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和食だ、と!

いらっしゃいませ~

 マサさんに付いて宿屋を目指す。煌びやかな繁華街に行くと思ってたが…ちょい外れだ。そこは旅籠?って感じの建屋だった…まぁ落ち着いていて良いけどね。

 

 「「「「いらっしゃいませ!」」」

 びっしっと着物に似た制服を着こなした仲居さん?中から…おお!着物だ!女将さんらしき女性が。

  「いらっしゃいませ。お風呂の準備も調ってます。ごゆっくりおくつろぎくださいませぇ」

 「お世話になります。」

 …ここからは仲居さんが案内を。

  

 「お食事はお風呂の後に、お部屋でよろしいでしょうか?」

 「はい。部屋食、良いのですか?ええ、それでお願いします!」

 「おっさん…気付いたか?」「?」

 「この香り…」

 「!醤油?」

  「へぇ、夕餉に煮魚をお出しする予定です。お刺身出したいのですが…何分海が遠いので。本日の物は氷に密封した魚を解凍して使用してます。明日の便で良いものが入る予定です。」

 「き!期待してまふ!」

 「かんだ!」

 うっさい!醤油の煮魚だぞ!それに刺身だ!

 「大変結構な品ですが、うちの小さい子供に”肉”料理にしていただけますか?」

  「ええ。大丈夫ですよ。主人より”今回は食事で楽しんでもらう”と命がありましたから。」

  「ではお部屋に案内します。」

 

 …みんなでお風呂にゴー!

 「すいてるなぁ。」

 すると三助?だっけ?

  「本日から、数日貸し切りになっております。ごゆっくりお過ごしください」

 だ、そうだ。憎いこころ配りだ親分!はしゃぐライとカイを捕まえて、石鹸でワシャワシャ洗う。

  「「父ちゃんきもちーね!」」

 「だなぁ、ふいいいぃい~」

  「「ふいいぃいいい?」」

 「おっさんくさっ。は~気持ちいなマジで。つはぁ~~」

 「じじくさ~」

  「「じじくさぁ?」」

 「このぉ~」

 お湯バシャバシャ。お子ちゃまキャッキャ。おいらぐったり。

 疲れるわ…子供風呂入れるの…さぁ飯だ!

 

 ”んぐ、んぐんぐぷふぁぁ~”

 「う、うまい!まんまビールや!はぁ…幸せ…」

 「前世界じゃ苦いだけだったが…美味いな…ビール」

 トワ君もご満悦だ。お子ちゃま達も飲み物をもらってる。

 出来立てを出すのか?順に料理が運ばれてくる。

 「おっさん!」

 「ん?おおお!天ぷらか?」

 野菜がメインの天ぷらだった。少々衣が厚ぼったい。フリット?…ま、異世界だし。魚は無いな。エビも…川産の手長エビでもいいから天ぷらで食いたいよぉ~

  「野菜かぁ~ライ食え!」「カイにやる!」

 「こら!美味しいからちょとずつ食べてみなさい。」

  「「肉がいい」」

 「この白いの肉だぞ」

 「「食う」」

 …大変だ。

 「「うま!野菜うま!」」

 …天ぷら気に入ったようだ。つまみにか?唐揚げらしきものが小鉢で。…ゆっくり食おうとと思ってたら…あれ?どこやった?お子ちゃまか!トワ君、雹は死守したようだ…

 「…ライ、カイ。美味しいのは解る。たくさん食いたいのもだ。人のとっちゃだめだよ。ライもカイも取られていいの?とっちゃうぞ?」

  「「ごめんなさい。美味しくて」嬉しくて」

 「うんうん。解ればいいよ。追加もできるんだし。もう少しだけ落ち着いて食べよう。ゆっくり、味わって。ライたちだけじゃないぞ?父ちゃんだってドキドキだ!こんな美味しいの食ってないぞ!」

  「「うん。」」

 「それに楽しみは最後の方だ。…その時腹いっぱいだと…」

  「「!!」」

 多少は落ち着くかな…なわけないか。野生だし!人の物に手を出さないから良しにするか。

 にしても…どこに入ってんだ?あの大量の料理は。

 おっさんはビールあるからそんなに食わないので、ちょっと手をつけたのち、自動的にわんこに行くのだが…。

 いやぁ~食った、食った。煮魚、赤色魚系の油こってりなものだった。キンメのでかいの。

 砂糖もばっちり入っていて素材のせいか前世界の物より美味かった。

 甘いものも少ないのでより強烈に感じたね。

 わんこも気に入ったようだが…せっかく骨のない尻尾の方の身を持ってきてくれたのに、大人用についてる背骨を欲しがって大変だったよ…

 しゃぶると美味しいよ。確かに。でも、わんこ食うから。のどに引っかかると怖いからしゃぶるだけって言ったけどね。”がりばりごり…”…変な音がしてるのは気のせい…?

 「食うな!のどに引っかかるぞ!痛いぞ」

 もう…。

 〆におにぎりが出たよ…魚の骨出汁もついていて茶漬けにも出来たが…そりゃ、日本のコメに比べて甘味、粘りは少ないよ。でも心に響くものがあったよ。思わず涙が…”日本人でよかったぁ!”トワ君は「普通?」だって。死ね!

 量があれば分けてもらおうとも思ったが、やはり、貴重なもので、在庫がわずかで断念。一応、行商隊が来たら話をと頼んでみたものの、期待は薄いそうだ。種もみも出さないと。こりゃ、直に行くしかないな。

 雹たち獣人には代わりに”肉”それも油の乗ったリブのとこが沢山…。このタイミング?シメで肉ってどうよ?ま、嬉しそうだから良いけどさぁ。

 雹が大口をあけてがぶり!至福の表情。わんこは羨ましそうに見てるだけ…

 「どした?ライ、カイ。食っていいんだぞ?」

  「「父ちゃん…腹一杯で食えない…よ」ぐすり」

 泣くなよ…。く~ん、く~んと聞こえてきそうなくらい寂し気だわ…

 「ほら、言ったとおりだろ?美味しいのはあとの方にでるんだぞ。」

…ちょっと、後過ぎだけどな。恐らく、ライたちの食いっぷりを見て替えたのだろうなぁ。

  「「…うん」」

 「トワ兄に頼んで仕舞ってもらえ。明日なら食べられるだろ?」

  「「!トワ兄。お願い。おやつ用に」」

 「…ああ。解ったよ。プっ…食えない…か?ぷくくく」

  「「トワ兄!!」」

 わちゃわちゃしだす。まぁ、おいらの倍は食ってるもんな。

 

 寝具はもちろん布団だ…死ぬならここで死にたいものだ…続き間で部屋あるのだが…。何故か一部屋に布団並べて寝た。まぁ、わんこもまだ精神的に落ち着いてないし、ここに来てからの騒動もあるし。

 夜、突然、カイ、ライはガバリと起きて 「父ちゃん!」 「兄ちゃん」 って飛び起きることがある。その時、雹と目が合うとつい笑ってしまう。

 「…父さん?」

 ばつが悪そう。雹も最初はそうだったもんな。ふふふ。じゃ、寝るべ。

 

 

 翌朝。久々のビールのおかげかスッキリだわ。『ビア』と言えば手に入るそうだ。エールと比べるとかなり高価になるが…ドワーフの手により仕込まれたものは更に高値になると。

 有名どころの産地は、ドワーフの鍛冶国に多いらしい。年配のドワーフが特に好むとか…後でギルドで聞いてみるか。

 それと畳!…エルフの国産だそうな…是非に行かねば!

 

 …朝の修練を行い、朝食へ。

 焼き魚定食期待してたが…洋食だったわ。

 トワ君曰く、『朝はパンだろ?』だそうだ…。冷夏による『平成の米騒動』…あの時の影響だろうな。一気にパン食が広がった。何せ、コメが無いんだもの。方針誤ったな。日本政府よ!無理しても出すべきだたな!農家の蔵には唸るほどあったぞ!ま、国庫にもあったみたいだが…

 「明日積み込み予定だったが、ビアが大変気になります!余剰在庫があれば購入したいと思います!という訳で、ギルドにいくぞ!」

 「必死だな…おっさん。」

 「ビア、美味かったろ?」

 「まぁなぁ。でも高いんだろ?お金大丈夫~」

 「…ちょっとだけ…」

 「冗談だよ。行こう。ドワーフの国産だろう?オミヤにしよう。」

 おいらが呑む!トワ君の”収納”なら、長期保管も全く問題なかろう!…おいらの…早く、スキルアップしないかなぁ…ねぇ神様!


 さっそくギルドに顔を出す。

 先日の受付嬢が居たので、ビアの在庫の数種を注文。明日の積み込みとした。

  「昨日は大変すいませんでした。」

 「いえいえ、ギルド長の迅速な対応。歓待までしていただいて…そうそう、お礼が言いたいのですが。いらっしゃいますか?」

  「私の方で承ります。伝えておきますね!ギルド長人をもてなすのが好きなんですよぉ。喜ぶと思います。で、当の本人、昨日から、張り切っちゃって…あちこち往ってるようで捕まらないんですよぉ。マサさんに聞いてもさっぱりです。ライドウさん達も…」

 うん…聞かないでおこう…

 「…よろしくお伝えください…」


 ギルドを出て、5人団子になって街ブラ。例の騒動が噂になってるのか、 「よくやってくれた!」 「ありがとう!」 「母さんの無念が晴れました」 「すかっとしたぞ!」 等々…

 飯屋に入れば自動に大盛り、差し入れが。屋台でもおまけが。

 概ね、おいら達の騒動は住民に良いように受けられているようだ

 当の衛士は騎士団監督の元、治安維持にあたってるようだ…。

 目が合うと逸らすのだが?なんにもしとらんぞ。

 

 …


 こんな感じでワイン積み込みの日。特に問題なし!

 いやぁ~楽園だったよマジで。流石に毎日あんな歓待だと大変だろうと、料理のグレード下げてもらおうとしたら、「客人。お気になさらず。”夜の接待”に比べたら、屁みたいなもんですから」だって。

 是非に今度は”夜の御接待”を受けたいものだ…一人でこようかなぁ。むっふっふ! <死んじゃうぞ…> …うん?

 刺身?美味かったが…もっと合う魚があるだろう。それと包丁も違うのか?刺し身の角がね…。やはり、自分で調達だな。

 

 「おはようございます。マリーさん。ギルド長いらっしゃいます?」

  「おはようございます。ミッツさん。ごめんなさい。まだ不在ですの。何でも、レグラス山に用事があるとか…。あそこはオーガの目撃数が多いので少し心配です。」

 …まさか?…本当に置き去り?

 「そ、そうですか?まさかあの時の?」

  「…」

 無言でにっこり。笑顔のマリーさん。

 「なんか言って!」

  「さ!ワイン観に行きましょうか。今度は大丈夫ですけど?」

 スルー…?

 「冗談ですよ。別件ですよ」

  「ほっ。ですよね。」

 「ええ。1人引きずっていきましたけど…」

 …もうイヤ。


 倉庫についた。一応見まわして、チェック。そして、収納。

 数量・品質を記入した紙をマリーさんに渡し、ギルド側の数量、品質の正誤確認が取れた。

 その際、今回の件の経緯、遅れについての詫び状をマシューさんとおいらの2通もらった。これでここの町でのお仕事は終了。

 小口の依頼も確認。帰り道の物は受ける。少しでも稼がないとね。承認印をもらってギルドを後にした。

 さぁ、帰ろう!

本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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