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最高峰から最底辺~芋虫の異世界生活記~  作者: 辻井 優
終焉の天使編
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46話 破壊の天使VS強欲の魔王

もう吹っ切れましたよ、全部だ。


全部やってやる。

話がクソ長くなりますけど構わないです。


元々この話のコンセプトとして私が考えた事はテンプレを含ませつつ、これまでに無い様な作品を作ること。


うってつけじゃあないですかァ!

やってやりますよー!

私は化物を殺すため、母の命に従うため、禁術を発動する為の祭壇へと向かう。


禁術と呼ばれるこの術式は祖母の言葉を捻じ曲げ、神託を盲信した母の作り出したモノだ。


母である聖女マリアは当時の他のどの者達より才能があった、それでいて凄まじい努力家でもあった。


その時代最高の天才で有りながら最大の努力家だった、それでも......偉大なる祖母には届かなかった。


だからだろう母は祖母を嫌っていた、いや。

憎んでいたと言っても良いかも知れない。


だからこそ、祖母の言葉に反発したのかも知れない。



私だって分かっている。

祖母の言った事【皆いつも仲良く笑顔で居てね】この言葉が、今私達がしてる様な事をしろという意味で無い事など。


だが私は母が怖かった...母は禁術を造り終えると同時に死んだ。

だが死して尚、母が私には怖い。

祖母が死んでから、私に絶えず言い聞かされて来た言葉が呪いのように私達を縛っている。


『皆を笑顔に、平和を作れ、邪魔する者は見せしめとする為厳しく罰して殺せ』


『神託の化物や聖国を脅かす敵が現れた時は迷わず使え、この術式が民を犠牲にするものだとしても。

それがお前の役目であり神の言葉は絶対なのだから』




いや、そもそも人が完全な平和を手にする等不可能なのか?


一時は結託した亜人と人は魔王を倒したら、直ぐに元の関係に戻ってしまったのだから。


愚かな私には分からない。



母の造った術式、それは祖母の造った術式に連動する様に作られている。


祖母の皆を守る為の術式の範囲が広がれば、母の呪いの術式も寄生虫の様に祖母の術式の力を奪い範囲を広げる。


ここだ、祭壇に私はたどり着いた。


そこにある魔法陣の中心に私は立つ。


この魔法陣は文字通り母が命を使い、書いたものだ。


この魔法陣は母の血や皮、骨肉で描かれている。



そしてこの術式は民が多ければ多いほど効果を増す。


術式の媒体とはすなわち民、民の命を生贄とし効果を発揮する最悪のモノ。

媒体が多くなればなる程効果を増す。


恐らく呪術による攻撃だろうか?

才能の無かった私には、殆ど術式がどんなものか読み取る事ができなかった。



そして発動のトリガーとなるのは私自身の命。



私はこれまで母の言葉に従う人形の様に生きてきた、だがそれも今日で終わり。


最後に平和の為にこの命が、使われるのなら本望だ。


母様、祖母様、今そちらへ参ります...。


「禁術発動」


私は魔法陣の中心に立つと、その言葉と共に儀式用の短剣で自らの首をかき切る。


真っ赤な血が吹き出るのが見える。


そしてその血は魔法陣へと降りかかる。

すると魔法陣は心臓の様に脈打ち始め、さらに魔法陣から血管の様に脈打つ線が伸びていく。


どうやら成功したらしい...


ソレが私の見た最後の光景でした。


















聖女が自らの命を捧げ術式は発動した。

魔法陣から吹き出た血管の様な網目は瞬く間に聖国全土を覆い尽くし、その効果を起動させる。


何も知らない民たちは何かを感じる暇もなく命を奪われた。


バタバタと民が地面へと倒れ付していく、術式により命を奪われたのだ。


そしてその死体は血管の様な網目に吸い込まれていく...


そして血管の様な網目は脈打ちながら、巻き戻しの様に元の位置へと戻って行く。


そして魔法陣へと集まると人型を形作っていく。


そして......


「キャハハ!!キャハハハハハハハハハハハハハ!!!」


1人の狂人が甦った。


聖女は母が死んだと思っていたが実際は違った、ただ魔法陣へと自らの肉体を変形させ待ち続けていたのだ。


この時を。



“強欲”な彼女は全てを超える力を手にする為にただ、耐え忍んだ。

より多くのものを手に入れる為に。




かつて必死に彼女は力を求めた、その為には努力を惜しまなかった。

だが限界が来てしまった、彼女が自らの力で手に入れられる力の限界が。


ならばどうすれば良い?他から奪えば良いのだ。


彼女は必死に願った。


力が欲しい!!

全てを手にする為の力が!!!


そう願い続ける日々、そしてある日彼女は力を授かった。


それは、ほんの欠片に過ぎない。

だがそれでも人の身には大いに余る力...アルティメットスキル(神の力)を。


強欲な彼女は歓喜した。


この力が有れば全てを手に入れられる...と。



彼女はコレまでも術式を考えていた、弱者から力を奪い自らのものとする為の術式を。


ただ生きて死んでいく。

何の役にも立たない弱者など、全て自分の糧となってしまえばいい。



しかしそれの発動と行使は、いくら優秀と言えただの人であった彼女には不可能だった。

だが今は違う。


授かった力は、最初からその為にあったかのようにその術式にピッタリとはまり込んだ。



そして彼女は待ち続けた、聖国が繁栄するのを、術式発動に必要な力が蓄えられるのを、最適なタイミングが来るのを。


だがもしかしたら待ってる間に聖国が滅ぶような、大災害などが起こるかもしれない。


もしそうなったら計画が台無しだ。

だがこの術式と一体化した状況では何かが起こっても察知する事は出来ない。


だから娘を半ば洗脳し命令を下した。


聖国が滅ぶような大災害が起こった時には術式を発動させるように、と。



どうやらあの愚娘は、出来損ないながらも私の命令を果たす程度の能力はあったようだ。


凄まじいまでの力を感じる。

今の私は間違いなく最強にして最高、至高の存在へと至っている。

母など比べ物にならない程に。


だが足りないもっともっともっともっともっともっと欲しい欲しい欲しい欲しいほしいほしいほしいほしいホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイ。


だが彼女の思考はそこまでだった。



いくら強靭な精神を持っていようとやはりアルティメットスキル(神の力)を人間が宿し、マトモで居られるはずは無かったのだ。


彼女の精神は塗り潰された。


そして肉体も。

数十万人の力を一人の人間に入れられるはずも無く、肉体も姿を変えていく。



《 精神が耐え切れず『強欲(アワリティア)』に侵蝕されました、個体名マリアの精神が崩壊しました。

肉体許容値が超過しました、このままでは肉体が崩壊します。


...アルティメットスキル『強欲(アワリティア)』を確認しました。


人族、個体名マリアが魔王マンモンへと進化します。


エクストラスキル『経験値強奪』を獲得しました。

ユニークスキル『HP吸収Lv.1』を獲得しました。

ユニークスキル『MP吸収Lv.1』を獲得しました。


称号『魔王』を獲得しました。

称号『簒奪者』を獲得しました。》



それは新たな魔王の誕生であった。


大きく膨れ上がった体躯に生える頭は2つ、鳥の頭だ。


そしてその身体も...


その姿は黄金に輝く、双頭の巨大な鳥そのものであった。






その巨鳥は舞い上がる、はるか空へと。


そして見つける、地面を這いずる途方も無く強大な力を持つとある存在を。


そして“強欲”の魔王は動き出す、その力を奪い我が物とするために。


思考した訳では無い、それは本能に近い、強欲の魔王という存在の持つ。





そして天使も気づく、この地に唯一残った命を。


その躰にある無数の目で睨みつける、摘み取り蹂躙し破壊し尽くすべき命を。


コチラも本能と言える。


だが同時にそれは“破壊の”天使となる時に消え去ったハズの彼女の残滓、全てに絶望した彼女の思いでもある。




コレまでこの世界に存在せし得なかった、たった一体で容易く世界を滅ぼしてしまうような......



そう、果てしなく強大で凶悪で狂気に塗れたバケモノ達の戦いが今始まろうとしていた。



色々混ぜ混ぜして、練り合わせるので少々時間がかかるかもです。


お待ちしていただけたら嬉しいです。


あと感想とかで、「こんな話が読みたい」とか「こういう風にしたら良いんじゃない?」みたいな事を言っていただければ出来る限り詰め込んで見せます。


些細な事でも良いです、気軽に書いて行って下さいね。

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