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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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第15話 人寄せ用


「だからって、なんでこんなダンジョンにしたんですか!!?」

「うるさっ」


 俺がスマホを操作して創り上げたダンジョンに対し、マルティアはその構築されたダンジョンに対して絶叫していた。


 まったく、よく叫ぶやつだ。


「誰のせいだと思ってるんですか、誰の!」


 おっと。思った事がつい口から出てしまったか。


「せめて、せめて相談してからダンジョンを創ってくださいよ……!」

「でも言ったら止めただろ?」

「当たり前でしょうが!!」


 俺が〝部屋〟が7つ、〝落とし穴〟1つ、〝隠し扉〟1つ、魔物11体、〝穏やかな音色のBGM〟と凶暴に見えない動物全てをダンジョンに配置してしまったため、マルティアが何を言ってももはやダンジョンの構造を変えることができないせいで絶叫していた。


「なんで、なんで――」


 マルティアは声を絞り出す前に、わざと間を置いて続けた。


「なんで〝部屋〟を無駄にするような構造にしてしまったんですか!?」

「別に無駄にはしてないんだがな」


 1部屋だけだった俺のダンジョンだが、今はその1部屋に対し入口から入って正面と左右に扉を創って、それぞれに1部屋ずつ増築した。

 そして人類に分かるよう、左右の扉の前には看板を2つ設置してある。


「看板で〔この先動物部屋で行き止まり〕ってわざわざ説明してある時点で、無駄にしてるとしか思えませんよ!」


 看板が嘘をつけない以上、この先の部屋はもしもダンジョンコアを狙う相手が読んだら行く価値なしと判断してスルーされるから、そう言いたい気持ちも分かる。


 正面には何もないように見える部屋が1つあり、その部屋の正面にはまた扉と看板があって、〔この先に魔物が出るため命の保証はできかねます〕と説明までしてある。

 そして通路の先には本当に魔物がいる部屋があり、その部屋の正面にダンジョンコアがある部屋となっている。

 イメージにするとこんな感じか?



 *****************


        入口

        |

  動物部屋―部屋―動物部屋

        |

  部屋(―)部屋

        |

      魔物部屋

        |

    ダンジョンコア部屋


 *****************



 今の説明だと〝部屋〟が1つ設置されてないことになるが、入口から正面に進んだ際にある2つ目の〝部屋〟の右手に〝隠し扉〟があり、その扉の先にある〝部屋〟は実はもう1つの魔物部屋となっている。


 敵が正面の魔物部屋に入った時、隠し部屋にいる魔物達が挟撃するためのものだ。

 残念ながら入口からダンジョンコアのある部屋の動線には〝隠し扉〟は設置できないので、〝隠し扉〟で身を隠すことはできないのでこのような形になった。

 ちなみに〝落とし穴〟は正面の魔物部屋の中に設置してある。


「入口から入ってすぐの〝部屋〟の正面から先の〝部屋〟の設置には文句はありませんよ。

 あるもので精一杯考えられた配置だとは思います」

「ならいいだろ」

「いやダメに決まってるでしょ! なんですか行き止まりの動物部屋って!? こんなの設置するくらいなら、せめて行き止まりを教えず、少しでも時間を稼ぐために迷わせるほうがいいでしょうが!」

「それで稼げる時間ってどのくらいだ?」

「はい?」


 ヒートアップしてまくし立ててきたマルティアにそう聞いたら、何故そんな事を聞くんだと意味が分からなそうに首を傾げて一気に冷静になった。


「動物部屋を覗いて次へと進める扉がないなら部屋に入るのを止めるんじゃないか?」

「それは……確かに。稼げる時間なんて1分にも満たないかもしれません」

「だろ? だから下手に入られて動物が傷つけられないように看板を設置してるんだよ」


 動物は無限湧きというわけではないので、ハズレだと分かって憂さ晴らしに動物たちを殺されてはたまらないからだ。


「言いたいことは分かりますが、じゃあ何故動物部屋なんて創ったんですか? 時間稼ぎもしないなら意味のない部屋じゃないですか」

「意味ならあるぞ。人類を呼び込むためだ」

「はい?」


 まだ意味が分かってなさそうなマルティアに、今の俺達の現状について尋ねることにする。


「もしも動物を設置しなかった場合、このダンジョンをどう思う?」

「そうですね。部屋しかないつまらないダンジョンかと。魔物のいる場所には近づかないよう伝えたので、せいぜい部屋に入らないで外から魔物をのぞけるくらいでしょうか」

「そんなダンジョンに人は来ないだろ」


 そこまで言ってようやくマルティアはハッとした表情を浮かべた。


「なるほど。動物部屋は人寄せ用の部屋ですか!」

「一応ごくたまにそこに宝箱でも設置するが、基本は動物で人を誘うつもりだ」


 疲れた人間にはアニマルセラピーが効くというし、もしも負の感情を抱えていない人間が来るとしても、人は人が集まってる場所に行きたくなる習性があるからそいつ自身が客寄せにもなるから問題ない。


「これで少しはポイントが稼げればいいんだが」


 上手くいくかは政府がいかに早く俺のダンジョンに一般人が入れるようにしてくれるかだ。

 とはいえ、もうやることはやったし、あとは【底辺トリオ】(そんな名前だったか?)から得たアイディアでも実行してみるか。


「ところでマルティア。お前は仲のいいサポート妖精はいないのか?」


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