第24話 [ガチャ]回
[ガチャ]を回す前に改めて現在の所持ポイントを確認。
ふむ、3123ポイントか。
意外とあっという間に貯まったがこんなものなんだろうか?
それとも社畜の負の感情が、俺の思ってる以上に凄まじいものだったからこそなのだろうか? 現代社会の闇は深い。
それはともかくこれで30連と1回分を回せる訳だが、果たして何が出るか。
できればいい物が欲しいし、なんとかしてダンジョンを強化させたいところだ。
「……どうしたんですか?」
俺がそう考えていると、不審そうにこちらを見ているマルティアがいた。
さっき[ガチャ]を回すと言ったのに、考え事をしている俺に対して今度は何を考えているのかと警戒しているのだろうか?
だとすればその警戒――正解だ。
〈妖精泣かせ〉:妖精の感情変動で運の振れ幅を大きくする ※ただしこの[称号]は妖精には感知できず、それを伝えた段階で消失する
この[称号]があるのにマルティアに何もしないはずないよな!!
あくまで運の振れ幅を大きくするので、悪い方に振れる可能性も大いにあるが、良い方に振れる可能性もあるならやらないはずがない。
ここでドラゴンみたいな高額ポイントの魔物でも出れば、ダンジョンの守りに不安はなくなるしな。
問題はマルティアに何をするかだ。
こいつが一番感情を揺さぶられ絶叫していたのが、ポイントを全て[ガチャ]に使い切るという大胆な行動を俺が取った時なのは間違いない。
だが今は〈運頼みの支配者〉と〈欲望の召喚士〉の[称号]の効果で、[ガチャ]を回すのは当たり前になっているのだから、[ガチャ]に全部使うと言ったところで「はいはい、それが何か?」くらいの反応になってしまうだろう。
う~ん、思ったよりも難しいな。
さすがにしばき倒して感情を揺さぶってもいいが、後々の関係性が悪くなって最悪裏切られる可能性があるから止めておいた方がいいだろうし。
ダンジョンマスターとサポート妖精がいくら一蓮托生とはいえ、何かしらの抜け穴がないとも限らないからな。
今は無くても、後から追加されてもおかしくない以上、下手な事はできない。
さて、そう考えるとあまり痛めつける系で感情を揺さぶるのはマズイと考えると……。
「泣かせるか?」
「本当に何考えてやがるんですか!?」
おっと。思わず口から漏れてしまったか。
別に泣かせるといっても痛めつけて泣かすのではなく、単純に悲しい思いをさせて泣かそうという試みだ。
上手くいくかは分からんが、少なくとも感情を乱高下させられれば十分〈妖精泣かせ〉の[称号]の効果は発揮されるはず。
……しかしどうやって悲しい気持ちにさせようか。
ふむ、ここは1つこの後の最悪な未来予想でもしてみるか。
「今から[ガチャ]を回すわけだが」
「はい、それがなにか?」
「いくら[称号]で高レアなものが出やすくなったとはいえ、また〝抹茶パフェ食べ放題チケット〟みたいなのばかりが出たらお終いだよな」
「なにサラッと恐ろしい事を言いやがるのですか!?」
言ってて思ったけど、実際起こり得るんだよな。
「今度はイチゴパフェとか?」
「パフェばかり出てこなくてもいいでしょうが!? そもそも雑貨系じゃなくてダンジョン系のものでSR以上が出て欲しいんですけど!」
「今、フラグが立ったか?」
「へし折ってくださいよ!!」
よし今だな。
「急に無言で[ガチャ]回し始めた?!」
10連[ガチャ]で出てきたものを確認。
「……うわっ」
「『うわっ』ってなに!? え、ホント何が出たんですか!?」
あ、今ならまた感情が高ぶってそうだから、今度こそいけるか?
「なんで何も反応せずに次を回すんですか!?」
今度こそまともなの来い!!
「あっ……」
「さっきから不穏な空気しか感じないの怖いんですけど!?」
「やべぇ」
「ちょっ、マジで教えてください! 何が出たんですか!!」
残念ながら演技ではなくガチでヤバイのだが、マルティアの感情は揺れに揺れているのは間違いない。
次のラスト10連こそ、今このダンジョンに必要なものが出てくれるはず。
「祈れ、マルティア」
「祈らないといけないほど崖っぷちに追い込まれてるってこと!?」
ふっ。
「その通りだ」
「嘘でしょ!!?」
最高潮の驚愕。今ならいける!
そう思って引いた[ガチャ]と先ほどの結果を合わせたのがこれだ。
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〈N 19個〉
・魔物:1体
ジャイアントラット
・魔物育成強化アイテム:3個
育成結晶×2 属性石(風)
・宝箱用アイテム類:7個
武器類×1、防具類×2、ポーション(弱)×2、薬草、ランタン
・ダンジョン施設:4個
矢の罠、拷問部屋、部屋×2
・日用品、動物、その他:4個
シャンプー 照明器具 犬×2
〈R 8個〉
・魔物:3体
インプ、グレムリン、レムレス
・宝箱用アイテム類:2個
ポーション(中)×2
・ダンジョン施設:2個
看板1セット(10枚) 商人の間
・日用品、動物、その他:1個
ゲーミングチェア
〈SR 3個〉
・宝箱用アイテム類:2個
ポーション(強) 魔法の武器(盾)
・ダンジョン施設:1個
Wi-Fi
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[称号]によって10回ごとにSR以上が1個は確定。
つまり10連でも2個以上出てもおかしくないのだ。
にもかかわらず、3回連続で最低保証。
しかもどのSRもダンジョンの強化にはつながらない。
「詰んだ……」
これ、下振れ引いたわ。




