観察3日-骨の皮-
コロナ禍の時勢、遅ればせながらの夏休みであり、続く曇り空の濁った光を浴びながら子供の遠い声と僅かな蝉の鳴き声を耳にする。
仮名・竜虫は、何を捕食しているのか不明だが成長を続けた。完全な外骨格生物の質感だが、内骨格的要素が強く爬虫類と鳥類の中間に位置する構造に見える。だが部分的に虫類の特徴を持っていて判然としない。少なくとも硬い外皮はある種の爬虫類や甲殻類と似ていると考えられるものであり、成長において必須といえる脱皮は、蛇類に見られる部分的なものであるようだ。
つまり、外骨格から栄養素を抜いて硬度を下げ、全身をまるごと引き抜くようなことはせず、垢のように少しづつ古い殻が上から削ぎ落ちていく。
不思議なことに、仮に外骨格生物とするなら、その骨格は充分な強度を保持しているとは思えない。なぜならば、触った感触がとても柔らかいからだ。もしかしたら、外骨格生物というのは見ため上の近似でしかなく、内骨格生物なのかもしれない。アルマジロ類やハリネズミ類は、表皮の変化で硬い殻や針を手に入れている。古くは甲冑魚も、まさしく鎧そのものといえる体へ進化した。もっともおかしな進化という意味では、亀類における特殊な方向性も考えられる。あれは背骨と肋骨の変形だが、虫竜は完全な外骨格を獲得していて、鱗とも違うものの可能性が強い。
内骨格生物が、外骨格のようなものを持っても不思議ではないが、両方の性質を持つというのは中途半端に感じる。
虫系であれば、不完全、完全を問わず変態をするものだ。クラゲや蟹に海老、貝もそうであるし、多くの魚類でも姿形を大きく変化させるものはしばしばあらわれる。
あるいはこの虫竜も、生まれながらの特殊な構造の皮膚を持っているのでなければ、数度の変態を繰り返す可能性がある。蛹に似たものを必要とするなら気をつけなければいけないだろう。




