↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

観察6日-触手-

 触手とは、クラゲ、イカ、タコ、イソギンチャクなどにとっては捕食器官である。


 触手でなくとも、イモガイの銛、ヤゴの下顎など、捕食のために体の一部を射出する生物というのは多い。


 虫竜の触手が、なにを目的とする器官なのかは不明だ。少なくともまだ、捕食や歩行などに利用していることは観察できず、無意味に風になびいているだけに見えた。あるいはそう見えるだけであり、風を感じたり、匂いを捕まえる受容体の塊でセンサーなのかもしれない。


 広い視野が必要なのだろうが、触手という先入観が強い。


 刺激を与えてみた。使った道具は爪楊枝だ。鋭利なほうで虫竜の触手状器官を突いた。ぶよりとした感触はなく、むしろ硬質な甲虫のように弾かれる感触があった。筋肉とも違う。


 数度繰り返すと、虫竜がわずらわしくこちらを見た。耐えていたのだ。神経の反射だけなら、最初の刺激で反応を示すはずだ。虫竜の知性は虫とは別種であり、より高度な、反射以外の思考できる可能性が高い。


 虫竜は、爪楊枝をとりあげると、二度と使わせないように腹に抱えてうずくまった。寝ているのではない。ジッとこちらをうかがっている。まだ、何かをされるのではないかと疑っているのだと考えた。竜虫の目に、主観的すぎるが、知性と想像力を感じた。


 すまなかった、と頭を撫でて謝意すればコオロギとスズムシを足したような音を聞いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。