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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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29/51

第29話 ダンジョンバトル開催


 ――ゴォォン、ゴォォン


「ついに神託が来ましたね」


 以前と同じように鳴り響く重厚な鐘の音。

 ちょうど一月前にも同じことがあった。つまり――


〖ダンジョンマスターよ、競い、争い合い、高みを目指すがいい〗


 神からのメッセージだ。

 以前の警告のようなメッセージとは違う文言が浮かび上がっている。


 そしてこのメッセージが指し示す意味は当然、ダンジョンバトルだ。

 詳しいルールが事前に分からないのは困ったが、おおよその予想はついてる。


 神からのメッセージが来た後は恒例なのか、スマホが目の前に勝手に出現する。

 すぐに操作し、スマホ画面に新たに出現した[ダンジョンバトル]をタップし詳細を調べていくが、どうやら事前に予想したものとそう変わらないルールであるようだ。


 とはいえ、なかなか厄介なことには変わりないが。



 *****************


 ※ダンジョンバトルについて

 他のダンジョンマスターのダンジョンに、自身が使役する魔物を送り込み、ダンジョンコアを破壊、もしくは降伏させましょう。


 ダンジョンバトルを行うには対戦相手を決め、申請してください。(国内ダンジョンランキング内限定)

 申請が通りましたら日時が自動で決まります。

 申請時に特別な申請をしない限りは基本、一対一で対戦が行われます。


 ダンジョンバトル開催時刻になりましたら相手のダンジョンの入口と自身のダンジョンの入口が一時的に繋がり、ダンジョンバトルが開始されます。


 ダンジョンコアを破壊した場合、以下の特典があります。

 ・残機1追加(残機がすでにある場合は不可)

 ・破壊したダンジョンコアのダンジョン内の全てをポイントに変換し、その三分の一と所持ポイントを合わせて獲得


 他のダンジョンマスターを降伏させた場合、以下の特典があります。

 ・降伏させたダンジョンマスターの命令権


 ダンジョンバトルを申し込める相手は通常は自身のダンジョンランキングの上下100位以内の相手に限られます。

 ただし、今イベント時に限り上下1000位以内までの相手への申し込みを許可します。


 ダンジョンバトルが始まる際に人間が侵入している場合、その人間はダンジョンとは違う場所に隔離されますが、ダンジョンバトル中はそのダンジョン同士のみ時間が動いている状態になりますので、ダンジョンバトル終了後に侵入していた人間は元の場所に戻るか、ダンジョンが無くなった場合は入口があった場所に解放されることになります。


 ダンジョンバトル中は施設の設置や、魔物をポイント交換することができませんので注意してください。


 ・

 ・

 ・


 *****************



 他にも長々と書いてあったが、どうやってダンジョンバトルが行われるか分かっただけで十分だ。


「告知のあった日から一カ月以内に最低一回はダンジョンバトルを行うこと、か」

「しかも今後も不定期にダンジョンバトルを強制されるみたいですし、その上告知のある無しにかかわらず、いつでもダンジョンバトルを行っていいというのも厄介ですよ」

「つまり今回のイベントは、ダンジョンバトルがどういうモノか体験させるためチュートリアルみたいなものか。

 下手すりゃこのイベントのせいでダンジョンマスターの数が半分以下になってもおかしくないのに、よくやるな」


 もしくは最初からそのつもりだったから、日本だけでも一万もダンジョンマスターがいるのか。しかしそうなると誰とでもできるようにしてないとおかしいか。

 ……考えても分からんし、分かったところでどうだって話か。そんな事よりも。


 ――ピロンピロンピロン


「……神託の直後から、通知がもの凄く来てますね」

「ダンジョンバトルの申請だな。ランキングは最下位だし、狙い目だと思われてるんだろ」


 ダンジョンランキングの更新は一カ月毎だが、今月も俺は最下位だった。

 どうやらカグラは部屋数を増やして、少しでも負の感情エネルギーを吸収できる範囲を広げるようにしたようだ。

 俺が最下位であることから、カグラだけでなく他のダンジョンマスターも最初の神託があった時から部屋数を増やしているようだな。


 この一カ月の間に何度か[ガチャ]を回して部屋の数をそこそこ増やしはしたんだが、俺の場合部屋数が増やせるかは運次第になってしまう以上、他のダンジョンマスターよりもダンジョンを大きくするスピードはどうしても遅くなってしまう以上仕方がない。


「さてダンジョンバトルの申請処理だな」

「ええ、ダンジョンバトルは一度だけでも行えば、一月の間は申請を拒否できますし、ランキングの低そうな出来る限り勝てると思える相手を――」

「ああ。もう全員申請許可したぞ」

「何やってるんですかーーー!!!」


 マルティアが絶叫しながら人の顔に張り付いてきた。息苦しい。


「ちょっ、ホントに何やってるんですか!? 何で申請が来たもの全部受けちゃったんですか! 今どれだけ申請来てたか分かってて受けたんですか!?」

「そりゃ分かってるさ。35人――」


 ――ピロン


「おっと、こいつも許可っと。これで36人だな」

「このおバカ! このおバカ!」

「叩くのを止めろ。痛くないけど鬱陶しいんだよ」


 泣きそうな顔になりながらマルティアがべしべし顔を叩いてくる。


「どうして来た申請を片っ端から受けてしまうんですか!?」

「勝てばポイントが大量に手に入って[ガチャ]が回せるから、だな」

「このギャンブルジャンキーがーーー!!!」



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