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仲間に裏切られ最低ランクへ落とされた元勇者は謀略だけで生きていく   作者: 田丸 彬禰


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洞窟を支配する者たち 

アーベルたちが動かないかぎり助からない。

むろんそれはアーベルたちも同じことなのだが、彼らには多くの食料があり、まだまだ動かなくても問題ない。

それに対し、自分たちは最悪でも十日、余力を考えればその半分の日数のうちにケリをつけてもらわねばならない。

つまり、アーベルたちは自分たちが飢え死にした後に行動を開始しても全く問題ないのに対し、自分たちはなるべく早く動いてもらわねばならないという負い目がある。


要求された報酬は持ち金のほぼすべてと今後の報酬の半分を渡さなければならないほどの厳しさがある。

だが、背に腹は代えられない。

全員が承知する。


「それともうひとつ。いや、もうふたつ」


「ひとつは金を払ったからと言って安全な場所で俺たちの仕事を見物できるわけではないことを理解すること。すなわち、おまえたちも魔物と戦ってもらうということだ」


「それから、もうひとつ。それはひとつ目に関連することなのだが、俺の指示に絶対服従することを誓うこと」


「そのふたつが守れるかどうか?」


「どうだ?」


むろん、全員がそれにも承知する。


「よろしい。では、最初の指示を伝える」

「おまえたちの帰路を塞ぐ目障り魔物どもを明日から攻撃しろ」


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