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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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3/4

第3話 ダンジョンはいくらでもある


 ポイントは全て使い切ってしまったし、もう[ガチャ]で出てきたもので創るしかない。


「……ちなみに聞くが、ダンジョンをまともに創れなかったらどうなる?」

「そうですね。侵入者が入ってきたら、即行であなたの命そのものと言っていいダンジョンコアを破壊されて死ぬんじゃないですか?」

「マズいな」

「ええ、本当に。しかもあなたの設置位置はとあるオフィス街の近くで、人が大勢行きかう場所ですから、見つからないという希望は捨てるべきかと」

「なんでもう場所が決まってるんだ?」

「他にもダンジョンマスターがいるからですよ。選ばせて同じ場所に密集されたら後々運営に支障が出てしまいますから、ランダムで配置されました。

 一応言っておきますけど、本来であればあなたが配置された場所は当たりの部類だったんですよ?

 ダンジョンの入口が開く場所の近くには駅がありますから、交通の便が非常に良くて人が訪れやすい、いい場所なんです」

「まるで観光地みたいな言い方だな」


 しかし困った。

 せっかく生き返ったというのにすぐ死んでしまうことは避けたいのだが、[ガチャ]から出てきたラインナップがこれでは……。



 *******************************


〈N 78個〉

 ・魔物:9体

 スライム、サテュロス、レイス、スネーク、ウルフ×5


 ・魔物育成強化アイテム:14個

 育成結晶

 進化の欠片(獣)、進化の欠片(魂)、進化の欠片(亜人)、進化の欠片(不死)、進化の欠片(竜)、進化の欠片(精霊)、進化の欠片(触手)、進化の欠片(魔)、進化の欠片(異形)、進化の欠片(鉄)、進化の欠片(岩)

 属性石(火)、属性石(闇)


 ・宝箱用アイテム類:22個

 武器類×10、防具類×7、ポーション(弱)×5


 ・ダンジョン施設:17個

 看板×7、落とし穴、普通の部屋×7、通路×2


 ・日用品、動物、その他:23個

 鶏×2、牛×2、うさぎ×3

 机、シャツ、観葉植物、メモ用紙、マジックペン

 カレーライス、ハンバーグ、寿司、焼きそば、たこ焼き、フライドポテト

 緑茶500ml、コーラ500ml、カフェラテ500ml、オレンジジュース500ml、スポーツドリンク500ml


〈R 21個〉

 ・魔物:2体

 カースドドール、ゴブリンメイジ


 ・魔物育成強化アイテム:3個

 刀、マント、ペンダント


 ・宝箱用アイテム類:1個

 ポーション(中)


 ・ダンジョン施設:2個

 隠し扉、穏やかな音色のBGM


 ・日用品、動物、その他:2個

 馬、ライオン


〈SR 1個〉

 ・日用品、動物、その他:1個

 抹茶パフェ食べ放題チケット


 *******************************



 ツッコミどころ満載なラインナップだ。


 魔物の数が11体しかいないというのに、魔物を育てるための消費アイテムであろう〝育成結晶〟が1個しか出ていないというのは笑うしかない。


 それに魔物がいないのも問題だが、もっと問題なのはダンジョン施設だ。

 部屋が7個あるのにそれを繋げるための通路が2個しかないとか、ふざけていると言わざるを得ない。


「これはもう無理ゲーでは?」

「だから[ガチャ]は止めろと言ったじゃないですかーーー!!!」


 叫びたくなる気持ちは分かるがすでに手遅れだ。

[ガチャ]を回したことに後悔していないと言えば嘘になるが、たとえ時間が巻き戻ったとしても俺はきっと[ガチャ]を回すから、俺をダンジョンマスターに選んだ時点でこの結果は確定していた。どうしようもないな。


「ちなみにポイントを得るにはどうすればいい?」

「はぁ……、ポイントを得る方法は基本的に1つです。

 それは人間の負の感情エネルギーを得ることでそれをポイントに変換するんです。

 ただしそれにはダンジョンを解放しないと無理なので、まずはダンジョンを最低限形にしないといけないのですが……」

「このラインナップで?」

「誰のせいだと……!!

 しかもあと3日以内に入口を開けないと死んでしまいますから時間も稼げません。

 まあ時間を稼いだところで、ダンジョンの入口を開けない事にはポイントは得られませんから意味ありませんが」

「え、死ぬのか?」

「当然です。ダンジョンはダンジョンマスターにとって肉体そのもの。

 今の状態は口も鼻も塞がれて呼吸ができないのと同義なんですから。

 ダンジョンの規模によりますけど、出来立てのダンジョンなら3日しか持ちません。

 同様の理由でダンジョン内を不衛生にしていると、病気になって死にます」


 割とあっさりダンジョンマスターは死んでしまうようだ。


 ダンジョンを解放するのは避けられなくても、ダンジョンマスターの命そのものと言っていいダンジョンコアを隠せればいいのだが、ダンジョンのどこかの部屋の分かりやすいところに必ず配置しなければいけない仕様だから、無理やりこのラインナップでダンジョンを創ったところですぐに破壊されるのがオチか?


「いや、でもダンジョンなんて世界で初なんだし、いきなり破壊はされないよな?」

「そんな訳ないじゃないですか。あなた以外にもダンジョンマスターに選ばれたのが日本だけで1万人いるんですよ。人間側は1つくらい破壊しても気にしないでしょう」


 希少性もクソもないな。

 しかしそれならそれでワンチャンあるかもしれない。


「これは賭けだな」


 上手くいかなければ世界で一番最初に破壊されたダンジョンになりそうだ。ひりつくねぇ。


「うわっ、さっき[ガチャ]を回してた時みたいな笑顔になってる」

「引くなよ。普通に傷つくから」


 どうやら知らず知らずのうちに笑っていたらしい。

 自覚は薄いが【挑戦・賭博願望】のせいで、内心ワクワクしていたようだな。


「さて、生き残れる確率を上げられるようにできる限り情報の整理を――んっ?」


 ダンジョンを操作できるスマホのホーム画面に戻ると、[建設][ポイント交換]などの項目の横に先ほどまでなかった項目、[称号]が存在していた。


「[称号]ってなんだ?」

「はあっ!? [称号]は滅多に手に入るものじゃないんですよ!?」


 なんかマルティアがめっちゃ驚いた表情で俺の肩に乗ってスマホを覗き込んできた。


 そのマルティアが促す様にペシペシと叩いてくるのもあり、すぐに[称号]の箇所をタップして確認すると、そこには5つの称号があった。


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