表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/51

第22話 ここ本当にダンジョン?


「やっぱ無理か~」

「そりゃそうですよ。自分よりもあからさまに弱い相手なら、協力するより糧にした方がマシでしょう」


 カグラ以外の全てのダンジョンマスターは、こちらを獲物のように見ており、まともな交渉にならなかった。


「願望の解放の処置を受けてるからって、あそこまで露骨じゃなくてもよくないか?」

「交渉相手が私達と同じ最下位に近いダンジョンマスターですからね。ぶっちゃけろくでなしがほとんどです」

「それ、俺にもぶっ刺さってるんだけど。否定できないが」


 ただ、【快楽願望】と思わしきアル中と同じ枠なのは納得できんぞ。

 でもそいつよりもランキングが下という事実には微妙に凹んだ。


 ――ピロンッ


 ん? なんか通知が、って――


「侵入者か」


 誰かが入って来たら分かるようにスマホに通知が来るように設定していたんだった。


「意外と人が入るようになるのが早かったな。まだ交渉してから1週間くらいだろうに」

「一応魔物部屋の前には常に人はいますが」

「俺達のダンジョンボス(警備員)はノーカンだろ」


 ダンジョンを大きくした後、しばらくしたら入口前だけでなく、魔物が出ると注意を促す看板の所に警備員が立つようになったのだ。

 入口を強行突破されたとしても二段構えで守ってくれるのでありがたい。


 問題があるとすれば、この先ダンジョンを大きくしていっても魔物がいる場所まで来てくれなくなってしまうことだが、それは先の問題だし、今はいいだろう。


ダンジョンボス(警備員)より侵入者だ。どんなやつだ?」


 スマホで確認したところ若い男性だった。大学生くらいか?

 手持ちカメラを片手に興味深げに辺りをキョロキョロと見回しながら入ってきていた。


「なんでこの人はヘルメットを被っているんですか? 危険なんてこのダンジョンには魔物のいる部屋しかありませんよ」

「一応なんじゃないか? ダンジョンは危険がないようだが自己責任って言われてるのかもよ。ほら、バンジージャンプみたいな感じで」

「ああ、なるほど」


 いくらこっちが魔物のいるところ以外危険はないようにするって言っても、それを素直に信用されるかは別問題。

 だが交渉の時にこのまま負の感情エネルギーを回収できなければ、他のダンジョンに壊される可能性が高いことを告げているので、政府としても迅速に対応してくれたということだろう。


 ダンジョンを大きくした後、自衛隊がダンジョン内を見回ってたし、魔物のいる場所以外は危険がないと判断できたのも、すぐに一般に開放された要因かもしれない。


 あとその時ついでに〝ポーション(中)〟がもっと欲しいって要望がきたが、ない袖は振れんのよ。

 代わりに〝ポーション(弱)〟を出現させたら、残念がりつつもエネルギーが足りないのかもと呟いていたのも、政府が迅速に動いた要因の1つかね?

 そこはこっちの思惑通りだ。


 効果が低い物を渡せば暗にそう示せるだろうと思って、あえて渡したのが功を奏したのか。

 とりあえず様々な要因が重なって、こうして一般の人が入って来れるようになったのだろう。


「ただ、なんでこいつ1人だけなんだ? もっと興味を持って入ってくるやつがいるかと思ったんだが……」

「人数制限してるのかもしれませんね。一気に入ってこられたら数人のダンジョンボス(警備員)では止めきれませんから」

「それもそうか。まあ入口近くを通る奴からも負の感情エネルギーは回収できてるから問題はないが」


 というか、履歴を確認したら昨日辺りから一気にエネルギーの回収量が増えて、ポイントが増量してるんだが。

 ダンジョン前にくたびれた社会人が横切ってる回数が多い気がするが、さすがに気のせいではないだろう。


「……ふむ。すでに[ガチャ]がある程度回せるくらいポイントが貯まってるな。

 じゃあ回すか」

「今、侵入者来てるのに!? この人の反応次第じゃ、ダンジョンをどう改造していくか考え直さないといけないと思うんですけど!?」

「馬鹿野郎! そんなもんより[ガチャ]を回さなくてどうすんだ!」

「いい加減にしろくださいよこのダンジョンマスター! これだから【挑戦・賭博願望】待ちは!」


 変な言葉遣いになったマルティアに対し、俺はフッと笑う。


「褒め言葉だ」

「褒めてねえんですよ!」


 マルティアが人の頭に飛び乗ってペシペシと叩いてくるが、いつも通り痛くない。


 まあマルティアの言うことも一理あると言えばあるんだが、そんなに参考にはならないと思うんだがな。なにせダンジョンっぽい見た目の造りと動物しかいないんだぞ?


『え、なんだここ? 本当にダンジョンか?』


 ほらな。こういう反応になるだけだろ。


 男の今いる場所は動物部屋の1つであり、うさぎ三羽、馬一頭、ついでに〝穏やかな音色のBGM〟が流れるようにしているだけの部屋だ。

 本当は鶏と牛もまとめて置こうかと思ったけど家畜感が凄かったので、鶏と牛はもう1つの部屋のほうに設置した。こちらは当然BGMはない。

 動物といえばライオンも[ガチャ]で出てきてたけど、それを配置すると1階層に魔物や危険な物は配置しないという約束を破ることになる。


 空腹でなければライオンもそこまで危険ではないはずだが、動物はこちらの命令を聞かないので、絶対ではない以上配置できなかった。

 もしも人を襲わないように指示できてたら人がそれ目当てで来たかもしれないのに残念だ。


『なんかダンジョンっぽくないけど、動画のネタにはなるか?』


 そう言って男は部屋を満遍なく撮影し、最後にダンジョンボス(警備員)監視の元、部屋の外から魔物達を撮影して帰っていった。


 やっぱり確認するだけ無駄だったな。

 さて、そんな事よりも早速[ガチャ]を回すかね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ