シャーリーを調査する(2)
「そ、そういえば、私最近セフィードと友達になったんだけど、セフィードってクラスではどんなかんじなの?」
これは、シャーリーのセフィードへの印象を聞き出すためでもあるし、私の純粋な興味のためでもある。
しかし、シャーリーは思った以上の反応を見せた。彼女は驚いたように目を見開いたのだ。
「セフィードが友達ですって……?女子の?」
「え、あ、私は友達のつもりだけど、向こうはそう思ってないかも」
まるでセフィードに女友達ができることなどありえない、とでも言わんばかりの口調に、私は焦ってそう言い訳する。
実際セフィードと「私たち友達だよね!」なんて確認しあったことはない。向こうは知り合い程度にしか思っていない可能性も高かった。
私が慌てて話す間に、彼女は落ち着きを取り戻していた。
「でも、あなたが友達だって思うくらいには仲が良いってことよね。それってすごいと思うわ」
にっこり笑ってそう言うシャーリーからは、セフィードに対する何の感情も読み取れない。
私はもう少しだけ質問してみることにする。
「そうなの?セフィードと仲の良い女の子はいないの?」
「うーん、少なくとも、クラスでまともに話すのは私くらいじゃないかしら。それも、席が近いからってだけなんだけどね。ほら、セフィードって冷たいじゃない?よく言えばクールってことになるけれど。だからみんなちょっと怖がってるみたいなの」
シャーリーさんの言葉に、私は思わず眉をひそめた。
セフィードが冷たい?あんなに優しいのに、何を言っているんだろう。
シャーリーさんは、セフィードのクラスの女子は、セフィードの一体何を見ているの?
そう反論しようと開きかけた口を、ぎゅっと閉じる。
ここで私がむきになっても、シャーリーさんには訝しく思われるだけだと考えたからだった。
そこへ、ちょうどよいタイミングで教師の声がかかった。
「よーし、器械体操組、柔軟できたかー?そろそろ始めるぞ」
「ですって、行きましょう」
シャーリーさんに言われ、立ち上がる。
結局、そのあと彼女とゆっくり話す機会は訪れなかった。




