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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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第39話 申請却下


 ≪ナオト(仮)SIDE≫


 ――ピロンッ


 ミカゲ(仮)に申請したダンジョンバトルの返信が返ってきた。

 よし……。


「申請却下された」

「でしょうね」


 正直予想はできていた。

 なにせ俺は36人のダンジョンマスターを屠っており、申請してきた相手がどんなダンジョンマスターかきちんと調べないような馬鹿ではない限り、申請は受けないだろう。


「申請を許可してくれれば()()()()()んだがな」

「それじゃあやはり使()()のですか」

「それしかないだろ。何としてでも向こうにダンジョンバトルを受けさせるには、これしかないんだから」

「しかしそうなると、フィギュラスはそのダンジョンバトルに参戦させられませんよ」

『ボクは別に戦うことに興味があるわけじゃないからいいけど、ボク抜きで勝てるのかい?』

「それは分からん」

「勝てるって断言してくれませんかね!?」


 そんな事言われても、相手は2人のダンジョンマスターに勝ってるから、そんな事断言できないだろ。

 しかも2人のダンジョンマスターの命令権を持っていて、それがダンジョンバトルに関わってくる可能性もある以上、実質一対三の状態で戦うかもしれないのだから。


「せめて俺も1人くらい命令権を持っていた方が良かったか?」

「……正直、まともなのいませんでしたから、持ったところで戦力になったとは思えませんが。性格に目を瞑れば、まだゴウ(仮)がマシってレベルでしたし」


 俺に挑んできたダンジョンマスターがどんな願望だったかは予想でしかないが、酒や薬に溺れる【快楽願望】、思いついたままに動く【衝動願望】、現実を見たがらない【逃避願望】、食欲のままに動く【本能願望】、寝たいだけ 眠りたがる【休息願望】、人と関わりたくない【孤立願望】持ちばかりで、命令権を得たところでまともに役に立つとは思えない奴ばかりだったしな。

 最下位の俺を狙って来る時点でお察しといったところか。


「まあないものは仕方がないし、今あるカードで何とかするしかないだろ。とりあえず今度はDM送るか。

『交渉したいから連絡が欲しい』、っと」

「また反応があるまで待ちですね。ところで、どうしてそんな急いでダンジョンバトルを仕掛けようとするのですか? ダンジョンバトルのイベントは一月ありますから、時間を置いて戦力が整ってからでもいいと思いますが」

「下手に時間を置いたら、他のダンジョンマスターをさらに配下に増やす可能性はあるだろ」


 1人ならともかく2人も配下にしている上に、残機ではなく2回とも命令権の方を得たのだから、配下をもっと増やしたがってもおかしくない。


 しかし、2人目とはどうやって申請を受けさせたのだろうか?

 普通、ダンジョンバトルに一度勝ってる相手に挑もうなどとは考えないだろう。


 もちろん疲弊しているだろうと予想して挑んだ結果、返り討ちにあっただけなのかもしれないし、俺のように複数人から同時に申請がきたからまとめて受けただけなのかもしれないが。


 ――ピロロロロンッ


 おっと考え事をしている間に返信、いや、呼び出し音が鳴りだした。

 どうやらビデオ通話でやり取りするつもりらしい。

 もちろん俺はそれに迷うことなく出る。


「もしもし」

『交渉がしたいとは一体何だ』


 鋭い目つきとオールバックにした髪型が特徴の俺と同じくらいの年の男、ミカゲ(仮)は挨拶無しで、いきなり要件からか。こちらとしても話が早くて助かる。


「ダンジョンバトルを受けてもらいたいんだが、無理か?」

『断る。オレがどうしてそんな要望を聞かなければいけないんだ』


 そりゃそうだ。俺だって、いきなりそんな事を言われたら拒否するわ。


『そもそも貴様は36人ものダンジョンマスターを倒している。そんなやつ相手と戦うなんて自殺行為でしかないことを受けるはずがないだろ』

「その立役者である魔物をダンジョンバトルでは使用しないという条件でもか?」

『なに?』


 怪訝な表情を浮かべるミカゲ(仮)をよそに、俺は近くにいるフィギュラスを手招きする。


「フィギュラス、ちょっとこっちに来い」

『あいあい、マスター』


 スマホで向こうに映るようフィギュラスを俺の前に立たせ、話を続ける。


「こいつはマリオネットジェネレーターという魔物で、ユニークモンスターだ。こいつの力で1万体の人形を操って、数の力で他のダンジョンマスターを返り討ちにした」

『1万だと!?』


 ミカゲ(仮)は目を見開き驚愕していた。


「もしもダンジョンバトルを受けてくれるというのであれば、俺はこいつをあんたとのダンジョンバトルには参加させないと誓う」

『(なるほど。こいつが36人も倒せたのはカグラと同じで強力な魔物に一点張りしたからか……)』


 ボソリと呟く声が聞こえたが、生憎と[ガチャ]の結果でありただの運だ。


『ふん、そんな口約束が守られるはずないだろ。そんな小賢しい企みが通用するとでも思ったか?』

「いや、口約束じゃない。この〝契約決闘チケット〟を使う」

『〝強制決闘チケット〟とはまた違うチケットだと?』


 ん? 〝強制決闘チケット〟なんてチケットがあるのか。

 名前からして、相手の同意なくダンジョンバトルをさせられるチケットだろう。

 それがあると分かってたらポイント交換で……俺のポイント100切ってるし、そんな有用そうなチケットが30倍の枷が掛かってる俺に交換できるはずもないか。



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