歪で、甘い 4
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ディアーヌから連絡が入ったのは翌日のこと。
シャルリーヌが予想した通り、ディアーヌは暗号についてセルジュに教えてもいいと許可をくれた。
「内緒ですよ?」
「ああ、もちろんだ」
よほど知りたかったのか、ディアーヌから許可が出たと教えたらすぐに暗号について聞かれて、シャルリーヌは紙とペンを用意してもらう。
「暗号と言ってもそれほど複雑なものじゃなくて、手紙を書くときに、左から二番目の文字で相手に知らせたいことを伝えるんです」
「どうして二番目なんだ?」
「最初の文字だと、気づかれやすいからってディアーヌ様が」
シャルリーヌは簡単に手紙をしたためていく。内容にはたいして意味はない。暗号について説明するだけなので、手紙の内容を吟味しなくてもそれっぽく作ることができればいいのだ。
「はい。できました。左から二番目の文字で手紙を書くので、中途半端な感じで改行したりしているんですけど、手紙ならそこまで違和感を持たれないでしょう?」
そう言ってシャルリーヌが手紙を差し出すと、セルジュがひゅっと息を吸って立ち上がる。
「どうしました? 変なことは書いてないですよ?」
左から二番目の文字を縦に読むと、こうだ。
――きのうねごとをいつていました
寝言を言っていたと言われて恥ずかしかったのだろうか。
だけど、おかしな寝言を言っていたわけじゃない。
セルジュが昨日つぶやいた寝言は「いっしょにいこう」。
きっと誰かとどこかに出かける夢でも見ていたのだろう。
だけどセルジュは青ざめて「すまない!」と叫ぶと手紙を握り締めて部屋から飛び出して行ってしまった。
(違うことを書けばよかったかしら?)
そんなに寝言が恥ずかしかったのだろうかと首を傾げつつ、シャルリーヌはセルジュが出て行った扉を見つめる。
まさかセルジュが青ざめた理由が、シャルリーヌの知らない未来で彼女が出した手紙のせいだったとは、露とも気づかずに。
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