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第一回家族会議

新しい時代、令和…どんな時代になるのでしょうね。

 「昨日はすまなんだ!今日は寝ないように努力する。」

 一応、昨日の非礼を詫びる。だって仕方ないじゃん?オッサンだしぃ。疲れるしぃ。回復力も衰えて…。

 で、改めての”報告会”の場が持たれたわけだ。トワ君から聞けばよかろうに…

 参加者は、おいら、トワ君、セツナっち、コア。’ちょこ’達はコアと知識の共有ができるそうなので居ない。もう寝てるそうだ。羨ましい限りである。

 

 んじゃ、始めっか。

 「最初に、面白い話じゃないことからな。今回の依頼で獣人への差別を沢山見てきたよ。極め付きは聖王国が主体とし小国の王族が関わる獣人の子供のへの…」

 …言葉に詰まる。ふぅ…

 「やつらは人間じゃねぇ。やっぱり消し去るべきだ!」

 拳を握るトワ君。

 「落ち着け。それは解る。が力がないんだよ。そりゃ個としては強いよ。でも、神が言ったように人族根絶なんて無理だよ?今まで関わってきた良き人だっている。皆が皆、人族至上主義とも思えない。それに、聖王国から離れれば離れるほど改善されるというし、帝国も独自路線だと聞く」

 「わかっているさ!でも。」

 「聖王国の王?教皇?殺しても、代わりが生えるだけ。国を消してもこれまた同じ。なにせこの大陸の人族国家の『国教』なんだからね。」

 「…」

 「獣人国が大陸統一!とかなれば話は別さ。ただ、今の立場が逆転するだけだがね。不幸な人族の子供が溢れるだけ。尤も獣王国はこちらには関心がないようだが。自分たちの国で精いっぱいなんだろう。」

 「じゃぁどうすれば…」

 どうもこうも…

 「一番手っ取り早いのは国を作る。次に、革命で国を切り取る。まぁ、ガッツリ狙われるだろうけど。神様にお願いして降臨していただく…は無理だな。あのノリじゃ。喜々として天罰落としまくるなぁ。たぶん。」 

  

  <ご名答!> 

 

 「…ほらな。あとはこっそりと。例えば、ここを獣人のコミュニティーにする。本来なら山奥とかだろうけど…都合がいい。何せ力がない。これが現実。」

 そう、完全に独立した国を作り、極力関わらない…という方法だ。消極的?そう言われたって仕方ない。なにせ、宗教が絡むとね…地球でも古代から実証済みだ。現代に至ってもなお。

 「…解かってるさ、でも!」

 「あ、あんたたち!サラっと流してるけど…さ、さっきのが?」

 おっと!セツナっちは初めてだったな。

 「たぶん神様。覗いてたんだろう。今日も退屈を楽しまれてるのだろうさ。」

 「それじゃ。」

 「トワ君。それじゃ豚と変わらんぞ~身の破滅だ」

 「…」

 「そこまで言うなら、手は一つ!トワ君にしかできない策だ!

 やっぱ、あの姫様のとこにトワ君が嫁ぐ!で、兄弟姉妹を退け王位に就く。そこから構造改革!トワ君の子供の時分にはちょっとは良くなるさ。」

 「…」

 そんなにイヤな顔すんなよ。

 「それくらい苦じゃなかろうて。確実だぞ?」

 「トワ。それだけ根が深いって事よ…どうしたのトワらしくない。」

 …仕方いよなぁ。

 「まぁ、しょうがないさ。この国の王兄含めて、”人食い”だ。」

 「へ?」

 おいらの瞳を覗き込むセツナっち。言葉の真の意味を探ろうと。

 「…どういう意味?おじさま?」

 「落ち着いて…というのは無理だろうが、あえて言う。落ち着いて聞いてくれ。そのままの意味だ。そいつら儀式と称して獣人の子…いや、エルフやら、同族の子でさえも、虐待して、殺して、喰うんだよ。」

 セツナっちの勇者の波動が部屋全体に放たれる。

 「落ち着いてくれ。キツイ…」

 「何それ…」

 「奴らの言い分だと、人族の優秀な頭脳に獣人の膂力を!ってさ。国を消したとこでそういった狂信者を消さない限り続く…」

 「あの名簿のやつらを皆殺しに…」

 ふぅ…。

 「極く一部だろうさ。あの侯爵も載ってないよ。たぶんね。状況証拠でわかった訳。」

 「そんな…」

 「そもそも、あんな下っ端のアジトにあるわけないって。せいぜい子爵がいいとこだろう。」

 

 それも、下っ端、小間使い程度の。ちょくちょく出入りするから便宜上あったのだろう。盗賊家業の者から見れば”上客”だ。そう考えると、遺品の貴族達も被害者なのかも知れないな。

 当主ではなく…。生贄に献上されたか、偶には”高貴なる血”を味わいたいとか?邪推か?

 

 「結構な数…」

 「そうさ。深いとこは見えないよ。今回はラッキー程度さ。誰も予測すらできない事件、教会の、人族の闇さ。まぁ、慌てなさんな。こっち来て大して経ってないし。

 おいらは先に逝くけど。トワ君も考えが回り、深くなるさ。相談出来る人物も増えるだろう。テクス殿も少しは動くだろ?そうすれば状況も変わってくるかもしれない。その時に考えればいいさ。」

 「おっさん、逝くって…」

 「今じゃないよ。もう50だぞ。トワ君より先なのは変わらんぞ?うちはあんまり長寿じゃないからなぁ。父ちゃん母ちゃんも60台だったし…そう思うと後10年かぁ。

 異世界にも来れたし、子供もいる。そう悪いもんでもないな。」

 「…おっさん」

 「…おじさま。」

 「まぁ、死が身近にある世界だ残り何年てのもナンセンスかぁ」

 「生き残ろう!」

 「ああ、逢ったときからの目標だ。で、事件はこんなとこで良い?」

 「むかつくけど…納得できないけど…。いいわ…おじさまの言う通り打つ手なしね。これからのライフワークじゃないけど常に気にかけていきましょう。」

 

 「では、次の議題。孤児院引っ越し計画。及び、それに伴うダンジョン獣人コミュニティー計画!詳細は…トワ君?」

 「おっさん説明してよ」

 「だめ。言い出しっぺが責任をもって説明を。」

 「おっさんだって…」

 「おっさんは君に頼まれたから補足しただけ。」ほら

 「…」…ったく。

 「トワ君に娘人質にされて、脅迫されたから補足しただけ。」

 「!!!そんなこと…してないだろ!」

 「トワ?」

 「ああ。ファルの名だしたろ。ありゃ、反則だ。補足はしてやる。」

 「!…ごめんなさい。ミツルさん…姉さんもしってるかもだけど、人族の教会のせいで獣人がいると補助金?が0になるそうだ。」

 「はぁ?なにそれ?そこまで?シスター何も言ってなかったけど…」

 まぁ、あのシスターだし?これ以上迷惑は…って思ったのだろう。

 「それで、うちの孤児院に任せたり、最悪、幼い子を”捨てる”って。」

 「はぁ?なにそれ」

 「セツナっち、うちの孤児院、チョイ景気いいだろ?それが妬ましいそうだ。で、行政にもっと補助金を増やせ!さもないと神敵だ!って脅す。

 で、行政の対応としては、獣人のいる孤児院の補助金を0にして、あれだけ貧しいんだからこれ以上の増額は無し!

 としたいようだ。それにしても…短期間で。教会の情報網も侮れんな。」

 「そりゃ、珍しい熊やら、蛇やら、大きな獲物、解体して売ってたんだ…バレるだろ?普通」…

 「…だな。そういえばそうだったわ。肉だけでかなりの金動いたみたいだしな。おばちゃんのヘソクリに。」

 でした。でした。

 「昨日寄ったら、教会の人間が接触してきたよ。人族だから寄付はむこうだろうと。姉貴はない?」

 「私はこんな、姿なりだからね。」

 「スルガさんに聞いたんだけど、寄付してる人を探してるんだって。取り上げようと。」

 「屑ね」

 「ああ。おいら達は手ぶらだからほぼスルーだったよ。見張ってるのは本当だ。隊長曰く、補助金の半分はやつらの懐にはいるようだ。」

 「でしょうね…あそこ、人族の孤児5人くらいしかいないのにシスター10人以上いるわ」

 「それで…俺がみんなに相談なしに、ここの秘密バラしてシスターに引っ越してこいっていったんだ。」

 「…信じられるわけないじゃん。困ってたでしょ?」

 「うん。で、おっさんに説明願ったんだ。その時ファルの名を使った」

 「あんたね~」

 「まぁまぁ。呼ぶことに関してはおいらも考えていたよ。ただ問題が多すぎるだろう。経済活動、人の交流、無いとは言われたが縁談とかね。自由に街にもでられない。秘密を守るのにね。なにより全員のオヤジにはなれない。時期尚早と思ってたよ。」

 「だよね~外出時に誘拐されてここの秘密を聞き出す、最悪奪うための人質にされたり。ここ無くなったら0だもの。籠城すらできなくなるわ。」

 「籠城?」

 「最悪、国が攻めてきても対抗でき得るってことさ。破壊不可能の壁、生活もこの中で完結できる。隔絶された”城”、”世界”といってもいい。水だってある。その気になれば、農業だってできるだろう?」

 「そんなに大事なところだったんだね…」

 「おいら達が生きてる間は鉄壁だ。死後だって魔力を貯めて”守護の強力な魔物”でもおいときゃ問題無いだろうさ。まぁ、普通の人族にここの封印は解けないよ。実績あるしね。

 そういえば、調査こないね~いまさら金貨50枚くらい、いらんけど…」

 「というわけで、六日後の夜に引っ越すことになったんだ。姉さん。」

 「このおバカ。」

 「まぁ、若気のなんとやらだ。聞いたとこだと、普段からあの敷地から”出られない”らしい。差別でね。で、縁組についても0だそうだ。この点は問題ない。で。」

 「ああ、経済面で、ねーさんの事業で雇用が生まれないか?と。革職人を講師に招いたり。もちろん、今まで通り文字や計算を教えて、送りだしたり…できないかとおもって。お願いします。」

 「はぁ。そういう段取りをしてから動くものなのよ?わかった?」

 「…ハイ」

 「それに合わせて、希望者の有無で、鍛冶師の講師や、ここで、農業を任せる人材、その他、大工とか、裁縫とか?手に職を持たせることができれば、ここじゃなくても、帝都やら、獣王国でも暮らせるだろう?」

 「そういったコミュニティね。」

 「ワンフロアを”町”にしてもいいと思ってる。」

 「なるほど。面白そうね。マシューも強制参加で動かそう。」

 「おいおい。お手柔らかに。で、現在の獣人たちの暮らしとか、城外集落なんかを観に行こうとおもってる。」

 「私も気にかけとくわ。職人で迫害されてるのがいたら住まわせてもいいものね。」

 「それでコア。もうワンフロア作れる?町のようにしたいのだが…」

  《…是…魔力次第で。ただし、維持魔力が増大します。減らす努力としては構造物をダンジョンと切り離すこと。維持管理に関わらなければその分減少できます。》

 「掃除、修理くらいは自分でしてね。ってことね。問題ないわよ。建設はできて?」

  《…是…設計、指示書通りに。素材の構築については、適時登録をお願いします。》

 「当然ね。」

 「あ、コア!草原の草って、変えられる?飼い葉と同じ草とか」

  《…是…ただし今生えてる草は馬にも大変良い草です。無理にグレードを下げる必要はないかと。》

 「おう…お任せします…そうだ…ここから横には…例えば城壁外に通路は作れる?」

  《…是…ただし。転移門の設置の方が維持、運用コストがかかりません。》

 「…おう…その時に相談させていただきます。充填はこのコア(居間にある疑似コアね。)を通しても可能?」

  《…是。》

 「じゃぁ、二階と三階の間に、2フロアー作ってよ。地下の一階が草原、二階が街。三階が畑、四階が森。じゃ、充填!りちうむぅ~~うう、ぱわ~~!」ピカっとな!

 「他になんかある。?」

 「充填しながら進行なんて平気なの?おじさま。」

 「無問題」

 「そう。取り敢えず町部の設計は任せて。コア、もうワンフロア、追加で。二階の下に町予定で。」

  《…》

 無言?ああ、

 「…あ、コアよろしく。セツナさんにもマスター権限を」

 「あとは?報告があれば?」

 「はい!」

 「はい、セツナっち。」

 「二人商業ギルドで使ってもらってるわ。優秀で幹部相当の働きよ…人族、程度が低いわ…マシューの側近扱いだから大丈夫でしょう。」

 「マシューさんは平気か?その…獣人で…」

 「大丈夫みたいよ?文句言う暇あったらこの子並みに働け!なんて発破かけてたわ。」

 「…軋轢」

 「獣人国の繋がりを強固にするって建前みたい。」

 「ふ~ん大丈夫なのか?」

 「マシューだしね。お国の方針でもあるらしいわ。おじさま召喚した国、ガックリと国力落ちたでしょ?防波堤にならないじゃない?万が一進撃してきたときのために。」

 「なるほどなぁ~」

 「あと、新ブランドも順調よ。若手に火が付いたから止まらないわよ~意匠登録も終わったしね。」

 「早いね!そっちはよろしく!あとは?なければ…。

 そうだな…ファムの乳歯が二本とれた。ビルックを街内外問わず連れて行って見識を広げさせたい。街外は月2くらい?食事事情が向上すること間違いない…どした?」

 「なんか急に、身近な問題に。」

 「おっさんらしい。」

 「じゃぁ…そいえば、召喚陣あったなぁ。たぶん悪魔だ。教会が呼んでると思う。自作自演用に。大きな街に一個ずつあるかも。見つけたら報告!」

 「自作自演?」

 「たぶん言うこと聞かない領主や代官が居れば召喚!そして手を貸すとか?」

 「悪辣な」

 「壊してあげるの?」

 「いや、街なんざどうでもいいが、デカいクリスタルが使われてるんだ。電池代わりにもらう。ここの維持に使えるだろ?」

 「パクるのか?」

 「街の人のため!おいら達のため!WINWINじゃん。」

 「さっき、どうでもいいって…」

 「細かいと禿げるぞトワ君。今日はここまでかな?コアも頼むな。魔力足りなきゃいってくれ。じゃ、解散で」

 「「おやすみ~」」


今日も二本行こうと思います。ではまた、後程。

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