36話 憤怒の魔王
~前回のあらすじ~
魔王の敵がドンドン増えてく
妾は2人の悪魔以外を外に待機させ、王国を見る事にした。
まああんなの街に入って来たら大パニック必至だからね。
「ンフフフフフ、楽しみだな〜!」
ちょっと変な笑い声でちゃった。
でも仕方ないよね平和になって皆が仲良く協力して暮らせる、そんな世界を見るのが妾の夢だったんだ。
その夢が今から、叶うんだから仕方ないよー。
街についた、妾は目の前の光景に唖然としていた。
「な、なんで.........」
そこで妾が見たのは
罵られ、明らかに持ちきれない大きさの荷物を運ばされながら、ムチで打たれている獣人の男
貧民街でうずくまっている痣だらけの魔族の少年
そして全てを諦めたかのような暗い目をしているエルフの女性
それも1人や2人じゃない、沢山
そして......
獣人を怒鳴りながらムチ打つ貴族の女
うずくまり、泣きながら許しを乞う少年を笑いながら蹴り続けるガラの悪そうな男
エルフを腕に抱きイヤラシイ笑みを浮かべる男
人間、人間、人間...
「う、うああああぁぁあぁぁぁぁあああ!!!」
妾が!妾が何の為に!何の為にあんな事をしたと!
いがみ合っていた種族がアレほど協力し!
妾を倒すために皆、力を合わせたのでは無かったのか!
力を合わせ協力する事を学んだのでは無いのか!
妾が倒された後は皆協力し仲良く暮らして行くのでは無かったのか!
お前達は何をしていたのだカオル!カタリナ!
そうか、人間は何も変わらなかったのだな。
そうか、お前達は私をうらぎったのだな。
「うわぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」
それは怨嗟の叫び声
身を裂かれるよりなお酷い、心の痛みの叫び声
はてなき失望の叫び声
《 アルティメットスキル『憤怒』を獲得しました
称号『狂気』を獲得しました。 》
「殺す殺す殺す殺す殺すころすころすころすころすころすコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス...」
「全ぇぇてぶっ壊してやるぅぅぅぅ!!!」
「許せなぁぁぁいぃぃぃぃいいい!!!!」
「許せるぅものかぁぁぁぁああ!!!!!」
もうダメだ、こうなってはもう止められない。
妾はこの感情に負けてしまったんだ、耐え切れなかったんだ。
「『眷属招来』!『神毒!』行け!眷属共よぉぉぉ!
殺して殺して殺し尽くせぇぇ!サーチアンドデストロイだ!
お前ら!人間を見つけ次第殺せぇぇぇ!」
「御意」「やっとだね〜、ありがと〜」
『眷属招来』で呼び出した大量の蝿に『神毒』で造り出した毒の壁をくぐり抜けさせる事で身体に毒を付けさせ、人間を見つけ次第肌に張り付く様に指示を出す。
『神毒』は蝿には効果を及ぼさず、人にのみ絶大な苦痛の後に死を与える様に設定する。
これにより人のみを滅ぼす事が可能となる。
妾の心を少しでも癒す為に歌を聞かせろ。
「た、助けて!タスケテタスケ」「フギャミー」
「イタイイタイイタイタイ」
「あ゛ーー!あ゛あ゛あ゛ーーー!」「ヤメテヤメテヤメテヤメテヤ」
「イタイーイタイ、ママー、パパー、ナデナデシテナデナデ」
「へギョミツ」
「クフフフフフ、何だぁぁ!?さっきまでぇぇ!アレ程他を苦しめて居たのにぃぃ!自分の番となるとてんでダメじゃないかぁぁぁ!?」
眷属の中で蝿は最下級、MPの消費も少ない。
自然回復に劣るほどに、つまりほぼ無制限に召喚し続ける事が出来る。
死体で、デーモン追加しないのかって? 死体は放置だ。
「コイツらなんて再利用などしてやるものか、無意味に、無価値に、ゴミのようにただ朽ちてゆけ」
そうこうしているうち数週間は経っただろう。
この国はどの街を見ても似たようなものだった。
殆どの街は妾が既に滅ぼした、残るは今居る王都のみ。
その王都も最早終わりだ、意識もようやく元に戻って来た。
妾が王都を歩いていると、そこに騎士鎧姿の人間が「ファー…ブルスコ…ファー…ブルスコ…ファー」みたいな呼吸音を立てながら剣を構え走って来た。
「『神毒』を喰らってまだそれだけ動けるのか、興味深いね。」
見てて最初は面白かったんだけど、なんかキモかったから首元を横から思い切りチョップしたら
「モルスァ」みたいなこと言いながらすごい勢いで飛んで行った。
《 称号『剣聖』を獲得しました。ユニークスキル『剣聖術Lv.1』を獲得しました。 》
ファッ!?『剣聖』?
確か、『剣聖』の称号は他の称号とは違い少し特殊で剣術を極める場合以外にも『剣聖』の称号を持つ者を剣で倒した場合にも手に入る。
それが何で?妾は剣術なんて極めて無いし
もし仮に今殺したのが剣聖だったとしても妾は、剣なんて1度も...
あ!?まさか手刀???
そんなのアリなの?
てか、あんなのが剣聖か...
時間が経ち恐らくこの国の全ての人間を殺し切った今、意識はほぼ完全に安定したと思う。
良かったまだ妾は戦えるようだ。
まだ妾は耐えられる、自我を保っていられる、役割を果たす事が出来る、でも私を裏切ったアイツらと人間はユルサナイ...ミナゴロシダ。
妾の目指す先に、平和に、理想に、人間共は必要無い。
アレだけしてもダメだったのだ、最早奴らに慈悲を与える余地は無い。
《 称号『国落とし』を獲得しました『哀しき魔王』を獲得しました。 》
そうして、たった1人の魔王により王国は滅んだ。
可哀想な魔王この後、SUN値がピンチになって狂死とかしそうですよね




