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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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第42話 明らかにポイントが足りないはずなのに


 ≪ミカゲ(仮)SIDE≫


「ちっ、強力な魔物に重点を置いて交換していたのか。

 それならダンジョンはそこまで大きくないだろうから、慎重にならずに思い切って最初から攻め込んでおけばよかった」


 それを言ったところで後の祭りだからどうしようもないが。


「しかしなんて統一性のない魔物達なんだ。普通シナジーを考えてゴブリンだけとか、多くても3種類程度で揃えた方が魔物達も連携しやすいのはサポート妖精から聞いているだろうに、何を考えているんだ?」


 まるで魔物の見本市のように色々な魔物がオレのダンジョンを探索しているが、どう考えてもおかしい。

 まさかコレクター気質で【収集願望】だったりするのか?


「まあいい。向こうが攻めてくるならそれはそれで好都合だ。出番だ隠密部隊」


 オレはダンジョンの入口付近で気配を消させて潜ませていた部隊に指示を出す。


 こいつらはシャドウパンサーという魔物で、影に潜み気配を完全に断つことができる上、俊敏で静かな動きが可能なのだ。

 カグラと戦った時にもこいつらは大変役に立った。


 他の魔物にカグラの強力な魔物とその取り巻きの相手をさせている間に、こっそりと部屋の隅を移動させ、カグラの魔物を無視してダンジョンコアへと辿り着かせたのだ。


 どれだけ強い魔物を従えていようとも、戦闘中に隠れている魔物を発見するのは困難だろうから、侵入を防ぐことはできまい。


「〝ボス部屋〟のような指定された魔物を倒さない限り先には進めない〝部屋〟があったらこの作戦は使えないが、カグラのように魔物にポイントを使っているやつではそんな〝部屋〟を交換することはできまい。

 向こうが罠や差し向けられた魔物に手間取ってる間に、ダンジョンコアに辿り着くんだ!」


 オレの命令に従いシャドウパンサーが次々とナオトのダンジョンへと侵入していく。


 シャドウパンサー越しに見るアイツのダンジョンは、ハッキリ言って頭がおかしいんじゃないかという構造をしていた。

 ただでさえ魔物にポイントを使っているのに、ダンジョンの〝部屋〟をこんな無駄遣いするとか正気か?

 確かに人を呼び込むにはいいかもしれんが、一般人が入ってこないというのに動物部屋なんて創っても意味ないだろうが。


 ふん。このダンジョンバトルを終わらせたら、こいつにはダンジョンの創り方を逐一指導しないとダメかもしれん。


 そんな事を考えながら、シャドウパンサーがどんどんダンジョンの奥へと進んで行くのを見ているが、罠はたまに出てくるが魔物が一切出てこない。

 まさかとは思うが、全ての魔物をオレのダンジョンに特攻させたのか!?


 なんというアホ。配下にするのが不安になってきた。


 いや、それは今考える場合じゃない。

 とにかく今はダンジョンを進ませるべきだ。


 そう思考を切り替えてシャドウパンサーにダンジョンを進ませていると、信じられない光景が広がっていた。


「は? 〝草原〟だと?」


 特殊フィールドはそこそこ高額だったはず。

 魔物にあれほどポイントを使ったのならダンジョンは大したものが創れないはずなのにどういうことだ!?


「だ、だが、こんなものを配置してるならダンジョンコアはこの階層にあってもおかしくないな。よし、探すんだ!」


 そう命じた数十分後、シャドウパンサーが次の階層を見つけた。


 この階層にはなかったようだが、次の階層にダンジョンコアがあるのか。

 だがさすがにこれ以上ダンジョンは大きく出来てはいまい。


 そう思っているとシャドウパンサーは〝鉄鉱山〟の階層に降り立っていた。

 おかしい。明らかにポイントが足りないはずなのに、どうやってこんなダンジョンが創れたんだ!?


 しかもこの階層で今度こそ最後、と思ったらまだ次の階層があった。

 その階層はまるで庭園のようで生垣に色とりどりの花が咲いていた。


 生垣が迷路のようになっており、しかも飛び越えることができない仕様になっているのが厄介だった。

 とにかくドンドン進ませるしかないと思っていたら、先頭のシャドウパンサーが通ったはずの道が塞がれており、先へと進めなくなってしまっていた。

 おかしい。どういう事だ?


『ギャウッ!?』

「なんだ!?」


 訳が分からない庭園に困惑していたら、突然シャドウパンサーの一体が悲鳴を上げて倒れていた。

 何故か妙にヌルヌルとした液体に濡れているが、意味が分からない。


「一体どうなっているんだこのダンジョンは!?」


 頭を掻きむしりたくなる状況だが叫んでいる場合ではない。

 敵の魔物がどんどんオレのダンジョンの奥へと侵入していってるのだから、躊躇していたらこっちがやられてしまう。


 スマホを使ってすぐさまあの2人へ連絡する。


「カグラ! ミウ!」

『ちっ、なに……』

『何よそんな大声出して?』

「すぐにお前らの魔物を貸せ」

『……(ギリッ)分かったわよ』

『そっちの子の魔物だけで十分だと思うけど、仕方ないわね』


 命令権を得ているダンジョンマスターからポイントを奪ったりはできないが、ダンジョンバトル中であってもこうやって魔物を一時的に借りることはできるのだ。


 出来る限り魔物を殺さずに戦力が落ちないようにしたかったが仕方ない。

 殲滅だ!



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