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仲間に裏切られ最低ランクへ落とされた元勇者は謀略だけで生きていく   作者: 田丸 彬禰


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再会の時

二日後。

組合によって派遣された援軍がやってくる。


時間的なものを考えれば、組合からより近い第二洞窟に挑む冒険者。

そして、コラシで有名な冒険者チームは『スーブラキ』、『墓知らず』、『虹色の夜明け』。

おそらく、やってくるのはそのうちのひとつ。


だが、遠くから歩いてくるのは三人。


「カッシーニ。俺には三人しか見えないが、後方から誰か来るのが見えるか?」

「いや。三人だけだ。援軍というのはあれではないのか?」

「さあな。それはあいつらに聞いてみればいいだろう」


町の入口でその援軍を待っていた三人は少しだけガッカリしたように言葉を並べていた。

だが、その三人の顔を判別できるようになったところで、まず、遠目の利くセルシウスが、続いてカッシーニが気づく。

その三人のうちのひとりが知り合いであると。


「アーベル……」


むろん、相手はそれより先に待っている三人が誰かを判別していた。


「……ご苦労なことだな」


アーベルはそう呟き、黒い笑みを浮かべる。


「アーベル。あそこに立っている奴らを知っているのか?」

「ああ」


タウルスの問いにアーベルは短く応じる。


「……いわゆる、昔の仲間。あそこにいるのが『黄金の盾』の三人。つまり、俺を捨てた者たちだ」

「だが、なぜあそこで待っているのだ。アーベルが来ることなど知らなかったはずだが」

「大方、組合本部から援軍が来るというので出迎えに来ていたのだろう」

「つまり、あの三人も討伐に加わるのか?」

「というより、あいつらが仕切りをするのかもしれないな」


そこまで言ったところでアーベルは再び笑う。


「もしかしたら、俺が恨みを晴らしに来たと勘違いし、襲ってくるかもしれない。その時はどうする?」

「簡単なこと。斬るだけだ」

「そういうことだ。そして、身ぐるみ全部剥ぎ取る」

「野盗か。おまえたちは。それに……」


「今のあいつらは相当強いぞ」

「望むところ」


「とりあえずいつでも剣を抜ける準備をしておけ。そして……」


「始まったら遠慮なく斬れ。命乞いをしてもそれは擬態。構わず斬れ」

「了解」


そして……。


「出迎えご苦労だ。カッシーニ。ダレスト。そして、セルシウス。とりあえず、元気そうでなによりだ」

「おまえも元気そうだな。アーベル。それで、援軍というのはおまえのことか?」

「そうなるな」

「あとは?」

「俺たちだけだ。皆、詳細を聞いて断ったからな」


そう言ってアーベルはわざとらしいため息をつく。


「まあ、当然だ。アグリオスだのリュコスは、深部に潜る上級冒険者でなければ手に負えないからな」


「確かに」


「だが、おまえたちならやれるのか?」

「ああ」


カッシーニからの問いにアーベルの笑みの黒味は最大となる。


「なぜか俺は剣を持つ力も魔力も消えているが、その分、こいつらがいるから問題ない」


そう言ったアーベルは後方に控えるふたりを見やる。


「挨拶を」


「俺はアルキタス」

「俺はタウルス」


「一応、組合本部から早く片付けろと言われてきた。それで……」


「まず、歩きながら状況を聞かせてもらおうか」

「ああ」


アーベルは間違いなくわかっている。

だが、ここでは報復する気はない。


三人はすぐに理解した。


そうであれば、ここは目の前の仕事を完遂することに専念すべき。


「まず……」


四人の後ろを歩くふたりの若い騎士は思う。


あっという間にその場を支配する。

やはり、アーベルは格が違う。


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