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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
3章

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107/114

第107話 自警団


 イベントが始まり2日目の今日、人間達の動きにある変化があった。


『わたし達が先頭に立って戦いますから、みなさんは取りこぼした魔物の処理をお願いします!』

『『『了解!』』』


 〝オファリング・メイデンズ〟や俺のダンジョンに魔物を倒すためによく来る奴らが中心となって、昨日ジョブを手に入れた奴らを率いて各地で抵抗し始めたのだ。


「これは厄介だな」

「国が救助に来る前に、自分達で徒党を組んで向かって来るとは……。思ったよりも動きが早いですね」


 昨日までは戦える奴は個々で動いている場合が多く、目の前に現れた魔物をひたすら倒しては、疲れて動けなくなる前に撤退する、というパターンが多かった。

 それが昨日の今日で、もうこんなにも組織的に動き出すとは驚いたな。


 この自警団のせいで、ダンジョンの近くにいる魔物達が中々別の場所への移動ができないでいた。


「昨日は好き勝手移動できていたのにな。

 別の場所に移動しようにもこいつらに邪魔されて、横を通り抜けようとしても昨日のようにはいかず、後ろで待機しているやつらに倒されちまう」

「昨日徹夜で指示し続けて良かったですよ。そうじゃなかったら、今日以降、かなり厳しい戦いになるところ()()()

「何かしたのか?」


 マルティアがまるでこの状況を打破できるという言い回しだったが、何か昨日の内に仕込んでいたんだろうか?


「はい。こうなることを見越して、いくつかの部隊は人に見つからない場所を移動するよう逐一指示して、出来る限りダンジョンから離れた場所に移動させてありますので、それら全てを自警団で駆逐するのは難しいはずです」

「そこまでしていたのか」


 サポート妖精の本領発揮というか、あれだな。


「マルティアって優秀だったんだな」

「今更!?」

「だって今までそんな姿ほとんど見た事なかったし」

「マスターがあなたでなければ、優秀なところを見せられたんですよ! [ガチャ]に傾倒しすぎるせいで、サポートのし甲斐が無さすぎたんです!」


 それはそう。

 まあ反省もしなければ今後も行動を改めることはないので、マルティアが活躍できるのは、これからもこういった機会にしかないだろうが。


「それよりもマスターの方はどうするんですか? 確かオフィス街のある会社のパソコンに被害を与えていたところでしたよね」

「今は違うがな。粗方被害を与えたから移動中だ。

 スライムだから狭い所を通って移動できるお陰で、自警団が警戒している穴をついて行動出来るし」

「スライム増やしておいて良かったですね」

「まったくだな」


 単純に〝魔物発生陣〟の数がスライムが一番少なかったから増やしてただけなんだが、まさかそれが功を奏すとは思わなかった。


「昨日休日だったお陰で、オフィスビルに侵入したスライム達は気づかれていないし、このまま色々なところを荒らしていこうと思うが、そっちはどうする?」

「そうですね。それでは避難所でも襲いますか」

「鬼畜だな」

「人間とは敵対関係、とまでは言いませんが、少なくとも互いに食い合うような関係なのに、何言ってるんですか」


 俺らの場合は利用し合う関係と言ってもいいと思うんだが、それは今議論することじゃないか。


「まあそれはともかく、そんな場所襲って大丈夫か?」

「何故ですか? 人も多くて、物資もそれなりにありそうですけど」

「いや、ジョブ持ちが間違いなくボディーガードとして数人待機してるだろうし、避難所にいる奴らだと率先して戦おうとしない奴も多くないだろうから、魔物の犠牲の割に得点がそこまで稼げないんじゃないかと思ってな」

「そうですか? 確かにマスターの懸念ももっともですが、少なくとも避難所に魔物をけしかけてパニックを起こさせるだけでも、人間に危害を加えたと言えるでしょうから、1人1点得られると考えれば、それなりに得点は得られそうですけど?」

「それは……そうか。いや、でも、何とも言えないな。

 具体的な得点が分かれば、得点を稼げるかどうかの判断もつくんだがな」


 これからマルティアがやろうとしてることが、1人1点ではなく、その出来事を受けた全体で1点だとしたら、骨折り損もいいところだ。


「なんで常に得点が分かる形式じゃないんですかね。〖判定外行動ボーナス〗とか、何をしたら特別に得点が得られるのかさっぱり分かりませんよ」

「一応ヒントは書いてあったけどな」


 人間に率先してダンジョンに挑ませるように仕向ける行動が、このボーナスで得点を得られる要素になるんだろうが、具体的に何をすればいいかは不明なのだから、率先して狙うのは難しいところだ。


「分からないことは気にしてもしょうがないですね。

 とりあえず出来ることをやっていかないと」

「確かにそうだな。スライム以外は任せている以上、こっちが無駄に口出しするのもおかしな話だし」

「いえいえ。意見を言っていただける方が、より得点を稼ぐための効率のいい方法が思い浮かぶかもしれません。それだけでなく話を聞く事で効率の悪い作業をしなくて済むかもしれませんから、意見は大切ですよ」

「そうか。ならマルティアも、俺の方で何か言いたいことがあったらすぐに言ってくれ」

「了解しました!」


 コミュニケーションは大事ってことだな。

 こうして俺達は2日目もつつがなく得点を稼ぐための行動を行っていった。


 ……マルティア、昨日は徹夜だったはずなのに、今日も事細かく指示してるが、まさか二徹する気か?


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マルティア「ここで…ここで活躍しなきゃ下手すると最終話まで活躍できない…!」
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