農作業と龍の鉱山
「さて、魔石で研究でもしますか、ちょうど上級魔核手に入ったし、アハトはその間、この子を頼んだぞ、一応守護の護符をはってはいるがな、じゃあ、地下に行く、必要な時は絶対に呼んでくれ」
僕は地下一階にある研究室に籠もった、後に知るがこの時から1日後にヴィクティスは目を覚ましたらしい、僕は研究室に約三週間研究に没頭していた、そんな時
『マスター、そろそろ外の様子を見たほうがいいかと』
「ソル?、ちょっと待って、あとちょっとで」
『いえ、まあ、マスターがそれで良いのであれば何も言いませんが、まず見てみては如何でしょう』
「わかったよ」
区切りは悪いが、そのまま上へ行くと
『あっ、マスター、元気そうで何よりです』
「・・・ヴィクティスは?」
「おはようございます、マスターさん」
「ああ、あの服か、よく似合っていて可愛いよ」
「あ、ありがとうございます」
「それでこれからどうするか決めた?」
「えっと、はい、私はマスターさんに付き添うことにしました」
「えっ?、自分は何もしていないけど、それより外の世界を見なくていいの?」
「はい、マスターさんの隣が一番安全かなと、ダメですか?」
僕は首の後ろに手を回しながら
「まあ、君がそう決めたのであれば僕はそれをサポートするだけだよ」
「あの、頭を撫でてもらってもいいですか?」
「うん、いいよ」
照れているヴィクティスの頭を手で優しく撫でた、嬉しそうにしているヴィクティスを見て笑みを浮かべた
「ありがとうございます」
「いや、大した事はしてないよ、少し僕は外すよ」
「どこに行くんですか?」
「裏の畑」
「裏に畑があるんですか」
「うん、あるよ小規模だけど」
着いてきたヴィクティスはその一面に育っている畑に驚いていた
「これ、一人で全部取れるんですか」
「うん、結構早く終わるよ」
僕は両手に魔術陣を展開して、右手では収穫がさせ、収穫された作物を左手で自分の隣に並べられて行った、その光景を笑顔で楽しむヴィクティス
「はい、今日の収穫は終わった」
「凄いです、魔法のようです」
「まほう?」
「いえ、なんでもないです」
「そう?、この作物を保存してくるから、家に入ってていいよ」
「わかりました」
ヴィクティスの言ったまほうというものを知らないが、先の通りただ自分が知らないだけなのだろうと、思っていた、けれど、その例えの本来の意味は違うのだと後に気づかされる
「さて、魔石の試しをしたいが、出来ないな、もったいないし、あっ、そろそろ、あの時期だった」
僕は家の最奥にある物置に向かった、そこで松明をもって、出かけようとすると
「今度はどこに行くんですか?」
「近くの鉱山だよ、そろそろミストクリスタルドラゴンの繁殖期なんだ」
「ドラゴンの繁殖時期に松明をもって鉱山ですか、私もついて行ってもいいですか?」
「えっ、うーん、そうだね、危険だよ、古龍級の龍がたくさんいる鉱山だから、それに繁殖期はドラゴンが最も警戒し凶暴になる時期でもある」
「あなたは大丈夫なんですか?」
「うん、まあ、慣れているからね、それに最近はなぜか戦闘続きだったし、たまには息抜きも必要だからね」
「自分の身は自分で守りますから、着いて行ってもいいですか」
「どうしてそこまでいきたいの?、さっきも言った通り危険だし、それほど面白くも綺麗でも素敵でもないところだよ」
「えっと、あなたがしていることを見ていたいなと」
「?、わかったよ、まあ、女の子を一人ここに置いておくのは心臓に悪いし、女の子一人に自衛を求めるのは酷だからね、一応魔術を重ね掛けしておくけど、あまり、いや嫌な予感するから、歩幅三つ以上は外に行けないよう魔術をかけるよ」
合否を聞かずにヴィクティスの額に魔術紋を刻む
「わかりました、それで鉱山はどこですか」
「ここからは北の方角、つまり家を出て右方向にある山を超えた先に鉱山はあるよ」
「持っていくものはそれだけなんですか」
「うん、魔術の無駄だしね、常時つけるライトは燃費も悪いから、危険な時魔術が使えなくなってたらいやだし、ちなみに山を登る用の道具はここにはないので、普通通り行くよ、ただ足元が悪いから気をつけてね」
「はい、わかりました、気をつけて歩きます」
「アハトはヴィクティスの後ろから警戒しつつ着いてきて、魔獣を見つけた場合は報告して、群れだった場合は見つかる前に見つけてすぐに全滅できるのが理想かな、ほとんど無理だから大人しく進むよ」
「ここ周辺で、エンシェントウルフが群を率いて行動している、その群がここ一帯百以上ある、エンシェントウルフは基本的に己の速さと数の連携を生かして戦うから遭遇すると面倒くさい」
「なるほど、エンシェントウルフの群れ同士で争う事はないんですか?」
「そうだね、飢餓が進行していなかったら争わない、進行していたらここら一帯一面が血の海になるね」
「飢餓ですか」
「うん、飢餓というのは、エンシェントウルフの亜種個体固有能力の一つで、その能力は他のエンシェントウルフにも分け与えることができて、能力の効果は同族を捕食することで、固有能力値を全体的に強化して並の人間では勝てず、国が二つほど滅ぶことがある、まあ、実際エンシェントウルフ亜種一体に国一つ滅んだしね」
「一体ですか、戦うのは厳しいですね」
「そうでもないけど、戦わないに越した事はないからね、とはいえ最低一回は戦うことにはなるけど」
「どうしてですか?このまま行けば問題ないように思うんですが」
「ここら一帯にはエンシェントウルフがいることは言ったよね、エンシェントウルフには縄張りみたいなものがあって、ここも一応エンシェントウルフの縄張りなんだけど、周辺のエンシェントウルフより格段に強いやつの縄張りだから、今歩いている場所は安全なんだ、命をかけるほどではないからね」
「ここの縄張りのエンシェントウルフとは遭遇しないんですか?」
「いや、遭遇するよ」
「えっ、それこそ死にませんか」
「死ぬよ、ここ周辺で片手に入るほど強いエンシェントウルフなんだから、走っても死ぬし、魔術でも死ぬ、物理は当たらない実体分身という能力も保有している、体内の魔力も本体と同様に存在し、本体との見分けは大凡つくものではなく、本体が死亡しても魔力供給を止めても一定時間は行動出来るから、本体を倒したからと油断できないのがここを縄張り下に置くエンシェントウルフの力の一部の情報だよ、まあ余程の事がない限り動かないけど」
「なるほど、その余程事というのは例として何ですか?」
「そうだね、自身の手下のエンシェントウルフが大量死を起こすとか、数百匹のエンシェントウルフが縄張りに踏み入るとかだよ、最近一度後者の方が起きてエンシェントウルフの長が直々に原因を殺しに行っていたね」
「あの」
「ちょっと静かに」
僕は後尾の二人の足を止めるよう合図し、木影に隠れて様子を伺った
「どうしたんですか?」
ヴィクティスは小声で僕に問いかけると、僕は小さく見ている方向を教えると、目視で二十匹のエンシェントウルフは群れで辺りを周っていた、様子を見る限りここら一帯を縄張りとしているようには見えず、探査といった行動をしていた、エンシェントウルフは魔獣の一種ではあるが、知恵はある、足跡があれば警戒するし、大きな音が鳴れば軍をとり、視察する、この縄張りを我がものとするつもりか、それとも怨でもあるのか、まあ、そのへんはわからないね、ともかく静かにやり過ごしたい
前のエンシェントウルフの群を見ていると、少し違和感を感じる、それは




