第121話 児童誘拐?
≪カグラ(仮)SIDE≫
「思ったよりも順位が上だったわね」
「そうだね。勝手に自滅して後半から得点を稼げなかったダンジョンマスターもいるんだろうけど、この順位になれたのはナオトからのアドバイスのお陰だね」
私はナナと共に今回のイベントのリザルトを確認してた。
【4000位】
人を殺すと得点が高かったけど、人とはあまり敵対せずに共存共栄を目指している私達にはそれは取れない選択だった。
そのせいで中間発表では順位が低かったのだけど、ナオトさんからアドバイスを受けて人間達にアイテムを配ることにした。
それが1個につき1点になってくれたお陰で、相応の得点になったわ。
もっとも、今回のイベントで得た負の感情エネルギーによるポイントの三分の一も消費して600点程度だったけど。
人間10人分程度ではあるけど、人間をやたらと殺すよりはマシだったでしょうね。
他にも判定外行動ボーナスで思いの外得点を稼げて、ピッタリ4000位になれたわ。
まあナナの言う通り、人を殺し過ぎて自衛隊によって魔物を駆逐させられたダンジョンマスターもいるでしょうけど、そういうダンジョンマスターは最初のスタートダッシュで得点を稼げたでしょうから、さすがにそれには勝ててないわね。
それでも隷属回避できたのだから十分だけど。
「このイベントの特典で順位ごとにポイントが付与され、上位の順位であるほどそのポイントが高くなるけど、キリ番ボーナスのお陰でより多くポイントが貰えたのはラッキーだったわ」
「イベント中にかなりポイントを消費したからね。多少それが賄えるのはありがたいよ」
下位50位が上位50位に隷属するだけでなく、ちゃんと順位ごとにポイントが貰えるのはありがたいわ。
私達は順位が4000位だから本来は雀の涙もなかったのだけど、100位、200位……1000位、2000位、とキリ番には追加ボーナスがあったのよね。ホント、ゲームっぽいわ。
「さて、私達がこの順位ならナオトさんは確実に4000位より上だったでしょうけど、何位になったのかしら?」
「隷属回避できたのなら何位でも問題ないと思うけどね。それよりもアドバイスをくれたお礼を言いたいよ」
「それもそうね」
ナナの言う通りお礼をしようと思い、ナオトさんへと連絡する。
――ティロリロリロリン
何度目かの着信音の後、ナオトさんが通話に出てくれた。
『ああ、カグラか。こっちから連絡するところだったから丁度よかった』
「……そう。ところで1つ聞いていいかしら?」
『なんだ?』
ナオトさんはどうしたのかという様子でこちらを見ているが、明らかに看過できない光景があった。
「後ろの子は誰なの?」
ナオトさんの後ろには、抹茶パフェを食べている小学生くらいの人間の女の子の姿がそこにあった。
◆
≪ナオト(仮)SIDE≫
後で連絡しようと思っていたカグラから連絡が来たが、何故かジト目でこちらを見ていた。
具体的には犯罪者でも見るかのような目である。
「なんでそんな目で見てくるんだ?」
『今回のイベントのどさくさに紛れて攫ったんじゃないでしょうね』
「酷い冤罪だ」
人間をダンジョンに連れ込むことができるのは確かだし、実際にそれをやったが、俺はそいつらに武器やポーションを渡すためにやっただけで、すぐに解放してるんだよ。
どうやらカグラは俺の後ろにいるリオンが気になるようだな。
「一旦それは置いておいて、カグラは今回のイベントで何位になったんだ?」
『4000位だったわ。ナオトさんがアドバイスをくれたお陰よ。本当にありがとう』
「あれは上手くいくかも分からない思いつきだったし、それをやると決めたのはカグラだから礼は不要だぞ」
『それでもお礼を言わせてほしいわ。あのアドバイスが無かったら、下手すればワースト50位に入っていたかもしれないもの』
「そうか。なら礼は受け取っておく」
どうやら他のダンジョンマスターに隷属させられてはいないようだな。
それなら〝ギルド創設〟システムでダンジョンコア連結できるな。
その方がリオンの説明もしやすい。
もしも他のダンジョンマスターに隷属していたらこんな提案はできないが、そうでないなら、今まで信頼関係を築いてきたカグラとはより深い協力関係になっておきたい。男女的な意味ではもちろんない。
より強固な協力関係になるためのダンジョンコア連結だ。
そういう訳で、カグラに〝ギルド創設〟システムについて説明すると、すぐにその許可をしてくれた。
『構わないわ。むしろこっちからお願いしたいところよ』
「了解。それじゃあ早速ダンジョンコア連結するな」
俺はすぐに〝ギルド創設〟システムにてカグラにダンジョンコア連結申請をする。
『申請が来たわね。もちろん許可するわ』
カグラがそう言った直後、何かと繋がった感覚が身体を巡る。
これで二度目の体験だが、不思議な感覚だ。
『ん……。何か変な感じね』
「すぐ治まるさ。それよりも直接話をしよう」
『やっぱりそういう事なのね。でもどうやって?』
「ダンジョンコア内に今まで無かった扉がないか?」
ダンジョンコア内に建物を建てている場合、その建物から出ないと分からないんだが。
『ちょっと待って』
カグラは移動すると、すぐにそれを見つけたようで扉を開けて入ってきた。
「『やっぱりこういう事なのね』」
デバイスと新たに扉が出来た方から声が響いた。
「ああそうだ。ここは共同場。ダンジョンコア同士を連結する際に生まれた、ダンジョンマスター同士の交流場所だ」




