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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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第19話 やりたいようにやる


 サポート妖精達の話し合いが終わったので、ようやくカグラとの交渉が始まる。

 しかし気を付けないといけないのが、下手に命令口調で話してしまった場合、カグラが【自律・反抗願望】故に確実にこちらの意見を聞かなくなってしまうということだ。


「さて、それじゃあ早速だがダンジョンバトルの話をしたいと思うがいいか?」

『そうね。サポート妖精同士の親交を深めさせてあげるために、わざわざ通話してるわけじゃないもの。

 とはいえ、ダンジョンバトルがどんなものか分からない現状で、何を話せばいいのかは疑問だけど』


 ダンジョンバトルという名称しか今のところ分からないからな。

 とはいえ、ある程度は予想がつくが。


「ダンジョンバトルと言われてパッと思いつくのが、ダンジョンマスター同士の戦いだよな」

『だよなって言われても、私はあまりピンと来ないわ』

「漫画やゲームでそういったダンジョン運営モノは見たことないのか?」

『生憎と無いわね。ダンジョンマスターになる前は親らしき人に漫画やゲームを禁止されてた覚えがあるわ。

 今になって思えば、なんで律儀に言う事を聞いていたのか疑問でしかないわね』


 カグラは吐き捨てるようにそう言った。


 漫画もゲームも禁止って、子どもの気持ちを尊重せずに娯楽を制限するとか完全に毒親だな。悪影響を与えたくないという理由なら、親が選別すればいいが、選別すらせずに全面禁止は有り得ないだろ。


 って、カグラの家庭事情は今はどうでもいい。それよりもダンジョンバトルのことだな。


「それじゃあ漫画とかでよくあるダンジョンバトルについて、俺の知ってる限りを話そうか?」

『お願いするわ』


 とはいえ話すことはWeb小説系を嗜む人間にとっては大した事ないのだが。


 ダンジョンバトルと言えば、ダンジョン同士が直接戦うかダンジョンマスター同士が間接的に競い合う経営戦のどちらかだろう。

 前者であれば自身の配下である魔物を相手のダンジョンにけしかけて、資源を奪ったりダンジョンコアを破壊するか、ダンジョンマスターを屈服させて支配下に置いたりするもの。

 後者であれば、俺達の現状だと一日にどれほどの負の感情エネルギーを回収できているかといったものをダンジョン同士で競うかだ。


 ただ今回の場合後者はほぼないとみていい。

 何故ならダンジョンランキングがすでに行われているので、それと類似しているためだ。


 俺がそう説明すると、カグラは納得したように頷いた。


『なるほどね。そうなってくるとダンジョンバトルは他のダンジョンから自分のダンジョンに魔物をけしかけられる可能性が高いわけね』

「ああ。だが俺達はランキングから分かる通り、他のダンジョンマスターよりも部屋数が少なく、そういったバトルにおいてはかなり不利な現状だ」

『……まあそうね』

「まだ互いに協力するかどうか決めてない以上、余計な詮索をするつもりはないが、今の現状で1人で他のダンジョンマスター相手に勝てる自信はあるか?」


 俺がカグラにそう尋ねると、大きくため息を吐いてこちらを見てきた。


『いいの。私はこれでいくって決めたんだから、何の問題もないわ』

『そ、そんな……』


 カグラのその発言からか、画面には映っていないナナの絶望感漂う声がこちらに聞こえてきた。


 かなり頑なだな。

 ナナからの情報通り、ダンジョンを大きくして魔物を複数配置するべきというナナの意見に従うことになるのが嫌だということか。


「それで本当に問題ないのか?」

『しつこいわね。問題ないと言ってるじゃない』

「勝てる、とは言わないんだな」

『っ!』


 勝てるかどうかを聞いたのに問題ないと返答するあたり、自分でも勝てないと分かっているのだろう。

 なにせ先ほど言った通りのダンジョンバトルが行われるなら、たった1体しか魔物がいない以上、そいつに守らせることはできても攻めに行かせることはできないのだから、負けはしなくても勝てはしないのは間違いない。


『だったらなに? あなただってランキングを考えればダンジョンの現状は私とそんなに変わらないじゃない。

 だから私に手を組めって言いたいんでしょ? そして生き残るためにダンジョンを大きくしろって言う気?

 でもね。私は私がやりたいようにやるからそんな要求お断りよ』

「別にそんな事を言う気はないが?」

「『『えっ?』』」


 危うく交渉決裂になるところだったからか、マルティアが悲壮感漂う表情になっていたが、俺がダンジョンを大きくするように言う気がなかったことに全員が唖然とした声を上げていた。


 というか、言うだけ無駄だと分かってるのだから言うはずがない。

 人の意見など聞きたくない様子だからな。勝手にこっちの要求を想像して勝手に断ってくるほどだし。

 もしもナナから何も聞いてなかったら、こいつと交渉は無理だと思うレベルだな。


「やりたいようにやる。大いに結構だ。俺だってやりたいようにやった結果が今の現状だしな」

「本当にそうですよ。[ガチャ]に全部突っ込むとか何やってくれてるんですか……」


 今大事な話をしてるからマルティアはちょっと黙ってようか。

 今、カグラが敵対するか()()()()味方になるかの瀬戸際なのだから。

 なにせこのままカグラが味方になったところでまともな戦力にはなり得ない。

 だからこそ、ダンジョンを大きくさせるために上手く誘導できるかが鍵になるのだが、これが上手くいくかは賭けだな。


 上手くいってまともな味方になるか、失敗して俺を狙う敵になるかを考えると、悪くないヒリつき感だねえ。


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