馬泥棒。
いらっしゃいませ~今日も2本いこうかと。
手綱を引いて大通りを行く…カッポカッポ…注目度満点だ!
「もうちょい小さいと良いんだけどね~」
と、トワ君。
ああ、デカすぎだ!何食わせたんだ?
”カッポカカッカポカッポ…”
「こっちは足の数が…でかいし」
「父さん…なんか御免」
「あやまらなくていいぞ~雹、たぶんおっさんのせいだ」
「なんで?」
人のせいにすな…と言いたいが…
「魔力注いだろ沢山。もともとこの二頭は、魔物だったんだ…進化もするだろうさ。」
だよねーーーー。
「面目ない、どれ、」
疾風の目を覗き込み首に触れる…
「我が願い叶えたまぃ~!縮めぇ~~疾風ぅ~~」
魔力注入!
「な訳…お?おお?!」
「ふっ」
…我が力を見よ!祈りは…
「…更にでかくなったぞ?おっさん…」
「もうしません…許してください。」
失敗した…ますます骨太に…走れるのか?某世紀末の漫画の馬みたいに人をバキバキ言わせるように…怖!
「おっさん。」
「ああ、トワ君、雹たぶん仕掛けてくるよ。構わないその時は…始末する。」
「「おう!」」
”カッポ、カッポ、カッポ”。門の処理を終える。門番さんも気づいてるのだろう。
おいら達の後方に、アロンハゲを先頭に騎馬10騎。門を潜り、場外へ…馬に乗り駆け出す。
後方でわいわいやってるが…速や!
「5kmくらい行けばいいだろう。」
「ああ、おっさんとわんこs降ろしたらいくわ。」
「雹!武器は?」
「?」
「短くて届かないよ双剣じゃ…」
「大丈夫。な!赤兎!」
「ぶるるるぅ」
あ、そ。
「怪我は良いけど死ぬなよ」
「「おう!」」
並足にしてお散歩。
「このあたりにしようか?トワ君馬車よろ。お前たちはこの中で待機」
「「「はい」」」
…こないなぁ
「諦めたか?」
甘いぞトワ君。
「ないない。あのハゲの目、見たろ。自分中心人だな。子供が乗ってる。獣人が乗ってる。これだけでいいんだあいつらは。ほら。」…
「そこな、平民待て!」
これだから…ふぅ。
「なんでしょう?」
「馬を置いていけば命は取らぬ。」
「盗賊ですか?」
「我々貴族の言うことを聞けばよいのだ平民風情が!勝てると思おてか!」
「グダグダ言ってないで抜けば?譲る気なんてないよ。全てに。」
「渡せば楽に逝けたものを!やれ!」
最初から殺す気満々じゃん。
「馬は助けるぞ!にっかどちゃーじ!」
「「おう!」」
「いけ!」
アイスランスが先頭の二人の面鎧に激突する”がぎぎぎがぁぁ!!!””どぉどさぁ”落馬…動かんな?
トワ君の方はすれ違いざまに魔剣を振るう。薄い板金鎧なぞ、魔剣にかかれば”紙”だな。ばっさ、ばっさ切り裂いていく。
雹は…お、お前は忍者か!赤兎から敵の後ろに乗り移り、首を”こきり”。兜の顎の隙間や目の開口部にナイフを器用に入れて、梃子の原理でくい!”こきり”。
怖えよ。そんなに簡単に折れるのね…雹の方は皆、首が後ろを向いている…暗殺者や!てか…誰が教えたん?トワ君か?
あっという間に手下の騎士たちが全滅。余裕こいていた侯爵様、
慌てて逃げようと手綱を引いたハゲ。その侯爵の馬に雹が飛び移り、襟首をつかみ引っこ抜くように地面に投げ落とす。
”どっささぁ”
「げっふぉぅおおぐぅう」
背中から地面に叩きつけられたハゲ。潰れたカエルのようだな。まんま、アフリカツメガエルのようだ。死んでないよな?
”パチパチパチ”。拍手
「はいお疲れ~完勝だな。」
と同時に太陽の槍を先に落馬した二人に放つ”ぐぎょぉおほごご”
「うごう!」
変なとこにはいった?グインと1mくらい持ち上がり…”ぼこごっこうぅう”ぼん!だ
「ひいいいいぃぃぃ」
「さてハゲ…次はお前さんの番だ。…トワ君悪い、たぶん領主が来る。周りの全部収納しておいて。人も…」
「…ああ」
「ボンしたのはおいらがするから。馬は裸に。」
「当然だな!ボンは…やだ。」
「予定外なんよ来るの…くそ。収納!」
ん?なんだハゲ?
「そ、その方ら、降伏すれば命は、”ぴゆん”ひえいぃ?…うきょぉーーー!」」
耳が飛ぶ…。はぁ、やだ、やだ。
「ミッツ殿!」
「いやぁ、奇遇ですね。こんなとこで?テクス様」
と、ガルペン氏、親分。騎兵が10騎。
やっぱ、親分、領主様の処に行ったな。本来なら護衛を買う位しそうな人物だ。直ぐに帰っちゃったから変だとは思ってたさぁ。
「て、テクス、テクス殿~ぉ、たしけよぉ!我を”どっか”ぐげぃえ」
蹴り。
「うっさい。で、何か?」
「…一応、そこな男は王国、侯爵…」
「で?」
「街でのいざこざも存じてる」
「で?」
「ミッツ殿が手を下してはならん」
「ほう…現に襲われてるのだが…」
「ああ、分かっている」
「で?」
「確認させてほしい。少し時間をくれないか?」
「観て解るのでは?」
「は、はやぁく…この男を殺せ!」
「そう言ってますが?」
「見苦しいですな。侯爵殿?あなたは死刑ですが?」
「はぁなにを… 「王国の、貴族の恥め!跪け!」 …ぶ、無礼ものめ!”びじいぃ”うぐぅ」
テクス殿が馬を進めて傍らに…
「ミッツ殿も気づいてると思うが…例の件について聞きたい。防音を願いたいが…」
「ほう。トワ君よろしく!」
「おっさんも使えるだろ?」
「え!そなの?」
「後で教えるよ…はいよ。」
「で、帳面に?」
「いえ…アレは私たちではまだ読めません…」
「うん?そなの?」
「暗号が複雑なので…私の判断でアヴェルに見せました。」
「親分に?信用できると思うけど…あまり人には…」
「ええ、心得ていますが…専門部門の協力が必要ですので慎重に行います」
「おっさん俺たちなら…?」
「トワ君、それこそだめよ。彼らの問題だよ。親分辺りは気づいてると思うよ。おいら達なら解けるって。あえて言わないんだよ。」
「…ご明察。これは我々の問題です。此度もアヴェルの進言でここに。街にいるはずのない貴族でしたので。」
「当たり。たぶん貴殿の親父の仲間の人食いだぞ。テクス様のオヤジに会いに来てたんだろう。こんな短時間に馬を見に?どれだけ隣町やら王都が離れてるか。親分の見立てもそうだろう。」
「ええ。街にいる貴族と入街帳のすり合わせをしたそうです。ミッツ殿にしろ、アヴェルにしろ何でそうすぐに行きつくか?」
「年の甲。伊達に長くは生きてないさぁ。」
「尋問をしても?、ミッツ殿は?」
「う~ん…ハゲの身はそちらに渡そう。立ち会いは… 「俺は立ち会ったほうがいいと思う。」 …トワ君。楽しい話じゃないよ?ここいら吹っ飛ばしちゃうよ?」
「ああ、それでも。」
「了解。雹、お菓子とジュースもって馬車で待機。面倒みてて。お願い。何かあったら呼んで。」
「はい。父さん」
トワ君から受け取り馬車に向かう。
「凛々しい青年だな。」
「ああ、最近は肉も付いてきた。最初はガリガリで、スラムでひったくりをしていた。他の獣人の子を食わすためにね。」
「…」
「この国は歪んでいる…これだけの多様性を生かせぬとは…もったいない。」
「もったいない…ですか。」
「ああ、もったいないね。人族の保護でしかない…獣人が浸透すれば駆逐されるのは人族だろう。」
「…獣人至上主義に聞こえますが」
「いや、人族に得手不得手はある、獣人族、魔族にも得手不得手があるさ。そういった分野にお互いに適材適所…もったいないじゃないか?」
「…」
「それに、獣人至上主義?いいねぇ。もふもふのお子ちゃまを守る大義名分になるな!」
「ミッツ殿…」
親分と拘束されたハゲが来た。
「テクス殿!この仕打ちは!」
「…侯爵殿、罪人の恰好だが?」
「法廷を望む!」
「…ミッツ殿に首を斬られても文句はいえないのだぞ?」
「ふん!」
このハゲ!
「わしは部下をこの者らに不当に殺されたのだ!」
「馬泥棒がよくいうよ。」
「泥棒?ふん。召し上げたのだ、誉に思うが良い」
「ダメだこりゃ」
「…」
「こいつ…バカ?まるっきりガキじゃん。あれほしい!くれ!って。親分、貴族ってこんな思考?」
「トワ殿…残念ながら多いですなぁ。特に長く続く家に。ですが一応は一般的な常識は学びますので…ここまでの者はそうそうおりますまい。侯爵という高位の家も後押しになるかと。」
「ぶ、無礼者!」
「無礼ものしか言葉知らないし…貴族お気楽だな。ははは」
「それじゃただのバカだよ。そいつみたいに。本当はちゃんと領地とか運営すんだぞ?貴族って」
「談笑もここまで。で、侯爵殿?なぜエキドレアに?」
「…馬を…」
「馬?隣町まで何日かかると?貴殿のいる王都はさらに…」
「ち、近くの街に用事があってな?」
「誰の所に?」
「貴様などに言う 「じゃ、首を落として終わりにしましょうか。ミッツ殿?」 …ちょっとまて、思い出した!マラク子爵、カナグー二男爵だ!聞いてくれればわかる!」
「彼らはどこに?」
「街にいる探せば見つかる!」
こいつ馬鹿だw芋づる式とは良くいったモノだわ
「親分」
「ああ。」
「…で?皆さんでなにしに?」
「…」
どれ。ここはひとつ…
「もしや、侯爵様は崇高な使命のために此方へいらっしゃった?」
「な?ミッツ殿?」
おいらが急に態度を変えたんで領主様が面食らう。
「先日、城が光に満ちたとか…申し訳ありませんでしたぁ。神の使徒とも言えるようなお方に」
土下座発動…光少な目でお願い!
「み、ミッツ殿?」
「お、おう、わかればよい。その通りである!あの奇跡も我らの行いを神が見ていてくれたもの!」
「ええぇ、ええぇ、皆さんで使命を果たされるのですね?」
「うむ。サジャック殿と枢機卿のお導きで人族のため、”使徒”の使命を果たすために参ったのだ。」
「おおお!私も人族の端くれ!お許しを!」
「うむ、サジャック殿と連絡ができんので困っておったのだ。ご子息なら知っていよう?」
くいっとテクス殿の袖を引く親分。解っていらっしゃる。
「あ、ああ。父との交流であったか、し、失礼した」
「わかればよい」
「それで侯爵閣下、協力を申し出たいのですが…ああ!耳を…今すぐ治しますトワこちらへ」
イヤな顔すんな。
「はい…回復」
「おお!その方、治癒の力もちか!容姿もよい。供をせい!」
「…は…」
斬っちゃだめだぞ!まだ!
「ミッツというたな、良い心がけだな。誉めて遣わすぞ。騎士どもを殺害したことは不問としよう。かわりに獣人の子供もいただろう献上せよ」
はぁ?びき!おちつけ…ひっひっふ~ひっひっふ~
「はは。下賤な小娘ですが…人族の女も用意できますがぁ…」
「良いのじゃ!教義の昇華に必要なのだ!…まぁ、女もついでに用意しておけい。」
「はは!して、どのように?」
「それは教義の神髄じゃ!」
「枢機卿様もお見えで?接待の用意を…」
「今回は司祭も多数参加するとか…女も多くいるぞ。」
「ええぇ、ええぇ。その教義に私も是非に触れたいのです。さぞ崇高で最高な儀式でしょうね。獣人を集めましょう」
「うむ。雌が良い!雄はどうしても硬くてのぉ。年を取ってから筋がの」
うぐ…まだ!トワ君
「…教皇様も参加されたりはしますか?」
「教皇は参加はせん。聖王国を出ないからのう。」
「な!なんと!最高位の方が…」
「心配無用じゃ!誕生祭後に行うのだ。」
「すごい…侯爵様もご出席を?」
「否、王族が出るのでわし等は供で順番に参加じゃ。残念じゃがのぉう…」
「王族ですか、侯爵様なら押しのけてでも…」
「そうもいかんのじゃ…王兄だからのぉ」
「王様は参加しないので?」
「あやつは頭が固くての。それに獣人に仕事をやる?城に入れる?汚らわしい!わが王国を貶めるか!」
まるで演説のように王を罵倒する侯爵。ついでに暴露も…
「ミッツ殿…もう良い。侯爵殿」
「うむ?」
「聖王国は人食いの集まりなのか?」
「!!!あ、ああああ?あ?なぜ?話した?わしが?か?」
「いやぁ、ミッツ殿やりますなぁ」
「ええまぁ。」
skillとは言わないよ。
「どうか?」
「…知らん」
「貴殿も人食いであろう?」
「…」
「父上はとっくに旅立ったぞ。離れも暴かれた。」
「!!!なんと!貴様ぁ!無礼者め!神に逆らうかぁ!」
「黙れ鬼畜。先の子爵と男爵の更迭を。さて、侯爵どういった教義なのだ?無理にしゃべらずともよい。替わりはいる」
「…獣人の力を身に宿す儀式だ…我らの頭脳と、下賤な獣人の膂力!」
「そんなもの本気に?ふぅ」
親分も疲れた顔だ…
「貴様ら下賤の物には判らんのだよ!理解が及ばぬか?なら黙ってるが良い!いまに見よ!人族の隆盛を!連合軍が次々と、エルフ国、獣人国…亜人共の国を屠るだろう!」
「狂信者か。力を得るどころか…まあいいさ。さて、聞きたい事も聞いたし、どうする?」
「で、どうは?」
「わしは公正な法廷を望む!」
何言ってんだハゲ!
「お前…頭割って中みたいよ…で、そろそろ帰りたいが…」
「どうとでも。”首”は欲しいが。」
「恫喝用の生首に?なら処理も任せていい?」
「ああ。」
「じゃ、帰ります。お馬6頭もらってくよ~ご機嫌よう!親分も達者でね~」
「ああ、達者でなぁ」
ふいいぃ~やっとお家に帰れる。聖王国かぁ…関わり合いになっていくのだろうなぁ…
もう一本あります。22時以降のご来店をお待ちしております。




