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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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33/56

第33話 [ガチャ]37回分


 敵のゴブリン共を殲滅した後、マネキン達に人海戦術でダンジョンを虱潰しに探索させ、途中再び現れたゴブリン達のリーダーらしきのと大勢のゴブリンを蹴散らし、あっという間に敵のダンジョンコアの前までマネキン達が到達していた。


「よし、じゃあそのダンジョンコアを――」

『ま、待て!』

「ん?」


 先程ダンジョンバトルの開始前に展開されたホログラムのウィンドウが再び開いた。

 そこには当然ゴウ(仮)が映っている。


 ダンジョンバトルが開始された際にスマホに[交渉]の項目が表示されたので、おそらくそれを使えば敵のダンジョンマスターと会話が可能になるのだろう。


『くそっ、どうして最下位だったやつがこんなにも強いんだ……!』

「順位はダンジョンの大きさが基準らしいから、そんなもんで相手の戦力は測れんだろ。で、そんな事が言いたくて話しかけてきたのか?」

『ぐっ………………降参する』

「は?」

『だから降参するって言ってるだろうが! オレ様の負けだ……!』


 かなり悔しそうに顔を歪ませながら、ゴウ(仮)が降伏宣言をしてきた。


「やりましたね。これでゴウ(仮)への命令権が手に入りますよ!」


 マルティアが嬉しそうに笑うが、こいつは何を言っているんだろうか?


「いや、あいつへの命令権ならいらんぞ」

「『え?』」

「フィギュラス、ダンジョンコアを壊せ」

『了解~』


 俺がフィギュラスにそう命令すると、ゴウ(仮)は焦った表情で止めてきた。


『待て待て待て!! 命令権を得るってことはオレ様を配下にするのと同義だぞ! それの何が不満なんだよ!?』

「お前を配下にするよりもダンジョンコアを壊した方が、[ガチャ]を多く回せるからに決まってるだろうが。

 それにお前を配下にしても普通に裏切ってきそう」

『裏切()ねえよ!? 命令権がそっちにあるのにどうやって裏切るんだよ!』

「あと普通にお前みたいなのを配下にしたくないという感情的問題」

『ふざけんなーーー!!』


 ゴウ(仮)がそう叫んだのと同時にフィギュラスがダンジョンコアを戦隊ヒーローに破壊させた。その瞬間ホログラムのウィンドウがブツンと閉じた。


 ――ドドンッ!


『勝者、ナオト(仮)。ゴウ(仮)に侵入していた魔物達は元のダンジョンマスターのもとに戻ります。

 そして報酬として残機が1追加され、ダンジョンポイントが与えられます』


 太鼓が鳴り響くような力強い音の後、機械的な音声で勝利宣言がされた。


 ダンジョンバトルは問題なく終わったな。

 得たポイントは……3793ポイントか。


「あいつの価値、たったの[ガチャ]37回分か」

「かなりやべぇー発言してる自覚あります?」


 事実だろうが。

 ポイントを[ガチャ]でしか消費しないのだから、それで換算して何が悪いと言うのか。

 ゴウ(仮)のダンジョンは魔物の数がそこそこ多かったから、その分施設に力を入れてないせいでポイントも相応なんだろう。


「そんな事よりも次だ。すぐに次のダンジョンバトルが始まるから準備しろ。

 フィギュラス、マネキンたちはどうだ?」

『数百体壊されたけど粉々にされたわけじゃないから、さっきのダンジョンバトル中に使える部品を繋ぎ合わせて修理して、被害は188体で済んでるよ』

「じゃあまだまだ余裕だな。フィギュラスは疲れてないか?」

『全然。むしろ遊び足りないよ! さっきのも歯ごたえがなかったし』


 俺のダンジョンの要であるフィギュラスが戦えるなら問題ない。


「安心しろ。あと35回は遊べるんだぞ。疲れて動けなくなるとか止めてくれよ」

『ふふっ、問題ないよ。この程度なら100回は遊べるさ』


 まったく頼もしい限りだ。


「それじゃあ次の遊びを始めようか。ポイントは多ければ多いほどいいからな」

「……うわっ。こんなのに挑んだ敵のダンジョンマスターが哀れです……」


 挑んだ方が悪い。

 そもそも俺は仕掛けられた側なのだから、完全に向こうの自業自得だろうが。

 あと、今こんなのって言った?


「ところで、他のダンジョンマスターも命令権は無視してダンジョンコアを破壊するんですか?」

「そのつもりだが?」

「顔色変えずに平然と言い切った……」

「何か問題でもあるのか?」

「問題らしい問題はないです。

 ただ、最初の相手はよくよく考えれば残機が得られるのでダンジョンコアを破壊してしまう意味がありますが、残機が1より増やせないのであれば破壊しても微々たるポイントしか得られませんし、命令権を得た方が得な気がすると思ったんです」


 確かにマルティアの言い分も分からなくはない。が――


「お前ならさっきのやつ配下にしたいと思うか? こっちの命令の範囲とはいえ好き勝手するだろ絶対」

「それは確かに」


 あっさりマルティアは納得していた。


 正直配下にするなら、性格的にマシな人間にしたいよな。

 だが基本的にダンジョンマスターが理性のタガが若干外されていることを考えると、ろくなのがいないだろうが。

 そんなやつを仲間にするくらいなら養分(ガチャ代)にした方がまだマシだろう。



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