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第八話 ヤキモチ

「珍しい人だと思うけど、蒔菜は真面目な人だ」


「むうう! さっきから惚気けてばかりじゃない……!

 嫌がらせをしているつもり?」


「そうではない。事実を述べたまでだ」


 悪い噂が立ったら、この村に住んでいられなくなるっと聖さんが言っていた。


 牡丹さんは村長の孫だからこれ以上怒らせていけない。



「あの……。よかったら、一緒にご飯を食べませんか?

 採れたての山菜がいっぱいあるんですよ」


 今の自分にできることを勇気を出してやってみる。


 すると、牡丹さんが目を見開いた。……まるで、冷静さを取り戻すように。



「あたしがあなたたちとご飯を……――」


 しかし、すぐにまた不機嫌そうな顔をする。


「帰るわ。……余所からきた女と一緒に食事をしたくないし。

 あと、この事をパパに言うから。

 次の引っ越し先を考えておくことね」


「えっ……!? ちょっと待ってください……!」


 牡丹さんはすぐに車に乗って、庭から出て行った。


 どうしよう……。村長に嫌われてしまったら村から追い出されてしまう。




 牡丹さんが帰ったあと、ふたりでご飯を作ってちゃぶ台に料理を運ぶ。


 たけのこの炊き込みご飯、わらびのおひたし、肉じゃが、きゃべつとにんじんと油揚げの味噌汁。


 肉じゃがは、昨晩作ったものだからしっかりと味が染みていることだろう。


 食欲を唆るいい匂いがしているけど、箸を持つことができなかった。


「元気がないな」


「さっきの牡丹さんの話が気になって……」


「嫌な思いをさせてしまってごめん」


「私はここにいられなくなるんですかね?」



「村長に牡丹さんと結婚しないと言ったことがある。

 その時に納得してくれていたから、今更怒ったりしないだろ。

 だから、蒔菜は気にせず過ごせばいい」


「でも、牡丹さんを怒らせてしまいました」


「ヤキモチを焼いてるだけなんじゃないか」


「聖さんのことが好きだから、嫉妬してるってことですよね……?」

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