問題は何も解決していない
それからまもなくアーベル、アルキタス、タウルスの三人は始まりの町ゴクレニウスを経由して再び第二洞窟コラシへ向かう。
その道すがら三人はこのような話をしていた。
「もちろん、目の前にいれば倒せる手段は手に入れた。だが、実際のところ問題は解決していない」
「あの魔法を使って背後に現れる可能性を消し去ったわけではないのだから」
「だが、あれから魔物はあの魔法を使った襲撃をおこなっていないようだぞ」
自身の言葉に反論するようにタウルスがそう言うと、アーベルは薄く笑う。
「おそらく奴らは気づいたのだろう」
「あの魔法を使っての襲撃。それは有効性と同じくらい危険性もあることを」
「どういうことだ?」
「奇襲に成功すればいい。だが、転移先の状況は行ってみなければわからない。下手をすれば行った先で大部隊に出会い袋叩きに遭うこともあるだろう」
「俺たちを狩りに出かけ返り討ちに遭った部隊が戻らない。だが、誰一人戻らないのだからどのような状況になったのかは残った者たちはわからない。しかも、送り出したのは余力を持って勝つはずの部隊」
「まさかあのような方法で叩かれたとは思うまい。考えられるのは俺たちを探して移動していたどこかで大軍に出くわしやられた」
「そのようなことが起こり貴重な部隊を失っては簡単に再開できないだろう」
「そういう意味では、やってきた部隊を全滅させられたのは大きかったといえるだろう」
「そして、将来俺たちもこの魔法を使えるようになったときもこの点は十分に注意しなければならない。暗殺しようと思った時、一番確実なのは相手がやってきた直後。俺たちを含めて敵が多い者には使い勝手の悪いものかもしれない」




