お話合いってか?
へい!いらしゃい!
昼下がりの屯所。
本日の天気は晴天也!が、これから、ギルドでは暗雲立ち込める事だろう!
「隊長。来ました。早速行きましょうか!」
「お願いしますぅ!隊長!」
「おう。…早いな…準備はできてるが…行くか…ふぅ。」
「うん?スルガ隊長あまり乗り気じゃないんですか?それじゃぁニコが浮かばれませんて」
「いや、全く。頼みますよ隊長!張り切ってもらわないと!」
「旦那のわきでピンピンしてるじゃねぇか!」
ごもっとも。
「隊長!連れてきました!」
うん?確か、北門の…
「おう、ムサ。正直に答えれば減刑もある。ただし…調書を蔑ろにするようならぁ…なぁ」
「は、はい!少しでも軽くなるように努めます!」
はぁ?減刑なんてねぇよ。衛兵式の敬礼なんぞしやがって!今は罪人だろ!タコ。死ぬか?
「仕事、それくらい真剣にやってくれてれば良かったんだけどねぇ」
「…くっ」
「旦那の言う通りだ、さて行く前に詫びいれろや!」
「わ、詫び?ですかい?…に、ニコ?ま、まさか!」
「へっへっへ~ムサさん、お初です。そう、貴方に死んだ事にされた哀れな冒険者です。」
「ああ、あ、生きて…」
「ホントに死に掛けていたんで。それは、それは、高価な神薬をバカバカ使ってもらって帰ってくることができました。で、おいらは文無しです…意味解りますぅ~?」
「ニコの言う通り、私はガッツリ請求しますよ~。瀕死から、ほら、完全回復!どれだけの薬か…さて、ムサさんだっけ?あなたのすることは一つ!そう、分母を増やすことですよ…」
「ぶ…分母?って?」
「そう、父ちゃんの言う通り、今のままでは貴方”だけ”なんですよー。認めてる方は。この値段だと…」
トンと首に手を当てる。ニコ。おいらも付き合おうか。”とん!”と。
「ひ!ひぃい!た、隊長!」
「…ふぅ」
「貴方を巻き込んだパーティとギルドに良いようにされていいのですかぁ?…一人で罪をかぶって…手も出してない…書類弄っただけなのに…トン。かぁ。」
「そうそう。おいらだってムサさん知らないし?斬ったのは、”癒しの手”のヤザンさ。ムカつくのも!ギルドも偽装したっていうし。」
「私個人としても、組織の方が責任が重いかと…」
「そうそう。どんどん話して分母増やしましょう。ねぇ。」
「お、おれは…あいつら!た、助けてやったのに!協力したのに!」
「「そうそう」」ふふふ。
「旦那…ニコお前…」
「嘘は何一つ言ってませんが?」
「ねぇ。父ちゃん!」
「諦めろ、スルガさん。なにせ、おっさん、怒ってるし。」
当たり前田のクラッカーだ!ギルドごと潰してやりたいくらいだわ!
「…やれやれ…じゃぁギルド行くか。」
「毎度~話し合いに来ました。」
ギルド職員、受付嬢、この場に居合わせた冒険者たちが、一斉にこちらを向く。
因縁の地!再び!さて!どんな言い訳を聞かせてくれうかなぁ。
「南門のスルガだ!本日、長と”癒しの手””ナーナの盾”で、傷害事件の件での取り調べだ。伝令は出してある。早急に呼んでこい!場は、そうだな、隣の酒場でおこなう。人数分の茶を。」
「よ!、スルガ殿、久しぶりだね。どうしたんだい。そんな剣幕で。」
はぁ?尻に槍ぶっこんでやろうか?
「ロラン、お前…ふざけてんのか?旦那落ち着いてくれ」
「ん?あなたは確か…そうそう。貴殿のおかげでギルド内の不正がだいぶ処理できたよ!副ギルド長も今頃は”トン!”だ。感謝してるよ。腕も立つようだし、どう?うちにこない?」
…はぁ?話が見えないぞ?
「はぁ、感謝も何も…おいら達がここに来た理由…解ってます?」
「だな。あまりふざけてっと、お前でもしょっぴくぞ!」
「?…なにやら冒険者のいざこざとか?もう処理も終わってるし問題ない。って聞いてるけど?…ロッテ!奴を連れてこい!…口座凍結!」
「はッ!」
「ひ、昼から見ません…」
「ロラン、この街からは出られんはずだ。」
「すまん、スルガ。先日の不正の件で、昨日帰ってきたんだよ。何やらまた…ここの職員は…なってないなぁ~。多くの同僚が処分されたばかりっていうのに…」
「腐ったんでしょ?1~2年以上の職員は解雇ですね~治りませんて。もう。新人さんならまだしも。」睨んだったって、ねぇ。
「では、会談を始めたいの…だけど?冒険者のパーティーの皆さんは?」
「俺が、”ナーナの盾”のリーダー。シーンバだ。」
「で、本命さんは?…来てないの?つくづく屑ですね~隊長?」
「ああ、行政を舐め腐ってんな!ここに宣言す!私は領主より警備委任を受けてる。これは領主への反逆、ひいてはノリナの法に唾棄するもの!拘束後、不敬罪で斬首だ!」
「そこで安心してるあなた達、安心しないでね。ほら、こんなお粗末な偽証、作っちゃうと信用無くなっちゃうよ?当事者の”証人”も話す気まんまんだし。」
「ほう?視ても。」
「ええ。お粗末で笑ってしまいますよ。」
「…」
職員の連中…もう手遅れだよ。
「このニコという冒険者を呼べ!早急に!」
「…」
「ん?どうしたのだ?」
受付、職員の視線が一点に。
「は~い!」
「ん?君。は?」
「おいら、ニコっていいます。それ僕のだそうですよ?」
「な!お、お前たち…緊急事態発動!ギルド封鎖。この街でのカード、権限停止。金庫。倉庫。書庫のカギをこれへ!」
「「「はいい!」」」
バタバタと駆けまわる職員。冒険者は頭に?を付けたまま茫然と。ま、無理ないわな
「さて、ギルド長、話を進めても?私はこの子の保護者のミッツです。」
「すまない…頭痛が…ちょっと時間が欲しい…1時間くれないか…食堂で飲み食いしててくれ。酒はダメだけどな…コック長、すまん頼む。会計はギルドへ…」
「おお!父ちゃん食うぞ!」
「ああ、雹兄と一緒にいろよ。」
「うん、雹兄いこうぜ~食い放題だ!」…
「可笑しいと思ったんだよなぁ~あいつにしてはトロすぎると思ったんだ。裏で命令降してる可能性もあったが…杜撰すぎるわ。」
「親しいので?」
「ああ、幼馴染ってやつさ。出世頭だな。王都のギルドに引っ張っられたんだが…」
「内偵…」
「ん?」
「ほら、さっき腐敗がどうのと。」
「なるほどね。その報告に行ってる間に表面化ってことか。」
「ええ、あとは、旧態依然、組織で隠蔽してたのかもしれませんね。」
「スマンが…私はシーンバ、”ナーナの盾”のリーダーを務めてる。以後、お見知りおきを。」
「衛兵隊隊長スルガだ。こちらが被害者のオヤジのミッツだ」
「…よろしく」
「まず聞きたいのだが…なぜ私が呼ばれたのだろうか?」
「はぁ、あんた死んで 「旦那まって、話を」 「おっさん、待てって」 はぁ!死んでたかも」
「話を聞いて欲しい。いや聞かせてほしいのだが…」
「…どうぞ。」ちっ!
「あの日、確かにうちのメンバーと”癒しの手”のメンバーが揉めたのは事実だ。些細な因縁でな。だが話がついて何もなく終わったのだが。血の一滴も流れていない。
…そこの受付嬢は知ってると思うが?そこのも、そこの職員も証言はできると思うが…?」
「?」
なに…
「そこの受付嬢、こちらへ、名前は?、俺の前で嘘つきやがったら…わかるな?スルガが問う!何があったのだ!答えよ!」
「…」
「正式な調書だ。答えよ」
「…はい。シーンバ様の言う通り、何も起こりませんでした。い、言い合い…口論だけで…その後、ニコ君が薬瓶の回収に現れて…」
「それで?」
「おいらも良く判らないんだよなぁ~ヤザンが叫んで…どうなったか、めちゃ痛くてさ、寒くてさ、寂しくて…」
後ろから抱き上げて膝に乗せる。日向の臭いだ。癒される。
「もう大丈夫さ。ニコ。悪いね。つづきどうぞ?」
「…」
「君が証言しなくても代わりはいる。拘束を」
「待ってください!言います!言いますから!…ヤザン様が…いきなり後ろから…」
「で?」
後ろからいきなり?
「ひ!ひぃいぃ」
「早くほら。聞かせてほしいな!早く。ハリー、ハリー!」
「旦那!」
「ひぃぃい、助けて…助けて…」
「ここにいるやつらは皆、許さない… 「父ちゃん、そのねーちゃん良くしてくれてたんだ…ご飯くれたり、お菓子くれたり…だからさぁ。ね。」 …でも、ニコを見捨てたんだろう。…死ねばいいのに。さぁ、どうぞ。」
ニコを抱きしめる。
「…旦那、…使い物にならんな。そこの、そう。お前だ。名を言って、こっちにこい!名に誓い証言せよ!」
「私は何も知りません…」
「拘束せよ。轡もせよ。反逆罪だ!あとで公開処刑だ!」
「ひぃ!い、言います!」
「いらん!次、そこの、ああ、お前だ。名に誓い証言せよ!」
「た、たすけ”ごぐぅう”っぶほ」
スルガ隊長の右フック一閃!
「舐めてんのか!貴様ら!さっさと拘束し、隅に転がせておけ!次!さぁ証言せよ!」
「…はい。リサの言う通りです。いきなり斬りつけました。背後から。怒声を発しながら…剣で…ひぃ。」
「ただの、立派な殺人未遂じゃないの。いや、一回死んだ。生き返ったと言っていい…お嬢さん?エリクサーって知ってる?」
「?ええ、し、神薬です…」
「この子に使ったから、ここの職員頭割りで請求するから…。お前ら!払えよ!」
「ひいぃ」
「そんな…」
「そんなもの払うか!」
「良いよそれでも…代わりに命もらうわ。いや、同じ目にあわせるわ。誰かが神薬使ってくれることを祈るよ。」
「ふ、ふざけ 「”鑑定”!そう?ククギっていうんだ。覚えたよ。スルガさんいるから。ここじゃね。…街でも気をつけてねぇ~街外に出たら願ったりだ。」 …え?」
「か、”鑑定”…」
「そうだよ。”鑑定”。君は、ラクト?そう。子供もまだ小さいんだね。父ちゃん奴隷落ちしたら大変だ…ね。」
「あ…あああ…」
「で、なんで隠蔽という流れに?それが理解できないんだよね。」
「…簡単です…ヤザン様は領主様の甥です。今は領主様の所にいるかと。ロッテ代行以下、ヤザン様の指示で行いました。翌日にはヤザン様の母上、領主様の妹君のマドリーノ様から、ヤザン様の在席事実の消去、”癒しの手”のメンバーの拘束の指示がありました。私たちにも緘口令が出ました…」
「ロランが帰ってくればわかるだろうに…」
「…ニコ君が亡くなっていたら…何とでも…ひいぃ…すいません、すいません。」
「領主かぁ、ふふふ」
「トワ…止めてくれ旦那が…?」
「おっさん、内側の城塞、まるっと結界で覆うから…消毒だな。」
「ああ、めんどくせー貴族もろとも焼却だな。害虫は消毒だ。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!領主殿はそんな愚鈍ではない!話をさせてくれ!ロランとすり合わせて、明日中に報告。返事をもらってくる。
伝令!領主に明日の面接の手配をコード黒。行け!旦那!明日一日待ってくれ。」
「ええ!スルガ隊長冗談ですよ。冗談。本気にした?おいら達にそんな力ある訳ないじゃん!なぁ、トワ君」
「そうですよ~隊長。ちょっと、頭に来ただけだって。なぁ!おっさん!」
「…知っている。」
「なら心配しなさんな。」
「いや、知ってるのは…裏事情のほうだ…」
「ふぅ~ん。そうなんだ。」
「もちろん領主も知ってる。そこも勘案して時間をくれ。」
「もちろんいいですよ。隊長の頼みです。引きましょう。簡単な話でしたね…思った以上に。」
「…俺は胃が痛いよ…一応警戒はしておくが…門では捕まらんだろうなぁ。」
「一応、いっておきますねぇ。エリクサーっておいくら?ここのギルド支部に請求します。免除は勤続2年以下の非責任者。その方々には求めません。無理に徴収された場合は一報ください。その方々の分も慰謝料含めてキッチリ回収させていただきますから。」
「そ、そんな…」
「そんな金…」「あ、ああ…」
「まぁ、奴隷落ちでもなんでもしてください。罪人さん。領主さんに相談してもいいですよ。」
「旦那…」
「ふん。いい気味だ。介錯位してやるぞ?」
「トワ…」
「組織全体で…こんな子供を…。本来なら守って当然だろう?お貴族?ふん。まんまダニだな。不敬罪?結構。拘束でもなんでもすればいいよ。ただし…俺たちは従わないがね。」
「トワ君の言う通り。組織で潰そうなんざ…許せるものか。ちゃんと報いは受けてもらうぞ。じゃぁ、明日で良いのかな?おいら達は帰るか。ロランさんだっけ?よろしくお伝えください。お~い!雹!ニコ!帰るぞぉ~」
…返事待ち。どのような回答があるのか…楽しみだな。
まいど!また寄ってよ!お客さん!




