またかよ…ほんとアホばかりだな。冒険者ギルド!
いらっしゃいませ~
とりあえず、ギルドに直行、依頼を終わらせる。半端だと落ち着かないものね。
「お疲れ様です、受領および、照会終わりました。報酬は口座に入れておきますね。入金は翌日です。」
何時もの受付嬢の元に。可愛いからではない。おいら達の専属窓口だそうな?ここなら話が速いと言われている。あ、名誉のために…もちろん可愛いぞ!
そうなのだ。商業ギルドは小口依頼(掲示板の依頼)は終了確認後、翌日口座入金なんだ。
いつもマシューさんから手渡されてたから現金だと思ってたよ。
冒険者みたいにその日暮らし、宵越しの銭は…って世界じゃないってことだね。大口は週締め、月締めなどあるらしい。
おいらは商売してないから関係ないかな?まぁ商人らしくスマートだね。もちろん急ぎの入用の時は対応してくれるようだ。
「ありがとうございます。今日マシューさんはご在席で?」
「いえ、会議に出ておりまして…明後日出社の予定です。ご予約入れましょうか?」
「いえいえ、それでしたら。ちょっとお聞きしたいんですが…」
「なんでしょう?」
「先のティネルの町で、雹の、この子の証をみた門番が急に態度を改めたのです。その様が180度。」と証を渡す。
「…はい。雹様の証にはここにマシュー副ギルド長のサインと”金印”の裏書があるでしょ。」
「はい。ありますね。私たちのにもあるようです。」
「はい。それはマシュー副ギルド長が庇護してるってことなんです。ギルド長や副ギルド長などの要職に就くものが期待してるギルド員に与える特権みたいなものですね。”金印”は上位ですね。ふつうは”朱印”です。ああみえて次期グランドマスターといわれて…コほん失言です。大変優秀で、影響力のある方なのですよ。」
「なるほど。雹が不快な目に合わなかったこと感謝していますとお伝えください」
「はい承りました」
やってくれました!マシューさん。でもここは素直に感謝しておこう。
「マシューさん偉いんだな?」
「ああ、世話になってるしね。マシューさんがばんばん出世してもらうようにがんばろう!」
「おっさんその心は?」
…そんなこともわからぬのか?…ふっ、若いな…
「おいら達の安寧な生活のために!マシューさんには”壁”になっていただく!”壁”は厚ければ厚いほど!高ければ高いほど、硬ければ 「…だよね。おっさんだもの」 …なんだよ。」
まったく。さぁて、お次は蛇かぁ…もう遅いし…明日にするか…
朝の修練の後、今回の依頼の副産物?の整理を行った。薬草、果実、魚…蛇…なかなかの収穫だ。昼過ぎに孤児院に行こうと思うのでそれまで市場や露店、屋台をひやかして歩いた。
新鮮な果物…主にリンゴであるが、売っていれば優先的に購入していく。栄養価も高いし、野菜不足の解消にもなろう。
子供たちのお土産の菓子を買いつつ、孤児院へと向かう。
そして挨拶もそこそこに裏の井戸端に蛇を出す。
もちろん、おばちゃんキングは狂喜乱舞!おばちゃん…もとい、お姉さまパワーで蛇は解体される。肝、頭、血 (ほぼすっからかんだけど…)は毎度の薬屋さんが来て引き取っていったよ。
前世界的に調合、漢方みたいな使い方とおもったら、スキルの”調合”で薬をこさえるそうな。魔力を介するので謎薬のポーションとかになるらしい。おいらも是非にやってみたいね。もちろん生薬としての利用もある。
で、ホクホク顔のおばちゃん達が解散した後には肉片一つない鞣したような皮だけが残されてたよ。
今回は物もだけど鮮度がいいので”超”高級肉って事だそうだ。で、食べるより、生活の足しにしたいと、転売の許可を求められたので良しとした。
蛇よ!おばちゃん…いや、お姉様達の”へそくり”になってくれい!
夕食を孤児院で頂くことになった。
わちゃわちゃとお子様を装備して簡単な補修等を行う。食事の準備が調ったようなので食堂へ。
川魚も提供したので豪勢だ!
{いただきまーす}
おいら達を真似て食前食後の挨拶が加わったようだ。
「うぉ!この魚、香草焼きか!美味いな!」
はしたないぞトワ君!うちの雹をみならえ………雹よ…誰も取らないから…
「ビルックが香草を色々研究してるんですよ」
「やるな!ビルック!」
わしゃるトワ君。嬉しそうなビルック君。平穏、平穏。どれ。
「うっは!なんだこれ!塩だけなのに!めちゃ美味いな!」
びっくりだ。みんな骨までしゃぶってると思ったら…恐るべし!蛇!こりゃ、地鶏も真っ青だ!老成した鶏肉の旨味に通じるものがあるな!蛇だよな…焼鳥タレでも食いたい!
お腹ぽんぽこりんのお子ちゃまはおねむだ。この隙にお暇する。
もちろんシスターには拝まれたが…。
最近のおいら達の行動は、朝練に参加して、そのあとは近隣の町へ足を運ぶ生活となった。
近隣巡りも今日行くヴァルテリアで最後かな?あとはちょい遠いみたいだ。
おいら達の足でも日帰りは無理そうなので、泊まりの予定を立てて行く方がいいだろう。
で、今回、マシューさん直々の指名依頼があった。
ヴァルテリア経由で交易都市グロスティマへの金銭、手紙、小荷物の運搬だ。
ヴァルテリアでの荷物の引き渡し、預かりがあるとのこと。折角なのでグロスティマの町で一泊の予定だ。さぁ!”収納”して出発だ。
さて、ここら辺の地理についてザックリと。ここ第一城塞都市アヌヴィアトを中心として、北に【豚の城亭】のあった交易都市ティネル。そこからさらに北に第二城塞都市のエキドレア。さらに北に首都、王都か、オーランディアがある。
東は魔の森。南はクソ(ディフェン)王国へつながる街道となっている。西にはランケオラという町がある。
北東の魔の森に隣接する一応交易都市ゴルディア。ここは魔の森内にある開発村ナーナの中継基地となっており、魔の森産の素材の多くが取引されている。
南西には国境の町ヴァルテリア、交易都市グロスティマ。
北西にユンゲス、ギガテ、グラキアなどの町村がある。言葉ではムズイな…。
まぁ、こんな感じだわ。追々、行くことにもなるだろう。
順調に疾走!無事にヴァルテリアに到着した。
商業ギルドに行き荷物書類の引き渡し、受領。承認をもらい、次の町へ…
行こうと思ったのだが…
「よぉ…坊主、良い装備もってるな…」
「ほんとだ、猫にはもったいない」
「俺たちが使ってやるよ…先輩の言うことは聞くもんだ。ぐふふ。」
はぁ。まったく…ギルド出てそんなにたってないぞ。4人の冒険者のパーティだろうか?往く手を阻まれる。先輩?知らんぞこんな屑共は。これが、冒険者の実体か?強盗ではないか。
「いやだ!」
よし。良い子。
「「なにぃ」生意気なぁ!」
「うん?そっちのガキも、良い剣ぶら下げてるなぁ。」
「このぉ、たかが猫の分際で」
単細胞は語録が少ないから…
「うちの子になにか?それに、あなた達は何ですか?大通りの真ん中で恐喝ですか。誰が先輩?この街には今日来たばかりで、貴殿らなんか知りませんよ。」
「ふん、だからいっただろう。冒険者なら、ギルドの先輩の言うことをきくもんだぁ」
「仕事ができなくなるぞ?うぅん?」
つくづく冒険者ギルドに登録せんで良かったよ。臭いし。
「冒険者ギルドは一般人に大通りで脅しをかけるのですね。追いはぎ盗賊の類だ。衛兵さんはいませんか?」
見物人も集まってきてるな。娯楽がないから。うちの娯楽に飢えてる子(トワ君)も大爆笑だ。
「はぁ、なにいってんだぁ。冒険者同士のもめ事だぁ。衛兵なんか関係ねぇ~」
「装備よこしな!」
…馬鹿だこいつら。まんま盗賊じゃん。抜かないだけましか。
「皆さん、聞いてくださいな。冒険者同士なら、恐喝も合法だそうですよ。怖い集団ですね~皆さんも気をつけましょう!」”ざわざわ”。
「なんの騒ぎです?」
冒険者風の男が、中年のちょい偉そうなハゲ男を連れてきた。近くにあるんだな冒険者ギルド。
またぞろギルド長とか、副ギルド長とかかな?
「さぁ?そちらの臭いのに聞いてくださいな。家の子の装備が欲しいよぉ~くれ~って、ダダこねてるんですよ。こんな大通りの真中で。
冒険者なら先輩の言うことを聞いて献上しないといけないらしいですね。盗賊ですか?ねぇみなさん?衛兵はまだですか?呼んでいただけますかぁ」
”そうだ”、”そうだ。””ギルドは盗賊だ!””おれも因縁つけられた!”と皆さん。
お祭りですか。臭いバカとハゲ男は顔を真っ赤にしてる。
「冒険者同士、ここは、ギルド内で話し合おうじゃないか。茶ぐらい出す。」
と偉そうなハゲ男。行くわけなかろうが。
「え?いやですよ?なんで”盗賊の巣窟”に?自殺行為でしょ?」
”そうだ、そうだ!”
「こっちです、衛兵さん、冒険者同士のいざこざみたいですが…」
「うるさい!!騒乱罪でしょっぴくぞ!で当事者はだれだ!」
”し~~~~~ん”。さすが衛兵さん。
「はい私はミッツといいます。こちらの臭いの…冒険者ギルドの皆様が家の子の装備をよこせ!と因縁を付けられまして。」
「え、衛兵には関係ないだろ!身内の話だぁ~。」
「そうなのです。隊長。大したことはございません。ギルド内で話し合いをと…」
”うそつけ!””ハゲ!””強盗!””ハゲ!”
…ハゲって…などの罵声が。民意は此方に付いた!勝ったな!
「本当か?ギルド長!強盗にも聞こえるが…本当にギルド内で納められるのか?」
「は、はい!それはもう。」
睨むなクソギルドのハゲ長。
「そっちの冒険者もそれでいいか?」
「え!イヤですよ。絶対。盗賊なんかと話すことないですよ?」
「なに!ギルド証とりあげるぞ!」
「横暴ですね。恐喝だな!衛兵さん助けてください」
”そうだ!そうだ!”
「くっ」
「いくらギルド長でも今のは恐喝になるぞ?ギルドに行くのは危険だな。屯所で聞こうか。」
「い、いえ、今のは言葉のアヤでして…さぁ、ギルドに行くぞ!」
こいつアホだな。
「隊長さん、そもそも私たち冒険者ギルド員じゃないですよ。こいつ等の命令を聞く謂れはない。」
{え?}
ふん。アホズラ並べて…
”なに!””ほんとかよ!”
「…本当か?」
「ええ。一般人です。町間の運搬を生業にしているものです。ですので武装しております。最初に言ったんですが…そちらの臭いのには通じなかったようです。しかし、大通りで良い装備を持ってるだけで襲われるなんて…怖い町ですね。ここは。」
衛兵隊の方々に向けて嫌味一発。ジロり…に、睨まれても怖くなし!(ぶるぶる…)地の利は、我に!…いきなり斬らないでくださいよ!
「…身分証は?」
権力には権力だ!マシューバリア発動!
「はいこれで。」
「商業ギルドか…しかもマシュー女史の裏書つきか…証人も多数、恐喝の現行犯だな。拘束せよ。」
{はっ!}
「な、なんだよ~はなせ~」
「くそ~」「お、おいぃぃ!」
「は、放せ!」
「ギルド長も聞きたいことがある。この後、屯所に出頭せよ。」
「…は、はい…お、お騒がせしました…」
「私たちは?」
「簡単な調書を取りたい。ここのほうがいいだろう?」
わかってらっしゃる。
「ええぇ、流石隊長さんです。」
「商業ギルドにも話が行くが…良いか?」
「しょうがないですね。命に係わる事でしたから」
で、さらさらっと聞かれたことに答えて無事釈放。
一応、冒険者ギルド長に…。最後っ屁でも。そっと近づいていく。
「な、なんだ!」
ふん。耳元に…
「私達、商業ギルドの依頼中なんです。遅れたら弁済してくださいね。貴ギルドのせいなんですから。調書もあるし。本部からの指名依頼なんで内容は解らないですが…少なくないお金が動くと思いますよ。ギルド規模の。いくら保証しないと…怖いなぁ。信じられませんか?マシュー副ギルド長の信もありますよ。」
と耳打ちしてあげました。
「あ…ぐぐぅ…」
真っ青な顔をして今にも倒れそうなハゲ長。
…いかんいかん。最近血の気が多いな。直ぐ頭にくる…老成したビジネスマンだったのに。反省だな。
「おっさん、何言ったんだ?死にそうだぞ。あのおっさん。」
「いや、依頼妨害してくれてありがとう。遅れたら弁済よろ~って。」
「性格わるいな!おっさん」
なら爆笑やめい!
「だね。反省反省。あちこちに敵作っちゃうね…猛省だわ。」
まぁ、正義は我にあり!ってことで。
「…ワイン樽ってまだある?トワ君」
「あるよ~。なんで?」
「みんな悪いけど帰りもここに寄って隊長さんとこに顔出したい。で、ワインは賄賂だ。」
「なして?」
「保険だな。悪い人じゃなさそうだし?コネってやつさぁ。」
「さすが!おっさん。小心者!了解です!」
うっさいわ!
本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。




