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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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第32話 ワラワラ


 大量に現れたマネキンに思わず驚かされたが、よくよく考えれば焦ることはねえ。


 今送り込んでいるゴブリン共は様子見の先遣隊。

 罠の有無や魔物の種類などを調べさせるためにけしかけただけだからな。


『『『グギャー!!?』』』

「ちっ、やられたか」


 数体のマネキンは壊せたようだが、戦隊人形は別格なのか傷一つついちゃいねえ。


「なるほどな。あの戦隊人形はレア度の高い魔物ってところか。

 だが、オレ様だってその程度の魔物は何十体と用意してるんだよ!」


 オレ様は今度は先ほど送り込んだただのゴブリンではなく、〝Fランクの魔物発生陣ゴブリン〟では出てこないようなランサー、アーチャー、シャーマン、シーフなどの、ジョブ持ちゴブリンを混ぜた部隊にダンジョン入口へと移動するよう命令する。


「さっきまでと同じと思うなよ。ジョブ持ちに加え、ジェネラルゴブリンも一緒に送り込むんだからな!」


 ジェネラルゴブリンはDランクの魔物。

 一体召喚するのに1500Pと、〝Fランクの魔物発生陣〟が3000Pであることを考えるとかなりの高額。

 そのためオレ様のダンジョンには2体しかいない。

 だがそれに見合う戦闘力は持っており、Fランクの魔物が何十体と集まっても勝てないほどだ。


 そんなDランクの魔物にはあのアホみたいなダンジョンを創るやつじゃ、到底敵わないだろうな。


「さあ行け! 行ってザコのダンジョンを蹂躙して――」


 ジェネラルゴブリンを含むゴブリン達に敵のダンジョンに乗り込むよう指示している時だった。ダンジョンの入口からワラワラとマネキンが侵入してきたのは。


「ちっ、向こうも攻めてきたか。だが入口前にはすでに侵入させようとしていたゴブリン共がいる。返り討ちにしてやれ!」


 そう命令したが、ドンドン侵入してくるマネキン共の数が多く、入口にある狭い部屋では仲間のゴブリン同士がぶつかり合ってまともに戦えていない。


「くそっ、下がって広い場所で迎撃してやれ!」


 オレ様がそう命令すると、すぐさまゴブリン共は移動。

 さっきの部屋よりも広い部屋でゴブリン共が陣形を組んでマネキンを待ち構える。


 ――ギィ


「来たな! 遠距離部隊、狙い撃て!」


 部屋の扉が音を立てて開く。

 そこからマネキンが侵入してくるが、即座にアーチャーゴブリンやメイジゴブリンなどの遠距離攻撃持ちが次々にマネキンを壊していく。


「くはは、脆いな! おい、ドンドンぶっ壊してけ!」

『『『グギャー!!』』』


 ――ワラワラ


「くはは!」


 ――ワラワラワラワラ


「くはは……」


 ――ワラワラワラワラワラワラワラワラワラワラ


「はは、はあ!? おいおいおい、どんだけマネキンがいやがるんだ!? おかしいだろうが!」


 もう何十体も倒したはずなのに減るどころか増えるばかりでこのままじゃ部屋を埋め尽くす勢いだ。

 ダンジョンが小さい代わりに魔物の購入にポイントを注ぎ込んだとでもいうのかよ!?



 ≪ナオト(仮)SIDE≫


「思ったよりもやられるな」


 ダンジョンの最奥に陣取るフィギュラスにビデオ通話で話しかける。

 [ガチャ]で出た〝Wi-Fi〟をダンジョンに設置したのと、フィギュラスが出た時の[ガチャ]よりも後に回した[ガチャ]で〝スマホ〟を入手したからこそできることだ。

 指示とか命令は〝スマホ〟を使わなくても出来るのだが、雑談混じりの会話となると〝スマホ〟を使わないとできなくなる。ダンジョン謎仕様すぎるだろ。


『そうだね。それなりに強化したとはいえ、多少頑丈になったくらいだから仕方ないんだけどさ』

「まだダンジョンバトルは続くんだ。こいつ1人にマネキンを消耗している場合じゃないし、特殊部隊で早急にケリをつけろ」

『あいあいマスター』


 命令されたフィギュラスは見えない糸が指先にでもついてるかのように小刻みに指を動かした。


 するとゴウ(仮)のダンジョンを攻めていたマネキンたちの間を縫うように高速で移動する人形、いやフィギュアか? 言い方は何でもいいが、とにかく等身大の戦隊ヒーロー達5体がゴブリンに向かって駆けだして行く。


 普通のマネキンはフィギュラスが魔力で多少頑丈にしただけなのに対し、戦隊ヒーロー部隊は俺が[ガチャ]で出した〝属性石(火)、(闇)、(風)、(水)、(雷)〟とそれぞれ合成している。

 その強さは普通のマネキンが何十体と束になって戦っても勝てないほど。

〝属性石〟はレア度がN(ノーマル)にもかかわらず、何故そんなにも強化されたのかが疑問だったが、答えは単純。


 UR(ウルレア)の魔物であるフィギュラスが()()()()改造し操っているからである。


 何の触媒もない改造とN(ノーマル)の強化アイテムとはいえ触媒を使った改造では雲泥の差があるようで、ゴブリン、いや、ジョブ持ちのゴブリンが相手であっても無双できるのだから凄まじい。

 これでフィギュラスが一から造った人形であれば、どれだけ強いのか想像もできんな。


 ちなみに戦隊ヒーローの等身大フィギュアを使っているのは、納品された中に混じっていたのを見てフィギュラスが気に入ったからである。

 できればマネキンを強化して、ただのマネキンの中に異常に強いマネキンが混ざってる、ていうのをやりたかったんだが、クリエイターとしては見た目で差別化できないのは納得できなかったようで、どうしても戦隊ヒーローを強化したいというので仕方なく認めた。


『『『ギャッーー!?』』』


 おっと。思いのほか早く殲滅できたな。

 他よりも二回りほど大きい、ゴブリン達のリーダーっぽいのもいたんだが、戦隊ヒーロー以外にも特殊な強化をしている人形たちが集中攻撃してアッサリと倒してしまったようだ。



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