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最高峰から最底辺~芋虫の異世界生活記~  作者: 辻井 優
敗北の魔王編
43/52

41話 歓喜の魔王と再会の勇者

~前回のあらすじ~


聖国に行ったら魔王が泣き出した

「ああぁぁぁ、わ、我が君!どうしたのですか、何処か痛むのですか?」

わたわたと慌てながらおかっぱペストがそう言う、確かに突然泣いてしまえば驚いてしまうだろうな。


ふふっ、心配性だなコイツはホント。


「グスッ、いや大丈夫だ。気にしないでくれ」


「そ、そうですか。もし少しでも何かアレば(ワタクシ)に言って下さいね!」


涙を吹いて立ち上がる折角夢が叶ったのだ。

そう、1度は裏切られ潰えたと思っていた妾の夢が叶ったのだ。

そこで妾が見た光景、それは笑顔で笑い合う様々な種族の者達の姿。


八百屋の様な店では談笑をしている牛の獣人の店員と、主婦っぽい感じのエルフ。


広場では笑い声を上げながら鬼ごっこをして遊んでいる人間や魔族、獣人など様々な種族の子供達。


道ではお互いの活躍を称え合う、弓を持ったエルフ、魔法使いの様な姿の魔族、大きな盾を持った竜人の恐らくは冒険者パーティ。

中には別種族の夫婦の様な者達までいる。




それは正しく妾達が望み、叶えようとした夢。


「うふふふふふふ」

妾は涙を流しながら笑っていた、何度も涙を拭うのだが後から後から溢れて来て止まらない。


だが構わない、そんな事は些細な事だ本当に満たされた気分だ。

こんなに嬉しいのは妾と同じ願いの者が他にも居ると解ったあの時以来かも知れない、そうあの者達と暮らしたあの遠い日々と...


だが、妾の幸せはまだ終わらない。

これ以上無いと思っていたのにまだ上があったとは。

妾が見たのは走って来る、懐かしき友の姿。


そう勇者カオル・ヤザワ、いや...かおるんがそこにはいた。


「べーーーるーーーちゃーーーん!!!」

そう叫びながら走ってくる、懐かしき呼び名だ。

そうだ彼女は妾をそう呼んでいた。


「か、か お゛る゛ん゛ん゛ーーー!!!」

泣きながらも、反射的に呼び返す。


ガシッと抱き合う妾達、周りの人達がコチラを見ているが知ったものか。


温かい。


こんな気持ちを再び味わえるなんて、あの時確かに壊れてしまったと思ったのにね。


ああ、こんなにも幸せで良いのだろうか...







「かおるん達はあの後どうしていたの?」

しばらく泣いて落ち着いた妾達は、近くの喫茶店に入り話をする事にしたのだ。

「実はベルちゃんが消えちゃった後、神託があったんだよ」

神託?そんな物があるのか、ていうか神何ていたっけ?

「へぇ、どんなの?」


「たしかね《 現れた破滅は、1度は止まる。

だが忘れる無かれ近い未来に再び帰って来るだろう、以前より遥かに強大な力を持って。

こころせよ、備えよ、力を集結させよ...かの者が帰って来る前に 》こんな感じのハズだったよ」


あー、これ多分妾の事じゃないよね。

破滅って何だよカタストロフィーかよ、ルーインかよ。


「私はこれを聞いてベルちゃんが復活するって事だと思ったんだ、それで待とうと思ったんだけど私は人だから寿命が短い。それで自分に封印をかけてベルちゃんが復活したら起こしてもらうように伝言を残したんだよ」


「へー、じゃあかおるんは世界がどうなったかってのは」


「うん知らないよ、役に立てなくてゴメンね」


「良いよ、気にしてない。所で王国がどうなってるかかおるん知ってた?」


「いや、知らないよ。まさか...」

それ以上聞きたくないが聞かないといけない、といった所かな?

そんな複雑な表情でかおるんがそう言う。


だが妾は伝えねばならない王国の事も、妾のした事も...

「その、まさかだよ。人々は今も争い続け人間は他種族をまるで奴隷やゴミの様に扱っていた...」


「...ベルちゃん今すぐ王国に行こう、そんな連中生かしておけない!本当にあの子達は何をしていたの!?ああぁああああ!悔しい!悔しい!悔しいぃぃぃぃ!!!!」

怒り狂うかおるん、こんなかおるん初めて見たよ。

でもやっぱりそうだよね。

自分達が命をかけて頑張った事が無駄にされたら、そりゃ悔しいよね......


「かおるん、その必要は無いよ。」


「だ、だってベルちゃん!!悔しく無いの!!!」


「悔しいよ、でももう王国は滅んだんだよ。いや、妾が滅ぼした...怒りのままにね」

そう言ったとたん、かおるんが妾を抱き締めた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!私達のせいでベルちゃん!ベルちゃん!ごめんなさいベルちゃん!」


「確かに悔しかったし怒りもあったよ、でも見てよこの街を。この街は妾達の理想じゃないか?きっと王国がおかしかっただけだよ。」


「ベルちゃーん!」泣きながら抱き着いて来るかおるん。

かおるんいつも抱きつく時お尻触ってくるんだけど何で?

聞いておこう。

「かおるん、何でいつもお尻触ってくるの?」


「うえ!?ききき、気付いてたの?」

そう言った瞬間、凄い勢いで慌て出すかおるん。

「何が?」

「い、いや何でもないよ。抱き着いた時ちょうどその辺りに手が当たるだけだよ、たまたまたまたま」

何だ、たまたまか。


「ふーん、そっか」


「そ、そうだ色々あったみたいだけどベルちゃんのステータスとかってどうなってるの?やっぱり少しぐらい前とは変わってるんじゃない?」

そう言えばしばらく見てなかったね


「そうだね、今の妾のステータスは...」

良かったね魔王ちゃん゜(゜'ω'゜)゜



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