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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
1章

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第14話 嘘つき


 グループDMにはあの後情報交換をそれなりの時間行ったが、結局俺とあの3人以外は誰も来ず解散となってしまった。

 まあ普通は警戒して参加なんてしないか、1人ずつターゲットを呼び寄せて情報収集してたかだな。


「どうするんですか? 私達のダンジョンが1部屋だけだと暴露しただけじゃないですか」

「そんなもん最下位の時点である程度予想できることじゃねえか。その証拠にこっちのダンジョンが1部屋だけだと言った時のあいつらの反応はかなり薄かったぞ」


 あらかじめ3人で予想していたんだろうな。

 普通なら驚くような反応をするだろうに、ゴウ(仮)以外俺が書き込む前に書き込まなかったし。

 それにミカゲ(仮)が他の2人の喧嘩を止めた後、出来る限りこちらの情報を取ろうと魔物の数や種類、罠とかも聞かれたし。


 正直に何一つ無いと言ってやったがな!


「こっちは本当のことしか言ってないのに、あいつらめちゃくちゃ疑ってきたよな。ククッ」

「当たり前ですよ。部屋が1つだけならその全てのリソースを魔物1体に集約されたって言われる方が納得できますから。

 なのにあなたは部屋の中にあるのは看板と机と植木鉢だけって、馬鹿にされてるか騙そうとしてると思われても仕方ありませんよ」

「だろうな。まあ向こうはこっちをカモにしようと企んでたから、そう思う様に仕向けたんだけどな」

「どういうことですか?」

「知ってるか? 嘘つきは三流は嘘を交えて話し、二流は少しだけ本当のことを混ぜて話すんだぞ」


 嘘ばかりで、すぐに見抜かれるのが三流。

 ほんの少し真実を混ぜて、信じさせようとするのが二流。


「じゃあ一流はなんなのですか?」

「嘘をつかないのが一流だ」

「嘘をつかない嘘つきって矛盾してません?」

「そうでもない。聞き手自身に嘘を作らせるんだからな」

「はい?」

「つまり、自分は何も偽らずとも相手が勝手に誤解するよう仕向けるんだ。そうすりゃ向こうが勝手に納得して騙されてくれる」


 マルティアにそう言ってやると、納得した表情を浮かべていた。


「確かに疑って警戒してましたね。だからあなたはあんな正直に話したんですか」

「肝心な部分は何も話してないけどな」


 手に入れた〝部屋〟をまだ設置していなかったり、[称号]のお陰で[ガチャ]で高レアが出やすくなってる事実は言ってない。


〝部屋〟はポイントを交換して手に入れるから、普通交換した〝部屋〟をいつまでも設置せずに持ってるとは考えないだろう。

 なのにポイントだけはほぼ無いことまで話せば、一体何にポイントを使ったんだと勝手に疑心暗鬼になる。


「でも馬鹿正直にあなたの話を信じてダンジョンバトルを仕掛けてこないとも限りませんよ」

「そうなんだよなぁ。1人そう思って向かって来そうな奴がいたが、その時はその時だ。

 ダンジョンバトルがどういう形態になるかも分からんし、1人くらいなら多分なんとかなる、はず……」

「自信をもって断言してくださいよ……」

「じゃあお前、今の俺達の状況でそんなセリフ吐けるか?」

「無理に決まってるじゃないですか!!」


 酷い泣き顔を浮かべながら絶叫するマルティア。


「[ガチャ]で出た実質ダンジョンに使えるのが〝部屋〟が7つ、〝落とし穴〟1つ、〝隠し扉〟1つ、魔物11体でどうしろっていうんですか!」

「おいおい、〝穏やかな音色のBGM〟と動物たちもちゃんと使えるぞ」

「あってないようなものをカウントしないでください!!」


 だが動物と魔物の違いってなんだって思わないか?


「〝ライオン〟とか使えないのか?」

「言っておきますけど動物は命令を一切聞きませんよ。魔物と動物の違いはダンジョンマスターの命令を聞くか否かです。

 ですから下手に〝ライオン〟を設置すればダンジョン内を勝手に動き回って、設置した魔物が襲われてしまったり、設置した罠に引っかかったりします」


 なるほどな。

 そう言われると絶妙に使えないポジにいるのか。


 言うことを聞かない動物より、こっちの指示通りに動く魔物の方が使い勝手はいいだろう。


「一応無理やり利点を挙げるなら、魔物と同じでダンジョン内にいる限りは食事が不要な点です。

 ダンジョンに満ちる魔素がエネルギーとなるため、食事の必要がないんです」

「魔素?」

「密集して固まると魔力の元になる要素です。魔素はダンジョンに設置した魔物や罠などのエネルギー源となり、魔力は人間がスキルなどの力を使う際に利用されるエネルギーとなります。ですが、ぶっちゃけダンジョンコアにいる限りはそんな情報は無意味なので頭の片隅に置いておく程度でいいです」


 へー。

 今の段階じゃ無駄な豆知識みたいな話か。


「魔素のことはいいんです。それよりも動物ですが、それは賑やかし要員のただの飾りですよ。

 魔物の代わりに戦わせようとしたところで、空腹にならない以上侵入者を襲ったりはしません」

「……そうか、賑やかし要員か」

「どうしましたか?」

「いや、とりあえず今あるものでどうやってダンジョンを創るか決まっただけだ」


 賑やかし要員と言うのなら、それはそれで使い道があるというものだ。

 あるもので何とかしないといけないのだから、やるしかないだろ。


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