表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦士ステラ   作者: 安田けいじ
33/49

進撃—スーパー羽衣①

 帝都侵攻のその日は、大荒れの天気となったが、ユウキとアトリアは、スーパー羽衣を起動して、帝都へと足を踏み入れた。


 スーパー羽衣は、天女の羽衣に似たエネルギー帯を、直径十メートル程の輪に変形させて、それを見えなくなるまで高速回転させた、球体のシールドである。それは、単なる防御シールドでは無く、触れる物全てを破壊する、凄まじい兵器なのである。


 視覚では捉えられないスーパー羽衣は、ネーロ軍の兵士達から見れば、ただ二人が、無防備に歩いているようにしか見えなかった。

 前にユウキが立ち、その後にアトリアが続くと、ネーロ軍のアンドロイド部隊が一斉に二人に襲い掛かった。


 アンドロイド達は、スーパー羽衣に触れると瞬時に砕け散り、その屍が街道を埋めていった。彼らは、見えないスーパー羽衣の威力に恐れ戦き、遠くからエネルギー弾などで攻撃するしかなかった。


 二人は、歩いて様子を見ながら進んでいたが、暫くすると、一メートルほど浮き上がり、スピードを上げた。ネーロ軍の攻撃は相変わらず続いたが、アトリアたちの進撃を阻むことは出来なかった。


 その、どさくさに紛れ、十剣士を中心とする核の処理部隊が、ステルスモードで六つの基地へと向かった。


 アトリアとユウキは、夜になると進行を止めて、ユウキのシールドの中で眠った。このシールドはステルスモードで外からは見えない。シールドの中には、ルナが即席で作った小さな部屋があって、トイレや小さなベッドまで整っていた。


「貴方の守護ロボットって何でも作れるのね。こんな所で、ゆっくり眠れるとは思わなかったわ」


 アトリアは、エイリアンのスーツの不思議な力に、驚きを隠せない様子だった。


 ユウキは、あまり話した事も無い義姉アトリアと同じ空間で眠る事に、いささか抵抗があったが、彼女は、特に意識しないのか、自分の事やステラの子供の頃の話を聞かせてくれた。



 ネーロ軍を悉く撃破し、不気味に前進する二人の姿に、ネーロ軍の兵士達の恐怖心は日増しに高まっていった。



 次の日の早朝、ネーロ軍の戦闘機部隊が、スーパー羽衣にミサイル攻撃を開始した。


「ユウキ、大丈夫なの!?」


 アトリアは、凄まじい爆発の連続に、不安そうにユウキを見た。


「大丈夫です。スーパー羽衣は、これ位のミサイルでは破壊出来ません」


 ミサイルの爆発で、スーパー羽衣の外は火炎地獄と化していたが、内部は静かなものだった。ただ、爆発の閃光だけが、二人の顔を照らしていた。


 アトリアは、街道沿いの民家に被害が及ばないようにと、最寄りの広場に移動すると、ミサイル攻撃に晒されながら、攻撃が止むのを待った。



 帝都の王宮では、ムミョウ達が、送られてくる映像に釘付けになっていた。


「あのシールドは破れないのか! この王宮の、目と鼻の先まで迫っているんだぞ!」


 ムミョウが、苛立って幹部を怒鳴りつけていて、副官ヤミがそれを宥めていた。


「ムミョウ様、此処は帝都の民にひと働きしてもらいましょう。それから、核の準備もしておくべきかと。王宮近くでの使用は不本意ですが、背に腹は替えられません」


「そうか、任せよう……」


 ムミョウは、そう言って黙り込んだ。



 数時間後、ユウキ達が進撃する前方に、新たな数千のスーツ軍団が道を塞いだ。


「アトリア様、あれは奴隷化スーツです。中に入っているのは恐らく一般人です、スーパー羽衣を止めましょう」


「都民を盾にするなんて、ムミョウはどこまで卑怯なの!」


 アトリアが吐き捨てるように言って、スーパー羽衣を止め、ユウキのシールドに入ると、二人は敵の出方を待った。


 都民達からは、恐れ戦き叫ぶ声があちこちから漏れていた。しかし、彼らの意に反し奴隷化スーツは、エネルギー弾などでユウキ達を攻撃し始めたのである。


「ユウキ、あの奴隷化スーツをどうやって止めるの?」


「音波砲を使えば、スーツだけを破壊出来ます。そのあと、念のためシールドで都民を守りますから、スーパー羽衣で上空を前進して下さい」


 ユウキが、ひしめき合って進軍してくる都民の前に立ちはだかり、最大級の音波砲を発射すると、都民達から悲鳴が上がった。だが、破壊されたのは奴隷化スーツや武器だけで、彼らに被害は無かった。


 次にユウキは、巨大シールドで都民を覆い、アトリアに合図すると、彼女は、スーパー羽衣を起動して、その頭上を通過していった。

 シールドを外し、都民たちが逃げ散るのを確認したユウキは、再びアトリアと合流した。



 そして、数日進撃し、王宮迄三十キロの所まで来た時、コスモの只ならぬ声が響いた。


『ユウキ! ネーロ軍の基地から、核弾頭を搭載したミサイルが発射されました。着弾迄あと二分です!』


「了解! 位置を認識した。アトリア様、ちょっと行ってきます、そのまま進撃してください!」


 アトリアが返事をする間もなく、ユウキは次元移動装置を使ってスーパー羽衣の外へ出ると、一気に空へ舞い上がった。彼は、十秒ほどで核ミサイルに追いつくと、上昇から下降へと転じる直前でミサイルを抱きかかえ、そのまま強引に宇宙空間へと運んで破壊した。


『敵、核ミサイル第二波! 今度は五発一度に発射されました。ライト王国とサウスランドに二発づつ、残りの一発は此処へ来ます!』

 

「ルナ! フレア! ライト王国とサウスランドのミサイルを頼む。時間が無ければ起爆装置のみを破壊してくれ!」


『ラジャー!』


 彼女達は瞬時に現れると、それぞれのミサイルを追っていった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ