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仲間に裏切られ最低ランクへ落とされた元勇者は謀略だけで生きていく   作者: 田丸 彬禰


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64/70

大混乱に陥った魔物たちが打った手は 

アーベルたちの進撃は「金にものを言わせて」ではあるものの、実に理にかなっている。

逆にいえば、相手となる魔物にとっては厄介なことこの上ないといえる。

魔法によって前面を掃討した後に進むやり方は魔物たちにとっても一時的な進攻のために使う手であることは変わりない。

そして、その一時的な手を使い続けることはいずれ魔力切れを起こす。

そこを突けば、失った分以上の前進ができる。

いや。

できるはずだった。

だが、今回前線にやってきた人間たちには魔力切れがやってこない。

しかも、不定期に前進が止まり、魔力切れがやってきたと喜び勇んで突撃したところを魔法で狙い撃ちにされる醜態を晒す。


すぐにやってくるはずの魔力切れはやってこない。

それどころか、それを利用して罠をかけられ更なる被害を受ける。


忌々しいかぎり。

だが、有効な対応策が見つからない。


そして、魔物軍にある命令が出る。


その人間どものチームには手を出すな。

魔法の射程距離の外で待機。

そのまま後退を続けろ。


狙うべきはそのチームの遥か後方。


転移魔法によってそのチームの無縁な場所で攻勢をかける。

そして、忌々しいチームと他の人間たちを切り離し、奴らの補給を断つ。

どのような方法で魔力を維持しているかは知らないが、さすがに後方と分断されれば食料は尽きる。

根無し草のごとく飢え死にしてくれれば一番いいのだが、最低でも後退は余儀なくされる。

そして、奴らが後退している間に失った場所を取り返す。


これによって最強の敵と戦わずに勝利を収めることができる。



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