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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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第21話 言い回し


『なっ!?』


 俺の問いかけに対し、カグラは目を見開いて思わずといった様子で声を上げたが、そのまま沈黙してしまった。

 それに対し、俺はカグラにしばらく考えてもらうため、ただ黙ってその様子を見守ることにする。


「(上手くいきそうですか?)」

「(分からん。ただ思う事はあったような反応を見せてるし、悪くはないと思うんだが……)」


 マルティアと小声で話しつつ、カグラがどう結論を出すのかを待つこと数分。

 思案していたカグラの口がようやく開く。


『……確かにあなたの言う通りだわ』

『カグラ……!』


 ヨシッ!


 俺は表に出さないようポーカーフェイスに努め、まるでよくやったと言っているかのように、バシバシと人の肩を叩いてくるマルティアを肩から叩き落とす。


「自分のしたいようにする、というのなら、人の意見はあくまで参考程度にとどめて自分が良いと思った行動をする方が自分の意思を貫いてるように思う」

『その通りね。正直前世の経験から頑なに人の意見を拒みたくなっていたようだけど、それじゃあ自分で考えて行動してるとは言えないものね』


 【自律・反抗願望】持ちではあるが、どちらかというと【自律】の方に重きを置いてるということだろう。


 ………。


 あ、危なかった……!

 もしも【反抗】の方に重きを置いていたらヤバかった!

 【自律】の方に重きを置いてくれているだろうと賭けに出たが、どうやら正解だったな。


「それじゃあこれからはどうしていくつもりだ?」

『そうね。とりあえずダンジョンを大きくしていきたいところだけど、困ったわね』

「どうした?」

『日々得られるポイントとダンジョンバトルまでの日数を考えると、ダンジョンを大きくするか、魔物を増やすかどちらかしか出来そうにないわ』


 お互いのダンジョンを攻略するタイプのダンジョンバトルなら、攻守で魔物が最低でも1体ずつはないと話にならない。

 でないと魔物1体だけの状態では攻撃できずに一方的に攻められるか、自分の守りが完全にない状態で特攻させることになってしまう。


 なら魔物を増やせばいいと思うかもしれないが、ダンジョンを大きくすれば周囲から得られる負の感情エネルギーの回収範囲が広がるし、敵から攻められても多少時間稼ぎはできるようになるので、そんな単純な話ではない。


「そこはカグラが決断すればいいと思う。下手にこっちが口出ししてもいい結果にはならないだろうしな」

『そうするわ。……()()()()配慮してくれてありがとう』

「ん?」

『気づかないはずないでしょ。私の願望を刺激しないように言い回しに気を付けていたことくらい気付いてるわよ』


 おうっ……バレてら。


『ナナがあなた達にバラしたのだろうと薄々気づいてたから、情報をもらえるだけもらったら、ナナ共々どうしてやろうかと思っていたけれど……』

『「あわわわっ……!」』


 ナナとマルティアがいつの間にか俺達の肩に乗って、同じようにぶるぶると震えだしているが落ち着け。カグラの目をよく見てみろ。


『ふふっ』


 こっちをからかってるだけだ。目が笑ってるし。


『あなたは私に対して誠心誠意をもって言葉を尽くしてくれたわ。開示する必要なんてなかったあなた自身の願望まで教えてくれた上に、私が破滅しないように道を示してくれた人を信用しないわけにはいかないわね』

「それじゃあ?」

『ええ、協力しましょう。今の私にできることなんて大した事ないけど』

「それは俺もだ。それに【挑戦・賭博願望】持ちで最下位のダンジョンマスターだが構わないのか?」

『それを言うなら、私は【自律・反抗願望】持ちのブービー(下から二番目)よ』


 そう言ってお互い笑い合うと頷いた。


『これからよろしくね』

「ああ、よろしく頼む」


 こうして俺達は手を組むことが決まった。


 ◆


「ふぇ~、なんとかなりましたね」

「ああ、そうだな」


 手が組むことが決まった後、俺はラノベとかで知ってる限りの起こり得そうなことなどをアドバイスし、お互いに定期的に連絡をやり取りすることと決め解散となった。

 そしてダンジョンバトルが始まった時、もしも余裕があるのならお互いに手を貸しあうことまで約束できたので上々だろう。


 もしダンジョンバトル中にカグラの強化されている魔物を借りられるなら心強いことこの上ない。さすがにどんな魔物かまでは聞いてないが、戦闘力は間違いなく高いはず。

 まあそんな事をすればカグラのダンジョンがもぬけの殻になってしまうので、ほぼ有り得ないだろうが。


「さて、他にも交渉できるダンジョンマスターがいればいいんだが……」

『正直最下位なんて格好の獲物にしか見られないでしょうから無理なのでは?』

「だよな。今回はマルティアの友人のサポート妖精がいるから、まだ交渉の余地はありそうだと思っただけで、他のダンジョンマスター相手じゃこっちの情報を抜き取ろうとするだけだろう。


 それでもやるがな」

『マジですか!?』


 何もしないよりはマシなはずだ。

 下から順にダメ元で交渉していくぞ。








 1週間費やしてまで様々な奴と交渉した結果、カグラ以外の全員が完全に俺のこと獲物と見てるせいでまともな話し合いにならなかった。


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