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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
3章

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108/110

第108話 寝ろ

「ふ、ふへへ。まだまだやれますよ~……」

「寝ろ」


 まさか本当に二徹するとは思わなかった。


 マルティアのそばにはエナジードリンクの空き缶がいくつも転がっており、カフェインで無理やり起きているようだ。

 そんな事してたら早死にするぞ。


「あと一日はいけます……」

「そんな死にそうな声で言っても説得力ねえよ」


 俺なんかスライム達に大雑把に指示したらすぐに寝たぞ。

 そのせいか朝起きたら病院で老人に早いお迎え(意味深)をしていたから、少しびっくりしたというのに。


 朝から酷いモノを見てしまった。別に止めなかったが。


 確かに魔物達はこっちが指示しないと、意図しない行動をすることがあって、気を抜くと人間への危害が行き過ぎて殺してしまうこともあるが、さすがにそれは仕方がないと俺は諦めているというのに。


「イベントはあと5日はあるんだから、下手に無理してももたんだろ。

 せめて仮眠をとれよ」

「だ、ダメです……。今寝たら確実に丸一日は寝る自信があります……」

「それじゃあ徹夜した意味がほとんどなくなるな」


 2日起きて丸一日寝たら、1日あたり8時間寝ている計算になってしまう。


 初日が肝要だったからけして無駄とは言い切れないが、これじゃあ普通に生活している方が短い睡眠時間で済むだろう。

 普段マルティアは0時に寝て7時に起きるから7時間睡眠だし。


「まあどの道カフェイン大量注入したせいで、目がギンギンで眠れる気配がしませんが」

「何故わざわざ自分から社畜じみた行動を取っているのか」


 エナジードリンクの飲みすぎで死んだ社畜の話を聞いたことがあるんだが、そうまでして何故仕事をしようとするのかまるで理解できんな。


「ここで頑張らないと、イベントで下手すればワースト50位に入ってしまうかもしれないんですよ!」

「ああ、不安で眠れないのか」


 そういう気持ちなら分からなくもない。

 今回のイベントの最大の欠点があるとしたら、常時イベントの順位が分かるようになっていないことだ。


 そのせいでどのくらい頑張ればいいのかも分からない状況なせいで、マルティアのようにがむしゃらに動いてる奴は多いだろうな。

 誰だって他のダンジョンマスターに隷属させられる羽目になるのは嫌だから当然だろう。


「それじゃあ今日はどうする? 3日目ともなると人間達の防衛力も強化されていそうだが」


 例外があるとすれば病院の様な入院患者などの他の場所に移動させられない人間がいる場所で、入口とかにしか見張りがいない場合なんかは、今日の朝のようにこっそりと忍び込んだスライムによる窒息死で得点が稼げるのだ。


「今日は住宅地でも襲って、家に立てこもってる人間を炙り出そうと思います」

「2日経ってるから、ほとんどの人間はとっくに避難所に逃げてるんじゃないか?」

「怖くて家から出れない人間もいるでしょう。仮にいないとしても人工物の破壊で得点は稼げます」

「なるほど。了解」

「マスターはどうしますか?」

「俺は昨日に引き続き荒らせるところを荒らしていくだけだ」


 とはいえ、病院を荒らすのはほどほどにさせるつもりだが。

 動けない奴を襲ったところで、相手が反撃してくることはほぼないだろうから、得点を得るには殺すしかない。

 しかし、あまり人を殺し過ぎない方針なので、殺さないとなれば危害しか加えられず、1点しか得点を得られないならあまりおいしくないんだよ。


「とりあえず、人間の食料でも狙って行くか」

「うわっ。それはまた人間も必死になって魔物を倒そうと動かざるを得なくなりますね。ジョブ持ちばかりに頼ってられなくなるでしょうから、魔物と戦った事がない人間でも必死に戦いますよ」


 あ、そうなん?

 別にそこまで考えていたわけじゃなくて、単純にスライムが壊せそうな物で、人間にとって必要な物と考えたらそれだっただけだ。

 人間に危害を加えつつ、人工物の破壊の2つを同時にクリアして得点が得られると思ったんだよ。


「マルティアからナイス判定も受けたし、早速指示するか」

「ええ。私の方も起きられる限り指示し続けます」

「……それ、絶対効率悪いぞ」

「ふっ。もう遅いですよ」


 後で長時間爆睡するくらいなら、短時間睡眠を1週間続ける方がマシだろうに。

 とはいえ、マルティアの言う通り今更の話なのだから。


 こうして俺達は2日目と同じようにイベントを過ごしていった。


 ◆


 ――ピンポンパンポーン


 3日目の夜になって、唐突に気が抜ける様な音が周囲に響いてきた。


〖中間結果を発表します〗


 それと同時に宙に浮かぶ文字。

 この文字を見た瞬間、うつらうつらしていたマルティアが跳ね起きた。


「な、なんですって!?」

「いや、眠いなら寝ろよ」

「寝てる場合じゃないでしょうが!」


 それはそうだが、二徹して今にも倒れそうな顔してる奴にはさすがに寝ろと言うぞ。


「じゃあマルティアがすぐに休めるように、とっとと中間結果とやらを見るか」

「中間結果を見てもすぐには寝ませんよ! 結果次第では今後の話し合いをしなければなりません!」


 そして俺達は中間結果を確認した。





 5011位中、4437位だった。



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― 新着の感想 ―
下に500人以上も居るのはヘイト管理に慎重なマスターもそこそこ居るって事なのかな?
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