第126話 現在のナオト(仮)のダンジョン
≪ナオト(仮)SIDE≫
魔物が地上に放出されるあのイベント後、俺の日常は少し賑やかになった。
俺は自分のダンジョンコア内で基本生活しており、〝古民家〟で悠々自適な生活を送っている。
そこには俺だけでなく、〝ホムンクルス〟のイーヴを筆頭とした、決まった階層に配置していない知能の高い人型の魔物達もここに入り浸っている。
一緒に食事をしたり、漫画やアニメなどの娯楽を楽しんだりと、割と好きにさせている。
「イーヴは家事ばかりしてるがそれでいいのか?」
「自分はマスターの命令に従うことが本望なので」
イーヴは俺の役に立てることをしたいのか、家事とか任せると喜んでするのだが。
普通、魔物はダンジョン内を徘徊させて侵入者を倒すために存在するんだろうが、ダンジョンバトル中でもないし、人間達はせいぜい4階層の〝鉄鉱山〟フィールドまでしか来ないので、警備する必要が無いのだ。10階層まで創ってあるんだがなぁ……。
せっかく創ったのに、日の目を見ないのが悲しい。
一体これをお披露目する日はいつになるのだろうか?
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2階層:〝部屋〟20個の普通のダンジョン(低レアリティーの罠を多数配置)
3階層:〝草原〟(〝部屋〟20個相当)+〝部屋〟10個分増築
4階層:〝鉄鉱山〟(〝部屋〟30個相当)+〝部屋〟10個分増築
5階層:〝毒沼〟(〝部屋〟20個相当)+〝部屋〟30個分増築
6階層:〝幻影迷宮〟(〝部屋〟50個相当)+〝部屋〟10個分増築
7階層:〝変幻庭園〟(〝部屋〟10個相当)+〝部屋〟60個分増築
8階層:〝極夜〟(〝部屋〟30個相当)+〝部屋〟50個分増築
9階層:〝火山〟(〝部屋〟30個相当)+〝部屋〟60個分増築
10階層:〝朽ちた聖堂跡〟(〝部屋〟10個相当)+〝部屋〟66個分増築+ボス部屋
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半年前と比べるとかなり増築されたな。
前まで8~10階層は2階層と同じで普通の〝部屋〟があるだけの空間だったんだが、イベントの最中に大量に[ガチャ]を回した際にフィールド系の〝ダンジョン施設〟が手に入ったので、それに入れ替えたのだ。
こうして並べてみると、本当に統一感ねえな。
2~4階層までは余裕だろうが、そこから先が誰も通さない意思すら見えそうな酷いラインナップだ。ランダムで手に入れたのを適当に配置してるだけだから、別にそんなつもりはないのだが。
新たに手に入れたフィールドで、〝極夜〟と〝火山〟は文字通りのフィールドだ。
〝極夜〟は常に夜の平野フィールドであり、〝火山〟は溶岩の川が流れる岩場だ。
〝極夜〟はともかく、〝火山〟は熱対策をしないとまともに散策もできないだろう。
その先に待ち構えている〝朽ちた聖堂跡〟は前の2つほどではない――ように思われるが、実は違う。
〝朽ちた聖堂跡〟は騎士系の魔物や、聖職者の霊とアンデッドの戦闘力を格段に上げる効果を持ち、そこに〝Cランクの魔物発生陣〟を配置しているため、デスナイトと遭遇したらCランクの魔物とは思えない戦闘力に苦戦を強いられることになるだろう。
〝Cランクの魔物発生陣〟は1つしかないが、〝再誕の巣窟〟でデスナイトの数を増やせるので、本来の〝魔物発生陣〟の召喚上限を無視できるから十分な数のデスナイトが徘徊させられるしな。
それらを突破したところで〝ボス部屋〟にいる魔物を倒さないとダンジョンコアには辿り着けないのだから、こんなの誰がクリアできるんだよ、という有り様になっている。
「〝ボス部屋〟を配置しましたけど、誰をそこに配置するんですか?」
「〝朽ちた聖堂跡〟とシナジーする魔物がいればいいんだがなぁ……」
ダンジョンを創っていた際にマルティアにそう答えた通り〝ボス部屋〟は現在空なので、今は素通り出来てしまうのだが。
〝ボス部屋〟に魔物を設置すると、その魔物は他の場所へと移動することができなくなり、唯一移動できるのがダンジョンコア内になってしまうのだ。
その分、〝ボス部屋〟の効果で戦闘力は上昇するのだが、5階層にすら人が来ないのに10階層のボスを決める必要もないので、今は誰もそこに設置していない。
〝朽ちた聖堂跡〟とシナジーするURの魔物が出たらそこに配置したいと思ってはいるが、いつになることやら。最低限SRの魔物は絶対だな。
人間が9階層に辿り着いたら、今いる誰かを配置することになるだろう。
「なんでそんなダンジョンを創れてるのよ……」
「………(コクコク)」
カグラとリオンが協力関係になったため、互いのダンジョンがどの程度のものなのか教え合うことになったのだが、2人は呆れと驚愕の混じった表情を向けられてしまった。
フィールドの詳しいギミックや魔物の数などは教えておらず、階層の数や特殊フィールドについて軽く説明しただけなんだがな。
「私もある程度ダンジョンを大きくしてるけど、大きさはあなたと似たようなものよ。でもそんな様々なフィールドまでは創れてないわ。
ポイントがかかりすぎるから、普通の〝部屋〟を複数並べただけだもの」
「普通の〝部屋〟だけで創るなら、俺の倍はダンジョン大きくなってるはずだろ?」
今の俺のダンジョンランキングは3305位で中間から少し下程度の位置なんだがな。
俺と違って手に入れたい物はポイントで確実に手に入れられるんだし、特殊なフィールドでダンジョンを創らなければかなりダンジョンは大きく出来てるはずなのに、何故俺と同程度なんだ?
そう聞くと、カグラはスッと目を逸らした。
「……分かってるでしょ。最初に桜にポイントをつぎ込み過ぎたのよ」
「まだそれが影響してたのか」
あれから1年近く経ってるというのにな。
ダンジョンごとに日に得られるポイントに差はあるから、どうしようもないか。
俺の場合はポイントは得られるが、[ガチャ]頼りのせいで思うようにダンジョンを大きく出来ないし、カグラは俺ほどポイントを得られてはおらずスタートダッシュにも遅れたからな。
今は俺が人間側におススメダンジョンとして紹介したので、人はそれなりに入ってくるようになったからポイントは稼げてるはずだが。
「リオンも私と同じように魔物にポイントを注ぎ込み過ぎて、そこまでダンジョンは大きくないみたい」
そう言ってカグラはリオンの頭を撫でていた。
リオンもそれを普通に受け入れており、仲が良くなっていることがうかがえる。
一緒に生活しているお陰だろうか?
この2人。自身のダンジョンコア内で今まで生活していたにもかかわらず、今はダンジョンコア連結の際に生まれた共同空間の方が過ごしやすいと言って、こっちで生活しているのだ。
いくら〝中古住宅〟内の居住空間を充実させてやったとはいえ、ここには俺だって出入り自由なんだからもう少し警戒心を持ってくれねえかな。




