不覚
私「ついに……ついに、出来たぞ……! 見てくれカレン!」
カレン「はい、さすがご主人様。とても素晴らしいです!」
私が、カレンに見せたものは、縁までぎっしりと茶柱を立てた湯飲みだった。長い研究と鍛錬によってついに私はこの傑作を生みだすことに成功したのだ。
セバスちゃん「流石はご主人様です。このような嫌がらせ……いえ、傑作を生みだされるとは誠に感服でいたします」
ふ……セバスちゃんも私の腕前に感心したのか、冷たいの視線で見ている。
カレン「それで、こちらはご自分でお飲みになられるのですか? まさかとは思いますが……」
私「ふふ、これだけの一品だ。無論、部長にお出しする! これなら部長も喜んでくれるだろう」
そう言って、期待と自尊心で高鳴る胸を躍らせながら湯飲みをお盆に乗せ、部長の所へと持っていこうとする。
超婆「あら~まりちゃんじゃない? また、お茶汲み?」
不吉な声に振り返ると、そこにはいつの間にか忍び寄っていた超婆がいるじゃないか……。まずい、このままでは長話が始まってしまう……!!
超婆「あっ、そういえば、この前ね~~――」
回避しようと思ったのも束の間、地獄の門は開かれてしまった。そこから先、意識が飛んでしまい記憶が曖昧だ。部長の怒声で意識を取り戻した時には、お茶は冷めきってしまい。また、怒られてしまった……。
超婆にさえ捕まらなければ、絶賛されていただろうと思うと、我ながら不覚だったと反省する。




