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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
3章

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111/113

第111話 本能に負けないように


 4日目の朝、マルティアが寝ている間は頑張らなければならないと魔物達に指示を出していたため、昨日から寝ていなくて少し頭が痛かった。


 徹夜なんてしたのは何時ぶりだろうか?

 社会人になってからは翌日の仕事に備えてきちんと寝ていたし、休日でも生活習慣を変えない方がいいと普段通りの起床を心掛けていたから、学生の時以来な気がする。


「久々なせいかしんどいな。マルティアはよくもまあ2日も寝ずに行動したものだ」


 世の中には寝てるのがもったいないとか言って、3、4日起き続ける猛者もいるが、良くそんな事が出来るものだと感心するぞ。

 まあ、聞いた話じゃ、そんな生活を続けたせいで30代の若さで死んでしまったとかいう話もあるらしいので、マネしたいとは思わないが。


「まあ1日くらいならカフェインでも入れてれば耐えられるか」


 エナジードリンクを摂取しながら、スマホをいじって魔物達へと指示を出す。


「2日目は人間達もダンジョンの近くを中心に魔物を殲滅しようとしていたが、マルティアの頑張りのお陰で包囲網をくぐり抜けて、人間や街に被害を与えていた。

 そのせいか人間達も、街に出る被害は諦めて、3日目からは避難所を守るように警戒するグループと、そこを離れて街中にいる魔物を殲滅するグループに分かれて行動していたな」


 もっとも、戦えない、戦わない奴らの声が大きかったのか、避難所の守りに人が多く割かれて、あまり魔物退治は捗っていなかったが。

 こういう時、何故か戦おうとしないくせに偉そうに言ってくる奴がいて、それに従わされるのって何でなんだろうな?


 避難所にいる大人全員が一丸となって戦えば済む話なのに、普段男女平等を謳いながらも「女に戦わせる気!?」とか、さっきまで普通に歩いていたはずの老人が「ワシは膝が悪くて……」とか言って戦わないんだから、おかしなものだよな。

 平等という言葉を盾に自分の都合のいいようにしたいだけなのと、仮病を使っているのがよく分かる。


 イラッときて、思わず殺したくなるぞ。


 なんでそれが分かるかは、当然こっそり忍ばせているスライムを通して見ているからだ。

 最悪、夜中寝静まっている時に、スライムに窒息死させて得点を得ることも視野に入れて、避難所に潜り込ませている。

 もっとも、そこまでしなくても良さそうなので、派手に奇襲してジョブを持っていない奴に倒されるのがいいかと思っているが。


「出来れば、これで戦おうとする奴が増えればいいんだがな」


 俺はそう呟きながら、昨日カグラの相談に乗っている時に話した事を実行する。


『『『ギギッ』』』


 ゴブリン達がそれぞれダンボールや大きな包みを抱えながら、ある場所へと向かっていた。


『き、来たぞ!』


 それは当然避難所である。


 槍や剣、弓などを構えた者達が近づいてきたゴブリンに対し、ひどく警戒した様子を見せていた。

 俺のダンジョンで戦っている奴らとは違い、顔が少し強張っているのが多くいるので、この数日でジョブを手に入れたか、まだジョブを持っていない人間なのかもしれない。


 まあそんな緊張をするだけ無駄なんだが。


「ゴブリン達、そこでいいから荷物を置いて退却しろ」

『『『ギャギャッ』』』


 人間が近くにいるのに命令を聞くかどうか怪しかったが、大人しく退避してくれたか。

 女が見張りにいない場所を選んで正解だったな。

 もしそうじゃなかったら、本能に負けて荷物を適当に放り出して向かっていたことだろう。


 あらかじめ食い物をたらふく食わせて食欲を満たさせたお陰か、戦う気が起きずに素直に俺の命令に従ってくれたようだ。

 魔物達がある程度しか命令を聞かなくなるのって、本当に地味に厄介だな。


 これで見張りに女がいたら性欲に負けていたから、見張りに女がいない場所があって本当に良かった。

 他にもいくつか避難所を回るつもりだが、他の場所もそうだといいんだがな。


『……なんだったんだ?』


 なお、ゴブリンの珍妙な行動に困惑する人間達。

 それはそうだろうな。

 数日前までは割と見境なしに魔物達が襲ってきてたのに、持ってきた物を置いて立ち去ったんだから。


『あれ、なんだと思う?』

『ちょっと行って見て来いよ』

『危険物だったらどうするんだ!』


 俺が運ばせた物に対し、人間達はかなり警戒していた。

 そりゃそうだろうな。正しい反応である。


 だが、危ない物じゃないからとっとと確認してほしいんだがな。


 そう思っていたら、盾と槍を持った男達が恐る恐るダンボールへと近づいて行った。

 出来るだけ離れたところからダンボールを突いて、危なくないか確認している。


 ――カチャカチャ


『ん? ガラスがぶつかる音?』


 少なくとも爆弾の類いではなさそうだと判断したのか、盾を構えながらゆっくりと近づき、ダンボールのフタが半開きになってる箇所に槍を突っ込んで開ける。


『これは……ポーションか!?』


 中に入っていたのは大量のビン。


 そう。俺は大量の〝ポーション(弱)〟を用意して、人間達に送ったのだ。

 ケガをしてもすぐに治るのなら、戦うことに拒否感があった人間も魔物と戦うようになるのではないかと期待して。


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― 新着の感想 ―
横暴な権力者が「念の為」とか言って使わず保存する事が簡単に予想できるので使わずに取っておこうとする場合その場所にモンスター大量に向かわせるとか更に策が必要そうな
イベントが終わった後で人類側に襲撃は本意では無かったって釈明しやすくなる効果も期待できるな
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