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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
3章

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第117話 AIめっちゃ便利


 マルティアは渋々だったが、一応残ってる魔物を総動員して人間達に仕掛ける事を承諾してくれたので、残ってる魔物の半分をマルティアに任せて、俺達はそれぞれいくつかある避難所に武器を持たせた魔物を送り込むことにした。


「まだ魔物を倒した事ない人間に倒させるためとはいえ、ゴブリンとかに武器を持たせてしまってもいいんですか?

 その武器を使って人間を殺してしまわないですかね?」

「その可能性もなくはないが、ゴブリンやコボルトの類いだと人間の子供程度のサイズだから普通の武器だと重くてまともに振り回せず、人間を見かけたら武器を捨てて自分の爪や牙で攻撃することになるから問題ないだろ」


 俺のダンジョンから出ていったFランクの魔物で最も多いのが、 〝魔物発生陣〟で出現したスライム、マミー、インプだが、こいつらもゴブリン達と同様の結果になる。


 スライムやインプだと一体だけじゃ武器を持ち運べないので、何体も協力して運ぶことになり、そもそも戦闘でその武器を使用するなんてとてもじゃないができないからな。


 マミーだと包帯の巻いた干からびた大人のミイラであり、武器を余裕で持てるから一見武器を使いそうではあるのだが、こいつら、最下級のアンデッドのせいか知能が全くないのだ。

 命令すれば武器を持たせることはできるが、それを上手く使うことはできないので、適当に振り回すか、下手すれば武器を捨てて敵に噛みつこうとする。


 そんなわけで、武器を持ち運びさせたところで魔物には扱えず、適当に放り出されて人間に使われることになるというわけだ。


「正直飽きてきたのもあるし、ここらで魔物を消費しつつ、得点を一気に稼ぎに行くとするか」

「今、飽きてきたって言いました?!」


 ぶっちゃけ一週間もイベントがあるのは長すぎるんだよ。

 前のダンジョンバトルも期間が一カ月あったし、こんな長くなくていいと思うんだけどな。ダンジョンバトルなんて、バトルしている間は自分達以外時間停止状態になるのだから余計にだ。


 その辺の時間感覚が長いのは神らしいっちゃ神らしいんだが。


「じゃあマルティアの方もよろしくな。あ、〝ポーション(弱)〟も持たせて人間が拾うようにしろよ」

「ポーションを落とすとかゲームみたいですね。普通ならその魔物に関わる物がドロップ品になるのに」


 お金も持たせると、より戦う意欲が出そうだな。(笑)


 それはともかく、ポーションの容器がガラスっぽい見た目なだけで、床に叩きつけても割れない素材なのは幸いだった。

 そうじゃなければ魔物達にポーションを持たせたところで、人間の手に渡る前に容器が壊れていたから持たせられなかったな。


「それじゃあ指示していくか」


 俺は[ガチャ]で出た〝SFデバイスセット〟より、ホログラムのウィンドウをいくつも展開させる。


「俺のダンジョンに戻るのに、マミー達の被害が少なくなるようなルートを教えてくれ」

『かしこまりました』


 武器などを運ばせるために、物の持ち運びに適したマミーをダンジョンに戻さなければいけないのだが、各地に分散しているマミー達を冒険者に遭遇しないよう指示するのは大変だ。

 しかし、〝SFデバイスセット〟にあったAI補助を活用することで、そこまで労せずにその指示が出来るのだからありがたい。


「AIが本当に便利だ」


 自警団に見つからないようにダンジョンまで戻らせるのは手間だが、AIが人間と魔物が遭遇しないようにルートを出してくれるのでありがたい。


 イベントの序盤じゃ魔物がダンジョンの入口付近から出現していたため、自警団がダンジョン付近に多くいた。

 だが、今は各地に散らばってる魔物を討伐しようと動いているので、AIのサポートで魔物達にこっそりダンジョンの所まで戻らせ、武器や〝ポーション(弱)〟を持たせて運ばせることができるというわけだ。


 正直〝SFデバイスセット〟とか、いくらマルティアの使っているものの上位互換とはいえ微妙だと思ってたが、このAI補助だけでもかなり役に立っている。

 さすがURだけあって、スマホで指示していた時とは雲泥の差だぞ。


「マルティアの上位互換、か」

「誰の上位互換ですか!? 私の使っているデバイスの上位互換でしょうが!」

「冗談だ」


 AIは指示したことは出来ても知識はないから、アイテムとか分からないことがあって尋ねても答えられないし。

 そういう点ではサポート妖精とAIの差別化ができていると言える。


 ◆


 5日~7日の期間は人間達への奇襲だった。


『なんでこいつら、武器とポーションをこっちに投げつけてから襲ってくるんだ?』


 武器とポーションを持たせた魔物達を避難所にいる人間に少しずつ差し向ける。

 やってることはそれだけなのだが、まだ魔物を倒したことのない人間()戦わせるのは苦労した。


 何せ避難所だから、そこにいる人々を守るために配置されているジョブ持ちの人間も相応にいるのだ。

 そいつらを完全に避けるのは難しく、最初の内は難航した。


 だが、試しにAIにどう魔物を配置すれば魔物と戦った事がない人間を戦わせられるか尋ねてみたところ、AIの予測した場所に魔物を配置することによって、ジョブ持ち以外も戦わなければいけない状況に容易くもっていけたのだ。


「マルティアの方もAIに聞いた方が効率が良さそうだぞ」

「くっ、サポートでは負けませんよ……」

「張り合うところじゃないだろ。せっかくなら上手く利用してくれ」

「確かにそうですね」


 使い始めてすぐにAIは俺らにとってなくてはならない存在になった。


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