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診療所が越してきた。

いらっしゃいませ~

 雹の恩返し…そんな軽い気持ちで街に出たのだが…話はどんどん大事に。

 とりあえず、今夜、メアリー先生とトンズラする約束をし、準備のために家に戻る。…まぁ。飢えたお子ちゃまのご飯のためだな。

 次、旦那のブラウンさん。例の指輪の証拠もある。奴隷商、教会がグルになってたんだろう。スルガさんに相談だな。きっといい方向に行くだろう。下らん策を用いやがって。

 後は二人…未だ目を覚まさない子供達だ。貴族と、冒険者ギルドかぁ。教会も併せりゃ、おいらが嫌いなベスト3揃うじゃん。こっちも個別に調査だな。ごねたら同じ目に合せてやってもいいな!

 

 おっと、怒りはここ迄。飯が不味くなる。料理は気持ちが大事だよね。

 レッツ!食事の準備。っても肉をスライスするだけ。なにせ、今日は家焼肉だ。味付けは塩コショウのみ!野菜も適当にスライス。

 で、後は、焼く!とにかく焼く!焼くべし!焼くべし!…片や…食うべし!食うべし!

 焼きあがった端から、どんどん各人の皿に放っていく!

 「キキ!野菜どけるな!食うべし!肉終わりにするぞ!」

 食うべし!焼くべし!

  「うお!父ちゃん!苦!」

 ふっ、肉にピーマンを仕込んでやったぜ!

 食うべし!食うべし!

 かくして壮絶な戦が…。


 燃え尽きたぜぇ。とっっつぁ~ん。

 しかし。ホント食うな。どこに入るんだ?油まみれのお子ちゃまを風呂に入れる…腹いっぱい、そしてぬくぬくのお風呂。

 そう、半落ちしてるから大変だ。

 雹と共にこなす。魔法で良かったな…と後悔。何度目か…さっさとお部屋に担いでいき就寝。

 おおきくなれよ~~~。 ”ぱたん”

 

 「’ここあ’。後よろしく」

  「はい」

 「コア、町区に仮に家を。後、解体予定。ベッドを6台、洗面所、小さいキッチン、風呂、トイレ。平屋可。できる?」 

  ≪…是。それなら5時間もあれば。接続したままで?≫

 「ああ。移動するまで衛生管理は任せる。魔力は?」

  ≪…是、問題無し≫

 「じゃよろしく!」


 「雹、馬車の確認をする。おいで。」

  「はい」

 …庭に馬車を出す。馬具は…っと。

 「軍馬でいいか…」

  「はい。赤兎目立つし。下手すれば地響きも…」

 「だね。この馬車に人を寝せられるか3人?」

  「一応、寝板が二段になってるけど…」

 「行ってから考えるか…」

  「クッション代わりに布団もあるだけ持っていこうよ。」

 「ナイス!アイデア!軍馬、二頭で行き、現地で馬車を出して帰還。この流れで。」

  「了解、馬連れてくるね。」

 「おう…乗れるかな?」

  「だいじょうぶだよ。賢いし。」

 「故に舐められるとか…」

  「…心配しないでよ。連れてくるね」

 呆れられてしまった。ビビりの父ちゃんでごめん!

 時間があるのでしばし練習…ふむふむ。大分慣れてきた。賢い子やぁ~…乗馬がこんなに楽しい物だったとは。前世界、損してたな…てか、経済力追いつかんわ。趣味にしてはお高い部類だろう。ん?

 「あれ、街中乗れないじゃん?馬。」

 そうなのだ。街中は下馬…

  「あ!」

 お間抜けな親子でした…ちゃんちゃん。まぁ、無駄にはならんがな。

 

 

 「こんばんは。ミッツです。」

 小声で扉に話しかける。夜逃げだし?違うか。

 「こんばんは。お待ちしてました」

 中に入る。雹は馬番だ。

 「お願いします」

 「どうです?持っていくものは?」

 「この箱と…この机良いでしょうか?」

 「大丈夫ですよ。あとは…ほい。ほいっと。」

 指定された物を”収納”に

 「本当の”収納”なのですね…”勇者”様」

 と手をあわせる先生…。

 「知り合いにいますが、私は違いますよ?商人です。ほんとに。」「…」

 「まぁ、そんなことは放っておいて。あとは?」

  「この調合台も大丈夫ですか?」

 「遠慮せずに」

 …あらかた収納した。すっからかんのボロ屋のみ。

 外に出て馬車を出す。

  「…」

 目が点だなぁ…先生。わからんでもないけど…。

 

 「中を確認してください。患者3人寝させられますか?」

  「マーレが目を覚ましたんです。事情は説明済み。納得してます。私も歩きますので。大丈夫です。”勇者”様」

 「いえ、先生には乗ってみてもらわないと…それに…言葉も普通に。その子は御者台でも大丈夫かな?」

  「うん」

 「よし、布団を出して…。一人ずつ。雹、馬繋いでいいよ。」

  「はい」

 患者の子供をゆっくり抱き抱えて運ぶ。

  「初めまして」

 「こちらこそマーレさん。お加減は?」

  「ほぼ本調子です。あとは寝込んでいたので、体力が回復すれば…」

 「座るのは問題ないと?」

  「はい」

 「じゃ、この子たちをお願いします。」

  「はい」…


 「出発します。」

  「はい、お願いします」

 するすると馬車は動き出す…闇に溶けるように。軍馬大きいけど、走るのも静か。それに鳴かない。良く訓練されてる。あっという間に自宅に到着した。

 

 門を潜りそのまま転移門に馬車ごと進み町区にでる。

 仮設の診療所に横付けする。

 「さぁ、着きました。今、ここに人は居ませんが安心して寛いでください。’ちょこ’。この者に足りないものがあればご相談を。’ちょこ’、ここは頼むよ」

  「是…」

  「この方が”家妖精”様ですか?」

 「はい。もっと小さいのが沢山いますが…見て見ぬふりをしてあげてください。」

  「はぁ?」

 「なんか隠れてコソコソするのが好きだそうです。ではこちらへ。」…


 「仮設ですが必要なものはあると思います。こちらのベッドに寝かせましょう。」

 雹と二人で降ろす。

 「雹は馬をよろしく。終われば寝てくれ。夜食は適当に」

  「はい。では、おやすみなさい」

 頼りになる息子の背を見送る。

 「さあ、こちらにとりあえず荷物をだしますね。食事はとられましたか?」

  「はい。」

 「では、果物置いときます。ご自由に。」

 テーブルの上に、リンゴやら柑橘の入った籠を出す。

  「お、おじちゃん。これ食べていいの。」

 「うん。好きなだけお食べ。まだあるからね」

  「うん。」

 「先生たちもどうぞ。お風呂も入れます。ゆっくりお休みください。今日はもう遅い。明日にでも打ち合わせしましょう。朝食はお持ちしますね。では」

 ぽかんとした先生をスルーして馬車を収納。布団を再び入り口付近に積んで母屋にかえる。

 図らずも、孤児院大脱出の予行演習になったな。明日も忙しいぞ。おいらも寝るべ。

 

 …。


 朝です。早速、朝食を作りだす。そろそろお子ちゃまも起きるだろう。朝練後の食事なので雹に温めさせればいいな。ベーコンくらい焼けるだろう。

 ちょっと早いが、周りに誰もいない街区、先生たちはさぞ不安だろう。

 「’ちょこ’。先生たちは起きてる?」

  「是。」

 「5分後行くと伝えておいて」

  「是」

 よし。パンはあるな。果物、野菜スープ、お子ちゃまの分もおっけ~。本当にビルックには頭が下がる。給食のお兄ちゃん改め、寮母さんだな。

 

 転移門を抜け。地下2階へ。診療所の扉をノックする。

 「おはようございます。ミッツです。」

  「「おはようございます」」

 中に入る。テーブルに皿を並べながら、

 「昨日は眠れましたか?静かすぎたでしょう?」

  「ええ。久しぶりに寝てしまいました。’ちょこ’様が患者を診ていてくれましたので。朝まで、ぐっすりでした。」

  「私も毒で眠りが浅かったのか、昨日は体が休まりました。」

 「それは良かった。お嬢ちゃんも寝られた?」

  「うん。」

 バスケットに入ったパンを出す。野菜スープの入った鍋。ベーコンを出す。

 「さあ、お腹も減ったでしょう?どうぞ。そうそう。お肉平気ですか?家には肉食系の子しかいませんので…」

 「何から、何までお世話になります。私たちも肉食べますよ。大丈夫です。」

  「いただきます。」

 リンゴモドキを剥いて兎っ子の近くに置く。無論、兎カットだ。

 「今日、ブラウンさんの所に行こうと思ってます。」

 「!!!」

 驚く先生とご婦人。

 「とにかく情報が欲しいので行ってきます。マーレさんこの指輪は?」

  「お、お願いします…うちの人を…」

 「ほら、マーレ。ちゃんと話さないとミッツ様もわからないよ!」

  「は、はい、さ、最初の診療所で。回復作用があるので付けておくようにと。」

 「そうですか。その診療所はどこに?担当は?」

  「教会の三軒門寄りの確か…ナバルさんの診療所だったかしら。」

 「失礼ですが借金額は?」

  「たしか…金貨15枚だったと記憶してます。」

 「わかりました。先生、当分街は出られませんが、必要なものは言ってください。お嬢ちゃんも暇なら上においで。おじさんの子供もいるよ?そのときは、そこにいる’ちょこ’お姉ちゃんに言ってね。では、子供たちの食事の用意がありますので、失礼します。’ちょこ’頼んだよ」

  「是」

 「本当にありがとうございますミッツ様…」

 「先生…普通で…」…

 

 「はいはーい。注目。いま下に兎人族の女の子がいます。まだ慣れてないのでびっくりさせないように。また、メアリーさんという診療所の先生もいます。怪我で動けない子もいるので静かにすること。わかりましたかぁ~。行くときは’ここあ’お姉ちゃんにお願いしてね。ではいただきます」

  {いただきまーす}

 幼稚園の先生気分だ。お子ちゃま達は食休み後はお勉強だ。

 「雹はどうする?」

  「もちろん行くよ。僕の問題だしね。」なでり。

 「良く言った!情報収集だ。屯所に行くぞ。隊長いるといいな。」

  「そうだね。」

 のんびりしたいところだが、もうひと踏ん張りだ!





本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店お待ちしております

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