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帰りの道中。馬強えぇー!

いらっしゃいませ~

 「おっさん、うまくいったなぁ」

 おいらの技能スキルを生かした三文芝居で侯爵殿の腹の内側を大いに晒すことが出来た。誰かが言っていた、”狂信者”…狂おしい程に信じる信徒ではなく、狂った教義にのめり込むアホのようだったが。

 「まぁね。土下座パワー恐るべし!」

 「それって催眠術みたいなもんか?」

 「似たような効果?だと思うよ。あの顔見ただろ…優越感に満たされたような…究極ヨイショみたいな?アドレナリンどくどく出てたろう?それにあいつ、100%馬鹿だし」

 「いえてるわぁ~で今後は?」

 「うん?放っておくさ。仕掛けてくれば反撃だけど。こちらからは関わらない。」

 「…」

 「気持ちはわかるが…いかんせん、力がない。こっち、二人だぞ。たったの。

 そうだ!いっそ、トワ君。王様になっちゃえ!あの姫と結婚して!王国支配して人族を掌握!聖王国を粉砕だ!」

 「えええ~ババアじゃん!ヤだよめちゃ偉そうだし。それに王?めんどくさぁ~。」

 「ババアって、25~26、30はまだだろう?たぶん。セツナっちとタメくらいじゃね。姫様だから偉いのは仕様だろ?」

 「もっと行ってるって…」

 「いや、おっさーんアイだと若いね。人種的に老けて見えるんだよ。化粧もしてないみたいだし?」

 「じゃ、おっさんが婿入りすりゃいいじゃん。おっさんなら王にふさわしいよ。屁理屈こねて聖王国粉砕だ!」

 「…できたらしますけど?おいらのような、独身こじらせた50オヤジができるとでも?そりゃ、政略結婚はあるさ…愛のない…ブツブツ…」

 愛のない結婚なんて!家庭なんて!夢見るおっさん49歳!ほっとけ!

 「ごめんね。ミツルさん。俺が悪かったよ」

 はっ!おいらはなにを?

 「かえって凹むんですけど!」

 などと疾走しながらの会話。

 先頭に雹。次に馬「疾風」、「赤兎」の上にファム。ワンコが追走し、おいらと、トワ君が追うかたち。その後ろから馬6頭。馬車用にもらってきたが…よく見ると伝令用になるのか?軍馬は?ダメなら交換してもらおう。こちらでも軍馬は高額だろうし。

 おっと!ワンコが”魔纏”走法に慣れてきたのかあっちこっちに行くから大変だ…

 「おぅい~おまえらちゃんと前みて走れよ~防御も上がってるが、木や、岩にぶつかったら下手こいたら死ぬぞぅ!」

  「「はーい」」

 だいじょうぶか?アレ…

  「わたちもはしる!」

 「3号機は待機!」

  「3ごうきじゃないもん。」

 「ファムはもうちょい大きくなったらな。」

  「…」

 「お返事は?」

  「はーーい。ぶぅ~」

 結構。

 「そろそろ野営の準備しようかぁ。」

  「「おう!」」

 

 そうなのである…問題成分大のでかい馬と軍馬6頭…大所帯なので野営にした。

 街に入れば問題確定だろう…なので小口物はトワ君が処理してくれてる。

 ついでに子供たちに屋台飯や果物、お菓子等のお土産も買ってくる。できた漢である。

 「あ!馬商人っていうのもありか?」

  「父さん?」

 「いや、街に入れるかなぁ~って。」

  「野営楽しいからいいけど、父さんは街のがいいの?」

 「風呂だな!」

  「風呂かぁ…」

  「気持ちいもんね。」「風呂は移動できないもんね」

 風呂嫌いな雹、風呂好きワンコ対極の反応だ。

 「…五右衛門風呂つくるか。そうしよう。」

  「五右衛門風呂?」

 「昔の泥棒…盗賊を油で揚げ殺した風呂。水の代わりに油入れて下からバンバン火を焚いて?」

 だよな?

  「「「いやだよ…そんなの…」」」

 ごもっとも。後でちゃんと説明しよう。

 

 久しぶりにGがいた…こっちの世界のゴブリン様だ。

 カイの魔力を込めた一撃が”縦”に両断する。所謂唐竹割だ。プルプルしてる…まだ”殺し”は早かったか?

  「うぉおおおおおぉおーーーん」

 遠吠え一発!次のターゲットへ!…野生かよ…あっちじゃ、ライもつられて遠吠えってるし。

 なんら問題ないようだ…おいらなんてげろげろして夜眠れんかったのだぞ…

  「「父ちゃん、ナイフくれ!」魔石だす!」

 おふうぅ…ダメージ0かい。元々この世界の住人だもんな。

 「手、切んなよ。ゴブリン毒が入ってゴブリンになっちゃうぞ!」

  「「げ!ホント??」」

 「うそ。でも病気とかなるから、注意な。」

  「「うん」」

 ナイフを握りしめて去っていく。殺伐。

  「わたちもいく!」

 「3号機は待機!」

  「…や!」

 「お前は父ちゃんと遊ぶ」

 と抱き上げる「きゃー♪」癒し。

 「おっさん、嫌われるぞw」

  「ふふふ」

  「「父ちゃん、ゴブリンって食える?」食う?」

 「ええ~?ヤだよ…まずそうじゃん…臭いし…」

 「鹿取ってきたから、今日は鹿喰おう。」

  「流石トワ兄。俺は兎だ」

 

 吊るして血抜き、内臓は埋めて処理。後は食うとこだけ取って収納行き。だいぶ様にはなって来たが…大物はなぁ。その辺りはライ、カイが、バリバリ解体する。目当てはリブ周りだからね。


 静かだが、騒がしい食事が始まる”がぎがぎがぎぃ””ごりがききき”…

 「ほどほどにな…」

 確かに骨付きカルビは美味しいよ…最後のフィルムみたいのも。綺麗にはがせると快感なんだよなぁ。などと思ってると…

  「父ちゃん!こっちの歯もとれた!」

 と兎に齧り付いてたファム…ぐらぐらしてたもんな…


 馬にも飼い葉と桶に魔法で水をだす。元気がミツル水だ。魔力マシマシで。

 「疾風」は肉も喰う…「赤兎」は魔力の方が良いみたいだ。世話もトワ君先頭に子供たちが良くする。おいら?おいらもやってるよ?邪魔してるだけ?ほっとけ。

 でも、実際、ちょいと怖い。蹴られたらと思うとね。賢いから無いとは思うよ…たぶん。いや、賢いが故においら、故意に狙われたりして…あ、ははは…洒落にならんて!

 

 馬車を出してみんなで寝る。見張り?「疾風」「赤兎」がいるから平気だと…馬って感覚鋭いもんね。

 それに…強そうだ。熊でも蹴散らすぞ。絶対。

 つぶらなお目々じゃないもんな…こいつ等。”殺”ってお目々だ。そんな馬たちが守ってくれる野営地。普通の馬達すら寛いでいる…臆病な馬がくつろぐなんてよほどのことだ。TVでの知識だけどねぇ~。

 

 朝方、地響きで目を覚ます!雹を子供たちのもとに残し、馬車を出る。大きな熊がごろりん。馬たちに蹴り殺されたようだ。

 ボコボコだ…頭蓋なんか原形を留めていない…胸の蹄の跡…疾風か?完全に陥没してるわ。トワ君が馬を褒め連れて行く…どうすんだ?これ?…見なかったことにして二度寝じゃ。

 子供たちは起きることなく爆睡中。いっしょに寝よ…


 朝。

 「おっさん、熊、入れとけよぉ~戻ってきてビビったわ。」

 「ええぇ~~」

 「おっさんのも”無限収納”になったんだろ~」

 そうだった…

 「忘れてたわ…」

 「だろーなぁー」

 神様に感謝だね。よしと。熊仕舞って。今日も張り切って行きましょうか!

本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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