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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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25/51

第25話 ユニーク


 俺は無言でマルティアに[ガチャ]の結果が表示されている画面をそっと見せた。


「イヤアアアアアアァッ!!!」


 暴漢に襲われているかのような悲鳴を上げるマルティア。

 まあ、そりゃそうなるわ。


 [称号]の効果があるから、普通にポイント交換するよりも[ガチャ]を回した方が得なんじゃないかと思わされていたし、もしかしたらいいのが出るかもと期待もしていたのに、結果はダンジョンの強化はさほど出来そうにないというものなのだから悲鳴も出る。


「[ガチャ]は……[ガチャ]は悪い文明……」

「泣きながら色々なところを敵に回すような発言しないでくれないか?」


 そう言いたくなる気持ちは分かるがね。


「っと、そう言えば[ガチャ]はあと1回分残ってたな。中途半端に残す意味もないし回すか」


 31回分回せるポイントがあったのに、あまりにも酷い結果のせいで30連で一旦ストップしてた。

 せめて〝部屋〟の1つでも出てくれればいいんだが。


 そう思いながらまったく期待せずにスマホをタップし、[ガチャ]を回した。


 ――カァッ


「ん?」

「え?」


 さっきまでのまとめてカードが出てきて結果がポンポン表示されていく演出とは違い、出てきたカードが金色に光り輝く演出になったので思わず首を傾げる。

 今まで10連ガチャばかりで、単発のガチャは初めてだから知らないだけで、1回だけガチャを回すとこんな演出になる――


「訳ないよな!」


 今までにないこの演出は高レア演出だろ!



 *******************************


〈UR 1個〉

 ・魔物:1体

 マリオネットジェネレーター(ユニーク)


 *******************************



「キターーー!!!」

「嘘!? しかもユニークモンスター!!?」


 念願のダンジョンを強化してくれるものだ!

 まさか最後の1回転でくるなんて……。

 [称号]の〈妖精泣かせ〉が最後の最後で上振れしてくれたか?


 そう思いながらふと[称号]をチェックしたら、そう言えばこれがあったんだと思い出した。


〈浪費こそ甘美なる幸福〉:ポイントが99以下になるまで消費する行動をする際、幸運値が大幅に上昇する


 他の[称号]ばかり気にしていたせいですぐに思い至らなかった。

 3123ポイントから一気に23ポイントまで消費したことで運気が上がっていたようだ。


 じゃあ100ポイント越えた段階ですぐに[ガチャ]すれば毎回UR出るな――なんて単純なものじゃないだろうが。

 一応確認はするが、予想としてはポイントをどれだけ一気に消費したかで運気が変わる気がする。

 そうでなければ俺はUR以上が引き放題になってしまう。


 まあ引き放題の方がありがたいんだが、期待してダメだったと落ち込むより、ダメだろうなという心構えでいた方がダメージは少なくて済む。賭け事をする時と一緒でそういうのは期待しない方が精神的に良い。


 それはともかく、今は出てきた魔物だ。

 これは一体どんな魔物なんだ?


「本人呼び出して何ができるか聞く方が手っ取り早いか」

「いやなんでそんなに冷静なんですか!? ユニークモンスターが出てきたんですよ!」

「そういや魔物名の横に括弧でユニークとか書かれてたな。なんだあれ?」

「端的に言えば唯一無二の魔物です。同じ種類の魔物は存在せず、他のダンジョンに取られたら二度と手に入ることはない特殊な魔物です」


 マリオネットジェネレーターなんて、ゴブリンとかのような聞きなじみのある名前とは違って全然聞いたことがない魔物だから、そう言われれば納得だ。


「じゃあどんな存在かは名前だけじゃ明確には分からないわけだ」

「ですね。本人を見ながら詳細を調べた方が理解しやすいくらいです。レア度の高い魔物であれば知能も高いはずですから、本人が説明してくれるでしょう」


 マルティアにも促されたのもあり、早速俺はマリオネットジェネレーターという聞いたことがない魔物を召喚した。


「「………」」


 召喚した魔物を見て、思わずマルティア共々閉口してしまう。

 何故なら呼び出した魔物は――口が無かったから。


 いや、これじゃあ説明させられねえじゃん。


 マリオネットジェネレーターを端的に言えば、道化師の格好に職人が着るようなエプロンを身に着けていて、のっぺらな顔に人間の目だけがついた人形、とでも言えばいいのだろうか?

 人形のサイズは三頭身ほどでそこまで大きくはなく、あまり強そうじゃない見た目もあって、これが本当にURなのかと疑うほどだ。


『初めましてマスター。ボクはマリオネットジェネレーターだよ』

「しゃ、喋った!?」


 マルティアは驚いてるが、こういう場合もあるのかと逆に俺は驚かなかった。


「どこから喋ってるのかはともかく、何ができるか説明して貰ってもいいか?」

『もちろんだよ。

 ボクができるのは人形の創造と指揮だ』

「指揮?」

『人形を操り動かすことができるんだよ。ボクの作ったものに限るけどね』


 ほう。悪くない、いや、むしろ滅茶苦茶良いな。

 ただでさえろくに魔物がいないダンジョンだし、戦力が作れるなら防衛に期待できるぞ。


「試しに1体作ってみてくれないか?」

『いいけど、素材を用意してくれないと無理だよ?』


 は? 素材?


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