第13話 グループDM
神からの〖お知らせ〗がきて、どうダンジョンを大きくしようか考えていたところだった。
――ピロンッ
「ん、なんだ?」
スマホから突然の通知音。
神からの〖お知らせ〗であれば、前みたいに鐘の音がなるだろうから、そういった通知じゃないのは分かるんだが、それ以外となるとまるで予想がつかない。
「普通のスマホならソシャゲとかのアプリの通知とかなんだろうが、このスマホじゃそんな事できないしな」
「当たり前ですよ。あくまで現代人に馴染みやすいよう、スマホという体を取ってるだけで、実際のスマホというわけではありませんから」
実際のスマホだったらポイントが貯まるまでの暇つぶしができたのに残念だ。
お陰で暇で暇でしょうがなかったのだが、何かは分からないが幸いにも通知が来たので暇つぶしになりそうだ。
早速スマホを操作すると、そこには【底辺の集い】と書かれたグループDMへの招待が表示されていた。
まるでXのグループDMみたいに、複数人で会話できる場への誘いだ。
「なんですかこの【底辺の集い】って! 誰が底辺ですか!」
「いや、否定できねえだろうが」
ランキングは日本内だけだったが、1万あるダンジョンの中で最下位なんだから、俺達が底辺中の底辺だろうが。
さて、このグループDMだが……まあ暇だし参加するか。
俺はスマホで「参加する」をタップした。
瞬間、画面が切り替わり、見慣れぬチャットルームが開かれる。そこにはすでに数人の書き込みが流れていた。
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【底辺の集い】 ――ログインしました。
ミカゲ(仮):おっ、また1人来てくれたな
ミウ(仮):ようこそ、同じく最下位組へ
ゴウ(仮):仲良くやってこうぜ
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次々と飛び交うメッセージ。まるで現代のSNSそのものだ。
「意外と普通な感じだな。このSNSみたいなシステムもそうだが、メッセージを見る限り性格破綻者らしきやつもいなさそうだ」
「いや、こんな一言しかメッセージを送ってない段階で性格破綻者だと分かる相手がいたらヤバすぎでしょ」
そりゃそうだな。
……それにしても他のやつも名前は(仮)がデフォルトでついてるのか。
まあいい。それじゃあ俺もメッセージを返すとするか。
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ナオト(仮):どうもです。よろしくお願いします
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すぐに返信が返ってきた。
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ミカゲ(仮):ああ、よろしく
ミウ(仮):上位のダンジョンに差を付けられてるけど、情報交換して巻き返してやりましょ
ゴウ(仮):よろしくな!
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「……今のところまともそうだな」
「ええ。名前の割に、意外と健全な集まりみたいですね。ろくなダンジョンが創れてない時点でもっとあなたみたいな人達ばかりかと思いました」
「失礼な事言ってる自覚ある?」
「事実を言ってるだけですが?」
クソ失礼。
まあ【挑戦・賭博願望】持ちとか言われてる俺がまともだとは自分でも思っていないが。
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ミカゲ(仮):早速だがお前達はどの程度の大きさのダンジョンを創った? ランキングはダンジョンの大きさがそのまま順位になるようだが、本当なのか?
ミウ(仮):どうなのかしら。ちなみにワタシは罠を多めにしたから部屋数は15ってところね
ゴウ(仮):おいおい、少ねえな。オレ様なんか29部屋あるぜ
ミウ(仮):は? 馬鹿にしてるの? あんたのことだから罠なんか1つもないからその部屋数なんでしょうが
ゴウ(仮):だからどうしたよ。実際ランキングじゃオレ様の方が上じゃねえか
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「……なるほどな」
「どうしたんですか?」
「いや、気にするな」
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ミカゲ(仮):お前達落ち着け。ランキングの順位で言えばオレ達は9000位いかないんだから五十歩百歩だろうが。
ちなみにオレの部屋数は36部屋で3人の中では一応ランキングは上だ。だからやはり部屋数がそのままランキングの順位になると考えている。ナオト(仮)の部屋数はどうだ?
ナオト(仮):部屋数は1部屋だけだ
ゴウ(仮):やっぱり最下位だと部屋数も相応だな
ナオト(仮):ゴウ(仮)は部屋数が随分あってさすがだな。部屋以外には何を置いてるんだ? 参考までに教えてくれないか
ゴウ(仮):仕方ねえな。Fランクの魔物発生陣とそいつら用の武器だぜ。罠なんかなくても侵入者はそいつらに迎撃させればいいんだから問題ねえよ
ミウ(仮):なにそれ? ワタシに対する当てつけな訳?
ゴウ(仮):罠を多く用意したせいで部屋も魔物の強化もできなかったんだろ?
ミカゲ(仮):おい止めろ。だからオレ達が言い争っても仕方ないだろうが!
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「なんつう分かりやすい奴らだ」
「何がですか?」
「こいつら、一カ月後のダンジョンバトルに向けて情報収集してやがる。しかも3人で徒党を組んでな」
まだダンジョンバトルがどんなものになるかは不明だが、少なくとも自分達よりも下位のダンジョンを狙って行動してるな。
「なっ、なんでそれが分かったのですか?!」
「言葉の端々にそういうのが漏れてるんだよ。こんなにも分かりやすいのは、こいつらの解放された願望のせいかね?」
たださすがに自分のダンジョンの情報は偽ってるだろうな。
もっともゴウ(仮)は言葉の端々から馬鹿っぽさが伝わってくるから本当のことを言ってそうだし、それに煽られてミウ(仮)も多少本当のことを言ってそうだが。
さて、どうしたもんかねえ。
「で、でも徒党を組むには早すぎません? さっき神託がきたばかりですよ?」
「それはお前ら経由で話がいってたりしないか? サポート妖精って俺達ダンジョンマスターと関わる前に他のサポート妖精との交流はないのか?」
「……確かにあります。サポート妖精として役割を果たせるよう候補者が集まって教育を受けていたので」
「じゃあ仲のいいサポート妖精が自分のダンジョンマスター同士が協力しあうように、交流プラットフォーム利用するとか有り得そうだな」
「そうですね。それなら有り得ない話ではないですが、まさかダンジョンマスターを利用して協力してくるなんて、そんなのサポート妖精の分を超えています」
「それにこだわって消滅するよりはマシだと考えたんだろうよ」
「………」
俺がマルティアにそう言ってしまったら黙り込んでしまった。
いや、今はマルティアのことよりも他のダンジョンマスターの対処が優先だな。




