で迎え撃ったが、彼らの自爆攻撃は続いた。


(無駄死にをするな! お前たちにも家族がいるはずだ、ムミョウなどの為に何故死なねばならんのだ。やめるんだ!)


 ユウキの心の叫びも虚しく、閃光と爆音、そして噴煙の中で、多くの兵士が犠牲になっていった。

 凄まじいネーロ兵の執念と死に様に、後方のアトリアも息を呑んで見ていた。


 その彼女の背後から、巨人となったヤミが、今にも襲い掛かからんと迫っているのが見えたが、ユウキは、戦闘スーツ部隊の執拗な攻撃で、身動きが取れなかった。


 ヤミは、アトリアのスーパー羽衣目掛けて、四本の大剣を、大太鼓を叩くように順次に振り下ろす連続攻撃で、次第にそのスピードを上げていった。スーパー羽衣に大剣が激しくぶつかり、凄まじい火花が弾け飛んだ。


 最初、跳ね返されていたヤミの大剣だったが、打ち下ろす度に猛烈な勢いで加速され、唸りを上げ、大剣の動きが高速で見えなくなると、スーパー羽衣を凌駕しダメージを与え始めたのである。


「どうだ、我が力、思い知ったか!!」


 ヤミの雷鳴の様な声が轟き、


「ユウキ! スーパー羽衣が壊される!!」


 アトリアの、悲鳴のような声が響いた。


「アトリア様!!」


 ユウキの叫びは爆発音で掻き消された。そして、終に無敵のスーパー羽衣は撃破され、ヤミの大剣が、無防備となったアトリアに振り下ろされたのだ。


 その刹那、ユウキは、アトリアに向かって後ろ向きに飛びながら、両手を突き出し、ルナの冷凍波を戦闘スーツ部隊に浴びせたのである。


 ルナの絶対零度の冷凍波は、全てのものを粉砕してしまうが、出来るだけ人を殺したくないユウキは、その力を加減して相手を凍らせるだけに留めていた。


 襲い来るネーロ軍を一気に凍らせたユウキは、瞬時にアトリアの上に覆いかぶさって、ヤミの大剣を背中に受けた。


「ウウッ!」


 ユウキは、シールドを増幅させヤミの剣を跳ね返すと、起き上がって攻撃態勢を取った。


 


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