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1934/1936

PHASE-1934【内部責め】

「両足を切り落とされるのが嫌なら素直に謎の魔道具を渡すがいい。そうすれば五体満足のまま連れ去ってやる」


蹂躙王ベヘモトの配下なら奪うくらい言えばいいでしょう」


「それもそうだ。小娘の発言は実に正しい。やはり両足を切り落とすか」

 余計なことを言うんじゃないよ……。

 実行してやろうとばかりに得物のウォーハンマーを構えつつ、


「来ますよ」


「おうよ!」

 前に立ちつつ、コクリコを後衛担当として下がらせる。

 地面を蹴って助走をつけ、翼を羽ばたかせての直線飛行。

 アクセルとは違った目で補足できる高速移動。

 筋肉ダルマの飛行による高速移動というのは、目で補足できる分、迫力がすごい。

 

「ファイヤーボール」

 迎え撃つコクリコが地面すれすれを滑空してくるコリドーガへと火球を見舞えば、


「カッ!」

 口を開いてのブレスで三発の火球を相殺。速度を維持したまま接近。


「心なしかブレスの威力が弱まっているような。今までの威力ならかき消しながらこっちに飛んできてただろうからな」


「普通に会話はしていますが、口の中は結構な痛打を受けているみたいですね」


「その発言内容は認めざるを得ないな」

 認めてはくるが余裕はある。

 で、その余裕あるままにウォーハンマーの間合いへと入れば躊躇なく俺へと振り下ろす。


「いだだ!?」

 打撃面を横っ飛びで躱すも、地面を大きく抉り取ることで生まれる水や小石、土なんかが飛び散り俺の体にビシビシと当たってくる。

 当たるだけで痛みに襲われる。

 メインではなく副産物でこれだからな……。

 並の装備なら致命傷だよ。

 これだからデカい系を相手にするのは嫌なんだ。


「殺さない程度にする割には殺す気満々じゃねえか」


「あの程度では死なないと信じていたんだよ。勇者だもんな」


「これほど嫌な信頼もねえな」

 水浸しになった地面をドシャドシャと強い足取り。俺との間合いを詰めてくる中で、


「トール跳んでください。ライトニングスネーク」

 装身具で強化された雷系中位魔法は上位に位置するライトニングボアクラス。


「これは中々」

 三匹の大蛇がコリドーガに直撃。

 水に浸かった地面からも電撃が走り、コリドーガの周囲を青白い電撃が暴れ回る。

 直撃した体からは白い煙がもくもくと立ち上がっていた。


「もう少し威力が高ければ眼球が蒸発していた。おしかったな小娘――力不足だ」


「お宅の目を蒸発させる手前までやれるなら、いずれはコクリコの魔法で倒すことも出来るってことなんだろうな」


「それまで生きてはいられないだろうがな」


「その前にお宅が倒れるってこともあり得るんだけどな!」


「無駄」

 ガリィィィィン! と触れれば鈍い金属音と澄んだ音色。

 鱗とマラ・ケニタルが触れた事で生じた音は鱗からとミスリル特有の音が混ざったものだった。


「なぜにそんな気の抜けた斬撃をしてくるのか」


「それはこっちが本命だからだよ」

 右手の前方に顕現させたネイコスによるイグニースを球体へと変化させた烈火。

 ここにピリアのボドキン。

 二つのマナを混ぜ合わせての――、


「ポーカーショット!」


「ぬぅん! カァッ!?」


「よっし!」

 効果ありだ!

 どんだけ外側が強靱でも内部にダメージが通るのは口内の状況から分かってる。

 四メートル以上の筋肉ダルマが一歩後方へ。

 片膝をつかせることは叶わなかったが明確なダメージを入れることは出来た。

 圧倒的な強者であったクロウス氏だってこの一撃にはダメージを受けたからな。

 発展途上な存在ではある俺だが、炎舞以外でも痛打を与えるだけの技くらいは持ってる。


「やってくれる!」


「自慢の打たれ強さに過信しすぎたな。ガードしないのは油断以上の驕りが出たからだ」


「一撃を入れた程度で有頂天。驕っているのはどっちだ」


「俺たちじゃないのは確かだよ」


「その通り! ポップフレア!」


「ええい!」

 コクリコ強気の接近による側撃。

 練りに練ったポップフレア三連発にコリドーガのガードが遅れる。

 障壁魔法を使用することなくぶっとい腕と翼を盾代わりに顔を隠す中で連鎖爆発の轟音が鳴り響く。


 そんな中でもう一度、力を練りつつ、


「くどいガキ共だ!」

 元気な声だな。

 あれだけの爆発を受けながら、なんで平然と立っていられるんだよ。

 

 外側は本当に頑丈――、


「だなっと!」


「ぅぅうぐぉぉぉ……」

 更に追加でポーカーショットを腹部に打ち込む。

 ここでも一歩後ろへと下がらせる。

 牽制でウォーハンマーの横薙ぎ。

 追撃を中断して回避。

 ダメージを受けながらも雑に振ることはせず的確に俺を狙ってきた。

 痛みに動揺せず、落ち着いた精神を維持できているという証拠だ。

 欲を出して追撃していたらこっちがえらい目に遭っていた。

 ハチャメチャに振り回すっていう無様さがないのは流石は四天王ってところか。


「ファイヤーボール」

 俺に視線が向けられていると判断すれば、ポップフレア以上に使用率が高いコクリコの代名詞がコリドーガの頭部へと三連発。


「よい魔法を使ってくる小娘だ」


「ふふん! この炎王であるコクリコ・シュレンテッドは、死の淵より立ち上がることで今までよりも力を得ることができるのです!」

 わぁ~サイヤ人がいる。

 宇宙規模の戦闘力を誇る戦闘民族が味方ならコリドーガだけでなく魔王討伐も楽になるってもんだよ。

  

 ていうか、死の淵じゃなく実際に死んでたんだけどな。


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